3.00 用具・ユニフォーム

3.01 ボール
<3.01 第3版解説 試合球【抜粋】
<3.01 第3版解説 ボールを故意に汚す
3.02 バット
<3.02 第3版解説 バットの太さ>
<3.02 第3版解説 木製バットの公認制度>
<3.02 第3版解説 コブバット>
<3.02 第3版解説 着色バット>
3.03 ユニフォーム
<3.03 第3版解説 スパイクシューズ>
3.04 捕手のミット
3.05 一塁手のグラブ
3.06 野手のグラブ
<3.06 第3版解説 グラブの大きさ(2016新規追加)>
<3.06 第3版解説 野手のグラブ(2016新規追加)>
<3.06 第3版解説 野手のグラブの色>
<3.06 第3版解説 グラブのしめひも>
3.07 投手のグラブ
<3.07 第3版解説 投手用のグラブ>
3.08 ヘルメット
<3.08 第3版解説 ヘルメットの着用>
3.09 商業的宣伝
<3.09 第3版解説 個人名入りバット>
<3.09 第3版解説 バットに表示する印字>
<3.09 第3版解説 リストバンド>
<3.09 第3版解説 リストガード(2015年新規追加)>
<3.09 第3版解説 手甲ガード(2015年新規追加)>
<3.09 第3版解説 守備用手袋(2015年新規追加)>
<3.09 第3版解説 ストッキング>
3.10 競技場内からの用具の除去
<3.10 第3版解説 グランド内に何物も置いてはいけない>

3.01 ボール〈1.09〉

ボールはコルク、ゴムまたはこれに類する材料の小さい芯に糸を巻きつけ、白色の馬皮または牛皮2片でこれを包み、頑丈に縫い合わせて作る。重量は5㌉ないし5¼㌉(141.7㌘~148.8㌘)、周囲は9㌅ないし9¼㌅(22.9㌢~23.5㌢)とする。

【注1】我が国では牛皮のものを用いる。

【軟式注】軟式野球ボールは、外周はゴム製で、A号、B号、C号、D号、H号の5種類がある。A号は一般用、B、C、D号は少年用のいずれも中空ボールで、H号は一般用の充填物の入ったボールである。

ボールの標準は次のとおりである。(反発は150㌢の高さから大理石板に落として測る)

■  直 径      重 量     反 発

A号 71.5㍉~72.5㍉ 134.2㌘~137.8㌘ 85.0㌢~105.0㌢

B号 69.5㍉~70.5㍉ 133.2㌘~136.8㌘ 80.0㌢~100.0㌢

C号 67.5㍉~68.5㍉ 126.2㌘~129.8㌘ 65.0㌢~85.0㌢

D号 64.0㍉~65.0㍉ 105.0㌘~110.0㌘ 65.0㌢~85.0㌢

H号 71.5㍉~72.5㍉ 141.2㌘~144.8㌘ 50.0㌢~70.0㌢

〈3.02〉プレーヤーが、土、ロジン、パラフィン、甘草、サンドペーパー、エメリーペーパー、その他のもので、ボールを故意に汚すことは禁じられる。

ペナルティ 審判員は、そのボールの返還を求め、反則した者を試合から除く。

さらに、反則者は自動的に以後10試合の出場停止となる。ボールを傷つけた投手に関しては6.02(c)(2)~(6)、6.02(d)参照。

【注2】アマチュア野球では、このペナルティを適用せず・審判員が・その反則者に注意して、そのボールの返還を求めるにとどめるが、その後も、故意に同様の行為を繰り返した場合には、試合から除く。

【原注】〈5.02原注〉ボールが試合中、部分的にはがれた場合は、そのプレイが完了するまで、ボールインプレイの状態は続く。

<3.01 第3版解説 試合球 より【抜粋】>

ひと頃、飛ぶボール、飛ばないボールということが話題になり、2005年(平成17年)9月、アマチュア野球各団体と硬式野球ボール製造・販売業者との間で「硬式野球ボールの規格に関する合意書」が締結され、公認球の基準が決められ、現在に至っている。

〈合意書の内容は次のとおり〉

1)ゴム芯の反発性能について

ゴム芯の反発性能を4mの高さから大理石の板の上に落とす自然落下方式で、跳ね返りの高さを190cm±10cmとする。なお、条件は室内の常温、常湿とする。

2)縫い糸

ボールの表皮の牛革の縫い合わせ糸は綿糸を使用することとし、糸番手16番10本撚りの太さを基本とする。

3)販売と使用の開始

前2項該当硬式野球ボールの販売開始は06年10月1日からとする。また硬式野球ボール使用各競技団体は07年シーズンインから同該当球を使用球とする。
上記のとおり、新規格球(〝飛ばないボール〟)は2007年(平成19年)から使用されている。

