2018年公認野球規則【抜粋】  PDF版 (変更箇所は赤字

<第3版解説 1845年に初の野球規則が誕生 より>     

1845年、ニューヨーク・ニッカボッカーズ・クラブのアレキサンダー・ジョーイ・カートライト(25歳)が初めて20項目からなる野球規則を考案した。野球の起源は何か?クリケット説、ラウンダース説、タウンボール説いろいろあるが、これらの棒(バット)とボールを使った英国の遊びがアメリカにわたり、南北戦争を機に全米で人気を得るスポーツとしてベースボールが広まっていき、そして現代のベースボールヘと発展していったのである。

わが国では、明治5年(1872年)米国人教師ホーレス・ウィルソンが当時の東京開成学校予科(現在の東京大学)でベースボールを教えたのが最初と言われる。

では、ベースボールを野球と名付けたのは誰か?野球好きの正岡子規が幼名の升(のぼる)にちなんで「野球」(の・ぼ一る)という雅号を用いたので子規だとする説がある一方で、一高の野球部員であった中馬庚(ちゅうまんかなえ)が1894年野球部史を作るにあたって、“ball in the field”だからベースボールを「野球」と訳したのが最初と言われている。

それまでは、「玉遊び」「打球鬼ごっこ」「底球」などと呼ばれていた。
さて、1845年に作られた初の野球規則は現在の野球規則に受け継がれており、実に興味深い。

碑文

この地には、もと東京大学およびその前身の開成学校があった。

1872(明治5)年学制施行当初、第一大学区第一番中学と呼ばれた同校でアメリカ人教師ホーレス・ウィルソン氏(1843~1927)が学課の傍ら生徒達に野球を教えた。

この野球は翌73年に新校舎とともに立派な運動場が整備されると、本格的な試合ができるまでに成長した。これが「日本の野球の始まり」といわれている。76年初夏に京浜在住のアメリカ人チームと国際試合をした記録も残っている。

ウィルソン氏はアメリカ合衆国メイン州ゴーラム出身、志願して南北戦争に従軍した後、71年9月にサンフランシスコで日本政府と契約し、来日。77年7月東京大学が発足した後に満期解約、帰国した。

同氏が教えた野球は、開成学校から同校の予科だった東京英語学校(後に大学予備門、第一高等学校)その他の学校へ伝わり、やがて全国的に広まっていった。

2003年、同氏は野球伝来の功労者として野球殿堂入りした。まさにこの地は「日本野球発祥の地」である。

2003年12月財団法人野球体育博物館

 

【最初の野球規則】                                      

第1条 メンバーは決められた時間通りに集合すること。

第2条 メンバーが集合した時、会長(会長が不在の場合は副会長)は審判を指名する。審判は試合を記録用のノートに記録し、この規則に違反したすべての行為を書き留める。

第3条 会長(会長が不在の場合は副会長)は2人のメンバーをキャプテンに指名する。2人はその場を離れて相談し、試合に参加する選手を選ぶ。その際、両方の選手の技量ができるだけ同じになるように留意する。キャプテンは率いるチームをコイン・トスで決め、次に同じ方法で先攻を決める。

第4条 塁と塁との距離は、本塁から二塁まで42歩、一塁から三塁までが42歩で同距離とする。

第5条 通常の練習日には、対外試合は行わない。

第6条 練習開始時間にクラブのメンバーが足りない場合には、メンバー以外の人を選手に加えることができる。メンバーが後から現れても練習に参加させる必要はない。ただし、選手を選ぶ際にその場にいれば、いかなる場合でもメンバーに優先権がある。

第7条 試合開始後にメンバーが現れたときは、両キャプテンがお互いに同意すれば、選手に加えることができる。

第8条 試合は21点で成立する。ただし、試合終了時に両チームのアウト数は同じであること。

第9条 打者に対する投球はピッチで、スローではない。(注:投手は下手投げで打者が打ちやすいボールを投げていた)

第10条 打球がグラウンド外に(注:ノーバウンドで)出た場合、あるいは一塁または三塁の線外へ出た場合はファウルである。

第11条 投球を3回空振りして最後の投球が捕えられたらアウトとなる。捕えられなければフェアとみなされ、打者は走らなければならない。

第12条 バットで打ったか、かすったボールが直接またはワンバウンドで捕えられたら打者はアウト。

第13条 走者は、塁につく前に塁上の野手が捕球するか、ボールでタッチすればアウト。ただし、どんな場合でもボールを走者にぶつけてはならない。

第14条 守備側がボールを捕えようとするのを妨害する走者はアウト。

第15条 スリー・アウトで攻守交替。

第16条 打者は定められた順番で打つこと。

第17条 試合に関する紛争や異議は、すべて審判が裁定する。抗議は認められない。

第18条 打球がファウルのときは、得点も進塁もできない。

第19条 投手がボークを犯したとき、走者はワン・ベース進塁できる。この走者をアウトにすることはできない。

第20条 打球がバウンドしてグラウンド外に出た場合は、ワン・ベースが与えられる。