反発力に関しては、アマチュア野球では、1962年基準を継承して、これまで13フィート4インチ(約4m)の高さからコンクリート上の厚さ4インチ(約10cm)の大理石の板の上に落として、反発が4フィート7インチ(124cm)から5フィート(152cm)までくらいのものを認めてきた。ただ、検査装置は、神宮球場および中沢佐伯記念会館にあるだけで、東京六大学および高野連の選抜および夏の大会ではすべての納品球が検査されるものの、ほとんどは公認メーカーの納品するボールを公認球としてみなしているのが実態といえる。

一方、わが国プロ野球ではどうかというと、「プロ野球試合使用球に関する規則」というのがあって、それによると、日本車両検査協会に設置されたボール反発係数測定器で検査、平均反発係数が0.4034~0.4234の範囲に収まるものを合格としている。反発係数とは、時速100キロのボールが鉄板にぶつかって50キロのスピードで跳ね返ってきた場合、反発係数は0.5となる。平均反発係数とは、検査日において、同日に開催される6球場で使用される統一試合球(未使用球)から、「1球場=1ダース」を抽出し、計測した全72球の反発係数の平均値を示す。

なお、プロ野球では、2011年度から従来球より飛距離が約1メートル落ちる、低反発という〝国際基準〟に近づけたボールを「統一球」として採用することを決定した。

<3.01 3解説 ボールを故意に汚 より

プレーヤーが、土、ロジン、パラフィン等でボールを故意に汚すことは禁じられている(3.01)。この場合、アマチュア野球では、反則者に注意を与え、そのボールの返還を求めるにとどめるが、なお故意にくり返された場合には、その反則者を試合から除く。(3.01[注2])

なお、ボールを傷つけた投手に関しては、「ボールに異物をつける;ボールを傷つける」規則6.02c(2)~(6)参照。

3.02 バット〈1.10〉

(a) バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径が2.61㌅(6.6㌢)以下、長さは42㌅(106.7㌢)以下であることが必要である。バットは1本の木材で作られるべきである。

【付記】接合バットまたは試作中のバットは、製造業者がその製造の意図と方法とについて、規則委員会の承認を得るまで、プロフェッショナル野球(公式試合および非公式試合)では使用できない。

【注1】我が国のプロ野球では、金属製バット、木片の接合バットおよび竹の接合バットは、コミッショナーの許可があるまで使用できない

【注2】アマチュア野球では、各連盟が公認すれば、金属製バット、木片の接合バットおよび竹の接合バットの使用を認める。ただし、接合バットについては、バット内部を加工したものは認めない。(6.03a4参照)

【注3】アマチュア野球では、金属製バットを次のとおり規定する。

① 最大径の制限 – バットの最大直径は、67㍉未満とする。

② 質量の制限 – バットの質量は、900㌘以上とする。なお、金属製バットの質  量とは完成品であり、ヘッドキャップ(一体成形等により、ヘッドキャップを用いていないものにあっては、それと同等の部位)、グリップエンドノブ、グリップテープを除いた本体の質量は、810㌘±10㌘以上とする。

③ 形状の制限 – 金属製バットの形状は、先端からグリップ部までは、なだらかな傾斜でなければならない。なお、なだらかな傾斜とは、打球部からグリップ部までの外径の収縮率(全体傾斜率)が、10%を超えないことをいう。また、テーパ部の任意の個所においても、50㍉の間での外径収縮率(最大傾斜率)は、20%を超えないことをいう。

【軟式注】 軟式野球では、この規定を適用しない。

 

(b) カップバット(先端をえぐったバット)
バットの先端をえぐるときには、深さ1¼㌅(3.2㌢)以内、直径1㌅以上2㌅(5.1㌢)以内で、しかもそのくぼみの断面は、椀状にカーブしていなければならない。なお、この際、直角にえぐったり、異物を付着させてはならない。

(c) バットの握りの部分(端から18㌅(45.7㌢))には、何らかの物質を付着したり、ザラザラにして握りやすくすることは許されるが、18㌅の制限を超えてまで細工したバットを試合に使用することは禁じられる。

【付記】審判員は、打者の使用したバットが、打者の打撃中または打撃終了後に、本項に適合していないことを発見しても、打者にアウトを宣告したり、打者を試合から除いたりする理由としてはならない。

【原注】パインタールが18㌅の制限を超えて付着していた場合には、審判員は、自らの判断や相手チームからの異議があれば、バットの交換を命じる。制限を超えた部分のパインタールが取り除かれた場合だけ、打者は以後その試合でそのバットを使用することができる。
バットの使用以前に指摘がなければ、本項に適合していないバットによるプレイは すべて有効であり、また、そのプレイについて提訴は認められない。

(d) プロフェッショナル野球では、規則委員会の認可がなければ、着色バットは使用できない。

【注1】我が国のプロ野球では、着色バットの色については別に定める規定に従う。

【注2】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

<3.02 第3版解説 木製バットの公認制度 より>

アマチュア野球規則委員会は、木製バットの折損が増えてきた実態を勘案し、バッ トの安全性を維持し、信頼できるバットを提供していくために、2012年度、木製バットの公認制度を導入し、全日本バット工業会との間で「木製バットの公認制度に関する覚書」を締結した。

「公認バット」とは、全日本バット工業会に加盟する会員(製造業者または販売業者)が製造または販売する木製バットをいい、所定の位置に「BFJロゴマーク」が押印されている。その会員名は日本野球連盟および全日本大学野球連盟のホームページに公表されている。

2013年度は猶予期間としてスタートし、2014年度から本実施となって、公式試合は一部の例外を除き「公認バット」以外は使用できないこととなった。

なお、日本プロフェッショナル野球組織により承認を受けているバット(所定の位置 に「NPBロゴマーク」が押印されているバット)は「公認バット」として取扱い、その使用は認められる。ただし、外国製のバットで、BFJロゴマークまたはNPBロゴマークのないバットの使用は認められない。

<3.02 第3版解説 コブバット より>

グリップ部分に意図的に取り付けた簡易グリップ(〝コブ〟)は、3.02(a)の「バットはなめらかな円い棒であり」に抵触すると判断し、認められない。たとえば、テープをバットの握りの部分(端から18インチ)に巻くことは許される(3.02(c))が、テープを何重にも巻いてコブ(第2のグリップ)を作ったり、凹凸のあるテープを巻きつけたりすることは認められない。また、リング状のものをグリップエンド代わりにつけたり、バットを削って二つのコブを作ることも認められない。

<3.02 第3版解説 着色バット より>

現在アマチュア野球では、次の条件で着色バットを認めている。(3.02(d)[注2])

(1)使用を認める着色バットは、バットの素材そのものの色、ダークブラウン、赤褐色、淡黄色およびブラックとする。

(2)木目を目視できること

(3)拙劣な塗装技術を用いていないこと(たとえば、ボールに塗料が付着するなど)

なお、塗装ではなく、バットの表面にコーティングしたものは公認バットとしては認めない。

プロ野球では、メイプル他の散孔材バットなどで認めていた“メープルブラッグ”の着色バットを、2017年のシーズン終了後から使用を禁止することとした。アマチュアもプロに同調することとしたが、メーカー(2016年度で製造終了)やチームに在庫があることを考慮し、すでに流通しているものについては、使用を制限しないこととした。

参考:プロ野球では、淡黄色は認められていない。一方、認可した色同士の2色(ツートンカラー)とすることはできる。その場合は、バットの握り部分端から45.7センチ以内を境界線とする。日本野球連盟(社会人野球)および全日本大学野球連盟も許可色のツートンカラーバットを認めている。

<3.02 第3版解説 バットの太さ より>

木製バットの最大直径は、2010年度(わが国の規則書では2011年度)に、2インチ4分の3(7.0センチ)から2.61インチ(6.6センチ)に縮小された。(3.02(a))

3.03 ユニフォーム〈1.11〉

(a)〈1.11a1〉同一チームの各プレーヤーは、同色、同形、同意匠のユニフォームを着用し、そのユニフォームには6㌅(15.2㌢)以上の大きさの背番号をつけなければならない。

(b)〈1.11a2〉アンダーシャツの外から見える部分は、同一チームの各プレーヤー全員が同じ色でなければならない。
投手以外の各プレーヤーは、アンダーシャツの袖に番号・文字・記章などをつけることができる。

(c)〈1.11a3〉自チームの他のプレーヤーと異なるユニフォームを着たプレーヤーは試合には参加できない。

【注】各プレーヤーはコートを着て競技にたずさわることはできない。ただし、ベースコーチと走者となった投手を除く。

(d)〈1.11lb〉リーグは次のことを規定する。

(1) 各チームは、常に独自のユニフォームを着なければならない。
(2) 各チームは、ホームゲーム用として白色、ロードゲーム用として色物の生地を用いて作った2組のユニフォームを用意しなければならない。

【注】アマチュア野球では、必ずしもホームチームのときは白色、ビジティングチームのときは色物のユニフォームを着なくてもよい。

(e)〈1.11c〉各プレーヤーのユニフォームの袖の長さは、各人によって異なっていてもよいが、各自の両袖の長さは、ほぼ同一にしなければならない。
各プレーヤーは、その袖がボロボロになったり、切れたり、裂けたりしたユニフォームおよびアンダーシャツを着てはならない。

(f)〈1.11d〉各プレーヤーは、そのユニフォームの色と異なった色のテープまたはその他のものを、ユニフォームにつけることはできない。

(g)〈1.11e〉ユニフォームには、野球用ボールをかたどったり、連想させるような模様をつけてはならない。

(h)〈1.11f〉ガラスのボタンやピカピカした金属を、ユニフォームにつけることはできない。

(i)〈1.11g〉靴のかかとやつま先には、普通使われている部品以外のものをつけてはならない。ゴルフシューズ、または陸上競技用シューズに使われているスパイクに類似した、先のとがったスパイクをつけたシューズは使用できない。

(j)〈1.11h〉ユニフォームのいかなる部分にも、宣伝、広告に類する布切れまたは図案をつけてはならない。

【注1】我が国のプロ野球では、本項を適用しない。

【注2】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

(k)〈1.11f〉リーグは、所属するチームのユニフォームの背中にプレーヤーの名前をつけるように規定することができる。プレーヤーの姓以外の他の名前をつける場合は、リーグ会長の承認を必要とする。名前をつけることが決定した場合は、チーム全員のユニフォームにつけなければならない。

【注】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

<3.03 第3版解説 スパイクシューズ より>

原則スパイクシューズは、ユニフォームの一部とみなし、チーム全員が同一メー カー、同色、同デザインでなければならないが、社会人野球および大学野球では、異なるメーカーのデザインであっても、同色であれば使用を認めている。なお、軟式野球では同色でなくても構わない。

3.04 捕手のミット〈1.12〉

捕手の皮製ミットの重量には制限がない。その大きさは、しめひも、皮のバンドまたはミットの外縁につけられているふちどりも含めて外周で38㌅(96.5㌢)以下、ミットの先端から下端までは15½㌅(39.4㌢)以下でなければならない。ミットの親指の部分と人さし指の部分との間隔は、その先端で6㌅(15.2㌢)以下、親指の叉状の部分で4㌅(10.2㌢)以下でなければならない。

親指と人さし指との間にある網は、両指の先端をつなぐ部分の長さは7㌅(17.8㌢)以下、先端から親指の叉状の部分までの長さは6㌅以下に作る。網はひもで編んだものでも、皮革で被覆したひもで編んだものでも、または、手のひらの部分の延長となるように皮革をひもでミットに結びつけたものでもよいが、前記の寸法を超えてはならない。

3.05 一塁手のグラブ〈1.13〉

一塁手の皮製グラブまたはミットの重量には制限がない。その大きさは、縦が先端から下端まで12㌅(30.5㌢)以下、親指の叉状の部分からミットの外縁まで測った手のひらの幅が8㌅(20.3㌢)以下、ミットの親指の部分と人さし指の部分との間隔は、ミットの先端で4㌅(10.2㌢)以下、親指の叉状の部分で3½㌅(8.9㌢)以下でなければならない。この間隔は一定に保ち、皮以外のものを用いたり、特殊な方法で間隔を大きくしたり、伸ばしたり広げたり、深くすることは許されない。

親指と人さし指との間にある網は、その先端から親指の叉状の部分まで長さが5㌅(12.7㌢)以下になるように作る。網はひもで編んだものでも、皮革で被覆したひもで編んだものでも、または、手のひらの部分の延長となるような皮革をひもでミットに結びつけたものでもよいが、前記の寸法を超えてはならない。しかし、網のひもに皮以外のものを巻きつけたり、ひもを皮以外のもので包んだり、または網を深くしてわな(トラップ)のようなあみ形にすることは許されない。

【注】〈新〉我が国では、縦の大きさを先端から下端まで13㌅(33.0㌢)以下とする。

3.06 野手のグラブ〈1.14〉

捕手以外の野手の皮製グラブの重量には制限がない。グラブの寸法を測るには、計測具または巻尺をグラブの前面またはボールをつかむ側に接触させ、外形をたどるようにする。その大きさは、縦が4本の指の各先端から、ボールが入る個所を通ってグラブの下端まで12㌅(30.5㌢)以下、手のひらの幅は、人さし指の下端の内側の縫い目から、各指の下端を通って小指外側の縁まで7¾(19.7㌢)以下である。

親指と人さし指との間、いわゆる叉状の部分(クロッチ)に皮の網または壁形の皮製品を取りつけてもよい。網はクロッチをぴったりふさぐように2枚の普通の皮を重ね合わせて作っても、トンネル型の皮や長方形の皮をつなぎ合わせて作っても、または皮ひもを編んだもので作ってもよいが、わな(トラップ)のようなあみ形にするために皮以外のものを巻きつけたり、皮以外のもので包むことは許されない。

網がクロッチをきっちりふさいだとき、網は柔軟性があってもさしつかえない。数個の部品をつなぎ合わせて網を作るにあたって、それぞれをぴったりとくっつけなければならない。しかし、部品をわん曲させてくぼみを大きくさせてはならない。網はクロッチの大きさを常に制御できるように作らなければならない。

クロッチの大きさは、その先端の幅が4½㌅(ll.4㌢)以下、深さが5¾㌅(14.6㌢)以下、下端の幅が3½㌅(8.9㌢)以下である。網はクロッチの上下左右どの部分にでも、きっちりと取りつけられていなければならない。皮のしめひもで結びつけられたものは、しっかりとつなぎ合わされ、伸びたりゆるんだりしたときには、正常の状態に戻さなければならない。

【注】〈新〉我が国では、縦の大きさを先端から下端まで13㌅(33.0㌢)以下とする。

<3.06 第3版解説 グラブの大きさ(2016新規追加)>

2015年に規則の規定をオーバーする大きさのグラブが使用されていることが発覚した。メーカーに対する調査の結果、ほとんどのメーカーが1インチ以内のサイズオーバーのグラブを製造・販売していることが判明した。すでに1991年頃から市場に流通しており、現在ではプロ・アマ、硬式・軟式を問わず、外野手においては90パーセント以上の選手に使用されているという。野球規則では日米ともに「グラブの先端から下端までが12インチ以下」とする規定は変わっていないが、米国では明文化されているかどうかは不明ながら、13インチまで容認しているという事実も分かった。すでに20年以上に渡り規定を超えるサイズのグラブや一塁手のミットが販売、使用され続け、事実上標準化されていることから、規則書で定める「12インチ」を厳格に適用すると、メーカーだけでなく、選手にも大きな混乱が生じることが予測された。

このことを踏まえ、プロ・アマ合同規則委員会では、2016年度の改正で規則3.05お よび3.06の後に「我が国では、縦の大きさを先端から下端まで13インチ(33センチ)以下とする。」という[注]を新設した。

その後、2016年版OBRの3.05と3.06に「13インチ」が明文化されたため、公認野球規則においても2017年度の改正で、一塁手のミット・グラブと捕手以外の野手のグラブの「縦の大きさを、先端から下端まで“13インチ(33.0センチ)”以下」と変更するとともに、2016年度に追加した【注】は不要となったので削除した。

<3.06 第3版解説 野手のグラブ(2016新規追加)>

2016年度の規則改正により、3.06の冒頭部分の「一塁手、捕手以外の野手の革製グラブの…」のうち、「一塁手」が削除され、一塁手はミット、グラブのどちらを使用してもよいことが明確になった。

なお、外野手などの野手が一塁手のミットを使用できないことも、プロ・アマ合同規則委員会において再確認された。

2017年度の規則改正で、「皮」または「皮革」をすべて「革」に書き換えた。これは、OBRは全て“leather”となっていて、「皮」(“skin”)は加工される前の状態のものであり、実際にボールやグラブに使用されているものは加工した(なめした)後の「革」(“leather”)であるということによる。規則3.04、3.05、3.06において20個所を変更した。

<3.06 第3版解説 野手のグラブの色 より>

2014年度より規則3.07(a)は、次のように改正になり、野手のグラブの色についても制限が加えられるようになった。

規則3.07
(a)(前段省略)守備位置に関係なく、野手はPANTONE®の色基準14番よりうすい色のグラブを使用することはできない。

[注]アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

この規則は、グラブ本体、パーツ(ひも革、縁取り、玉ハミ)にも適用するが、ハミ出し (切ハミ)についてはこの限りではない。

PANTONE®とは、米国のカラー印刷用インクの会社で、そこの色見本帳が広く世界の標準として使われているのだが、ただ一般の人には14番と言っても、あるいはグラブを見ただけではまったく識別が不能である。次の色が14番の色でこれより明るいあるいはうすい色のグラブは認められないということである。(巻末資料を参照)

野手のグラブにまで色の制限が加わったのは、たとえば外野手が前進してラインドライブを地面すれすれでキャッチしようとしたとき、グラブの色とボールの色とが同じだとダイレクトキャッチだったのか、しようトバウンドだったのか判別が難しいケースがあるとの理由からである。確かに審判員にとってキャッチ、ノーキャッチの判定はトラブルボールと言って難しい判定の一つである。

なお、野手には捕手も含む。また、ツートンカラーのグラブの使用は認められるが、その場合でも規定に合致する色同士の2色でなければならない。

また、この規則は硬式用グラブ全体に適用されるが、アマチュア野球ではその影響が大きすぎることから、アマ[注]を挿入して、各団体の規定に従うこととした。社会人、大学は引き続き2015年度および2016年度の2年間を猶予期間としたが、2017年度から適用している。また、高校野球では2015年度から投手、野手を問わず使用するグラブについて「本体カラーは、ブラウン系、オレンジ系、ブラック」となっている。そして、軟式はこの規則を適用せず、従来通りの対応となっている。

<3.06 第3版解説 グラブのしめひも より>

グラブのしめひもが長いと野手が走者にタッグに行った際、そのひもが走者の目に当たったりして危険なため、危険防止の観点から、グラブのしめひもは長すぎないこととし、目安としては親指の長さを限度とする。

2017年度の規則改正で、定義76(タッグ)に「グラブのひもだけが走者に触れても、タッグしたことにはならない」旨の規定が追加された。

3.07 投手のグラブ〈1.15〉

(a) 投手用のグラブは縫い目、しめひも、網を含む全体が1色であることが必要で、しかもその色は、白色、灰色以外のものでなければならない。
守備位置に関係なく、野手はPANTONE®の色基準14番よりうすい色のグラブを使用することはできない。

【注】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

(b) 投手は、そのグラブの色と異なった色のものを、グラブにつけることはできない。

(c) 球審は、自らの判断または他の審判員の助言があれば、あるいは相手チームの監督からの異議に球審が同意すれば、本条(a)または(b)項に違反しているグラブを取り替えさせる。

<3.07 第3版解説 投手用のグラブ より>

投手のグラブの色を制限している規則3.07(a)の前段は、2017年度に次のように改正された。

2016年度までの規定

(a)投手用のグラブは縫い目、しめひも、網を含む全体が1色であることが必要 で、しかもその色は、白色、灰色以外のものでなければならない。

後段省略。

【注】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

2017年度の改正

(a)投手のグラブは、縁取りを除き白色、灰色以外のものでなければならない。

審判員の判断によるが、どんな方法であっても幻惑させるものであってはならない。後段省略。

【注】アマチュア野球では、投手のグラブについては、縁取り、しめひも、

縫い糸を除くグラブ本体(捕球面、背面、網)は1色でなければならない。

投手のグラブの色について、OBRでは、すでに2006年に上記規定に改正されていたが、日本では「“全体が1色でなければならない”という表現がなくなることによって予想される混乱を避けるため」という理由から、この改正を受け入れていなかった。しかし、各カテゴリーによる国際大会が頻繁に行われるようになった今、いつまでも日本だけのルールに縛られている時代でもなく、また、日本の規則委員会の“原文に忠実な規則書を”との方針からも、この改正に踏み切ることになった。

公認野球規則では、OBRの“piping”を「縁取り」と訳したが、メーカーのカタログでは「ヘリ革」と称しているものもある。巻末の資料で確認していただきたい。

なお、アマチュア野球では、「幻惑」(OBRでは“distracting”)の解釈に混乱が生じる ことのないよう、具体的な[注]を設定した。

また、最近個人名刺繍をグラブに入れるのが増えているが、その場合も色はグラブの色と同色でなければならず、場所は親指のつけ根部分1個所に限り、その長さはグラブの親指の半分を超えてはいけない。(社会人・大学・全軟連)なお、高校野球では個人名を入れることは認められていない。

投手用グラブの縫い糸の色については、白色、灰色、シルバー、光沢のある色および目立つ色は禁止とする。

 投手用グラブについて整理すると次のようになる。

社会人・大学・軟式 高校
グラブの色 縁取りを除き白色、灰色以外のもの。審判員の判断によるが、どんな方法であっても幻惑させないもの。

PANTONE●の色基準14番よりうすい色は使用できない。

縁取り、しめひも、縫い糸を除くグラブ本体(捕球面、背面、網)は1色とする。

同左

本体カラーは、ブラウン系、オレンジ系、ブラックとする。
使用できるカラーであれば、表部と裏部(平裏)部のカラーが遺っていても使用可とする。

縁取り 特に規定なし 同左
しめひも 白色、灰色以外のもの グラブ本体と同色でなければならない。ただし、グラブ本体と同系色で目立たないものについては差し支えない。
はみ出し グラブ本体と同系色で目立たないもの、もしくは革の自然色。 同左
縫い糸 白色、灰色、シルバー以外とする。ただし、光沢のある色および目立つ色は認められない。 特にカラー制限を定めない
ウェブ 投手用グラブのウェブには、同色であれば、背番号のプレス、刻印(レーザー刻印)または切り抜きを認める。ただし、その大きさは、縦3.5センチ、横3.5センチ以内とする。ウェブおよび小指の部分に個人名、学校名、チーム名等(イニシャルを含む)の刺繍を入れることは認めない。選手個人のデザイン(図案)または商標に類するデザインも不可とする。 特に規定なし
商標 材質:布片、刺繍または野球規則委員会の承認を受けた樹脂製の成型物によるもの

表示個所:背帯あるいは背帯に近い部分、また親指のつけ根部分のうちいずれか1個所

大きさ:縦4.0センチ、横7.0センチ以下

色:文字の部分を含み、すべて白色または灰色以外の色

材質:布片に刺繍または樹脂の成型物のほか、連盟が認めたものとする

表示個所:同左

大きさ:同左

色:同左

マーク類 材質:布片、刺繍または野球規則委員会の承認を受けた樹脂製の成型物(エナメルによる表示は認められない)によるもの

表示個所:親指の近い個所に限定

大きさ:縦3.5センチ、横3.5センチ以下

色:文字の部分を含み、すべて白色または灰色以外の色

品名、品番、マーク類などをスタンプによって表示する場合の色は、ブラックまたは焼印の自然色でなければならない。

材質:布片に刺繍または樹脂の成型物のほか、連盟が認めたものとする。

表示個所:同左

大きさ:同左

色:同左

同左

個人名 個人名刺繍をグラブに入れる場合、その色はグラブ本体の色と同色とし、親指のつけ根部分1個所に限定する。大きさは最長でもグラブの親指部分の半分を超えてはならない。 グラブの表面(捕球面・背面)に氏名、番号、その他の文字を表記することを禁止する。
メッシュ メッシュ入りのグラブを認める。

メッシュの部分と他の革の部分の色が異なるグラブおよび他の部分が、たとえば色褪せて本来の色を失ったり、変色したりして明らかに“二色”に変わったグラブは、3.07(a)【注】に抵触すると判断し、その使用を禁止する。

メッシュ入りのグラブは認めない。

3.08 ヘルメット〈1.16〉

プロフェッショナルリーグでは、ヘルメットの使用について、次のような規則を採用しなければならない。

(a) プレーヤーは、打撃時間中および走者として塁に出ているときは、必ず野球用ヘルメットをかぶらなければならない。

(b) マイナーリーグのプレーヤーは、打撃に際して両耳フラップヘルメットを着用しなければならない。

(c) メジャーリーグのプレーヤーは、片耳フラップヘルメット(プレーヤーが両耳フラップヘルメットを選んでもよい)を着用しなければならない。

【注】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

(d) 捕手が《投球を受けるとき》は、捕手の防護用のヘルメット《およびフェイスマスク》を着用しなければならない。

(e) ベースコーチは、コーチスボックスにいるときには、防護用のヘルメットを着用しなければならない。

(f) バットボーイ、ボールボーイまたはバットガール、ボールガールは、その仕事にたずさわっているときは、防護用の両耳フラップヘルメットを着用しなければならない。

<3.08 第3版解説 ヘルメットの着用 より>

2009年より、打者および走者とも両耳フラップヘルメットを着用しなければならないことになった。また、2010年よりベースコーチにもヘルメットの着用義務が課された(ただし、両耳フラップヘルメットでなくてもよい)。ただし、高校野球では「打者およびベースコーチは、必ず両耳付のものを着用すること」と規定されている。(「高校野球用具の使用制限」11ヘルメット)(3.08)

バットボーイ、ボールボーイも、その仕事に携わっているときは、防護用(両耳フラップ)ヘルメットを着用していなければならない。これらはすべて安全対策上の処置である。(3.08(f))

3.09 商業的宣伝〈1.17〉

ベース、投手板、ボール、バット、ユニフォーム、ミット、グラブ、ヘルメットその他本規則の各条項に規定された競技用具には、それらの製品のための不適当かつ過度な商業的宣伝が含まれていてはならない。
製造業者によって、これらの用具にしるされる意匠、図案、商標、記号活字および用具の商品名などは、その大きさおよび内容において妥当とされる範囲のものでなければならない。
本条は、プロフェッショナルリーグだけに適用される。

【付記】製造業者が、プロフェッショナルリーグ用の競技用具に、きわだった新しい変更を企図するときには、その製造に先立ちプロ野球規則委員会にその変更を提示して同意を求めなければならない。

【注1】製造業者には、販売業者を含む。

【注2】製造業者(販売業者を含む)以外のものの宣伝は、いずれの競技用具にも一切つけてはならない。

【注3】①バットの表面の焼印などの内容およびサイズなどは後記の範囲内にとどめなければならない
バットの先端部分には、バットモデルと、バットの品名、品番、材種のみを表示するものとし、マーク類は表示できない。
なお、これらの表示については、レーザー照射による文字入れを認める。
これらの表示は、バットの長さに沿って、縦5㌢以下・横9.5㌢以下の範囲内におさめ、文字の大きさは、それぞれ縦2㌢以下、横2㌢以下でなければならない。
握りに近い部分には、製造業者または製造委託者の名称を含む商標を表示するものとし、これらの表示は、バットの長さに沿って、縦6.5㌢以下、横12.5㌢以下の範囲内におさめなければならない。
前記商標などは、すべてバットの同一面に表示しなければならない。

② ユニフォーム(帽子、ストッキングを含む)、ベルト、ソックス、アンダーシャツ、ウィンドブレイカー、ジャンパー、ヘルメットの表面のいかなる部分にも商標などの表示をすることはできない。

③ ミットまたはグラブに表示する商標は、布片、刺繍または野球規則委員会の承認を受けた樹脂製の成型物によるものとし、これを表示する個所は背帯あるいは背帯に近い部分、または親指のつけ根の部分のうちのいずれか1カ所に限定し、その大きさは縦4㌢以下、横7㌢以下でなければならない。
マーク類を布片、刺繍または樹脂製の成型物によって表示する場合(エナメル素材のように光る素材での表示は認められない)は、親指のつけ根に近い個所に限定し、その大きさは、縦3.5㌢、横3.5㌢以下でなければならない。
投手用グラブに商標およびマーク類を布片または刺繍によって表示する場合、その色は、文字の部分を含み、すべて白色または灰色以外の色でなければならない。ただし、野球規則委員会が特に認めた場合は、この限りではない。
品名、品番、マーク類などをスタンプによって表示する場合の色は、黒色または焼印の自然色でなければならない。

④ 手袋およびリストバンドに商標などを表示する場合は、1カ所に限定し、その大きさは、14平方㌢以下でなければならない。

⑤ 以上の用具以外の用具のコマーシャリゼーションについては、本条の趣旨に従い、野球規則委員会がその都度、その適否を判断する。

【注4】本条は、アマチュア野球でも適用することとし、所属する連盟、協会の規定に従う。

【3.03~3.09原注】審判員は各項に対する規則違反を認めた場合には、これを是正するように命じる。審判員の判断で、適宜な時間がたっても是正されない場合には、違反者を試合から除くことができる。

<3.09 第3版解説 個人名入りバット より>

社会人と大学は、「バットのグリップエンド以外にチーム名および個人名は表示できない」としている。

<3.09 第3版解説 バットに表示する印字 より>

バットに表示する印字(マーク、品名、品番、選手名等)の色については、白・黒・シルバー・ゴールドの4色に限る。

<3.09 第3版解説 リストバンド より>

手袋およびリストバンドに商標を表示する場合は、1個所に限定し、その大きさは14平方センチ以下でなければならない。同時に、ひじ用のサポーターをつける場合は、サポーターへの商標は認められない。

<3.09 第3版解説 リストガード(2015年新規追加)>

使用を認める。ただし、商標表示、選手名等一切の表示は認めない。(サポーター扱いとする。)

  色規制:アンダーシャツと同色(単色)もしくはブラック、ベージュ、ホワイト一色とする。

なお、リストガードについては、2015年度は猶予期間とし、2016年度以降は一切商標の表示は認めないこととした。

また、現行サポーターについては商標表示を認めているが、上記に伴い、2015年 度より商標の表示は禁止した。

<3.09 第3版解説 手甲ガード(2015年新規追加)(2016年改正)>

プロ野球が2015年のシーズンから手甲ガードの使用を解禁したため、アマチュア野球でも2016年から各連盟の判断に任せることとした。社会人、大学、軟式では使用を許可し、高校は引き続き禁止とする。

なお、手甲ガードの色はアンダーシャツと同色(単色)もしくはブラック一色に限定し、その表面には商標、選手名など一切の表示を認めないこととしている。

<3.09 第3版解説 守備用手袋(2015年新規追加)>

使用を認める。ただし、商標は1ヶ所のみとし、その大きさは14平方センチ以内とする。

<3.09 第3版解説 ストッキング>

ストッキングの商標が外部に露出することは認められない。

3.10 競技場内からの用具の除去〈3.14〉

攻撃側プレーヤーは、自チームの攻撃中には、グラブ、その他の用具を競技場内からダッグアウトに持ち帰らなければならない。フェア地域とファウル地域とを問わず、競技場内には何物も残しておいてはならない。

<3.10 第3版解説 グランド内に何物も置いてはいけない>

攻撃側プレーヤーは、自チームの攻撃中には、グラブ、その他の用具を競技場内からダッグアウトに持ち帰らなければならない。フェア地域とファウル地域とを問わず、競技場内には何物も残しておいてはならない。(3.10)

規則書には、本項に違反した場合のペナルティの規定はないが、競技場内(ダッグアウトの縁を含む)に置かれた用具等にボールが当たったときはボールデッドとし、審判員は、もし用具等にボールが当たらなかったら競技はどのような状態になっていたかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。(6.01(d)、6.01(b))