3.02 バット〈1.10〉

(a) バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径が2.61㌅(6.6㌢)以下、長さは42㌅(106.7㌢)以下であることが必要である。バットは1本の木材で作られるべきである。

【付記】接合バットまたは試作中のバットは、製造業者がその製造の意図と方法とについて、規則委員会の承認を得るまで、プロフェッショナル野球(公式試合および非公式試合)では使用できない。

【注1】我が国のプロ野球では、金属製バット、木片の接合バットおよび竹の接合バットは、コミッショナーの許可があるまで使用できない

【注2】アマチュア野球では、各連盟が公認すれば、金属製バット、木片の接合バットおよび竹の接合バットの使用を認める。ただし、接合バットについては、バット内部を加工したものは認めない。(6.03a4参照)

【注3】アマチュア野球では、金属製バットを次のとおり規定する。

① 最大径の制限 – バットの最大直径は、67㍉未満とする。

② 質量の制限 – バットの質量は、900㌘以上とする。なお、金属製バットの質  量とは完成品であり、ヘッドキャップ(一体成形等により、ヘッドキャップを用いていないものにあっては、それと同等の部位)、グリップエンドノブ、グリップテープを除いた本体の質量は、810㌘±10㌘以上とする。

③ 形状の制限 – 金属製バットの形状は、先端からグリップ部までは、なだらかな傾斜でなければならない。なお、なだらかな傾斜とは、打球部からグリップ部までの外径の収縮率(全体傾斜率)が、10%を超えないことをいう。また、テーパ部の任意の個所においても、50㍉の間での外径収縮率(最大傾斜率)は、20%を超えないことをいう。

【軟式注】 軟式野球では、この規定を適用しない。

(b) カップバット(先端をえぐったバット)
バットの先端をえぐるときには、深さ1¼㌅(3.2㌢)以内、直径1㌅以上2㌅(5.1㌢)以内で、しかもそのくぼみの断面は、椀状にカーブしていなければならない。なお、この際、直角にえぐったり、異物を付着させてはならない。

(c) バットの握りの部分(端から18㌅(45.7㌢))には、何らかの物質を付着したり、ザラザラにして握りやすくすることは許されるが、18㌅の制限を超えてまで細工したバットを試合に使用することは禁じられる。

【付記】審判員は、打者の使用したバットが、打者の打撃中または打撃終了後に、本項に適合していないことを発見しても、打者にアウトを宣告したり、打者を試合から除いたりする理由としてはならない。

【原注】パインタールが18㌅の制限を超えて付着していた場合には、審判員は、自らの判断や相手チームからの異議があれば、バットの交換を命じる。制限を超えた部分のパインタールが取り除かれた場合だけ、打者は以後その試合でそのバットを使用することができる。
バットの使用以前に指摘がなければ、本項に適合していないバットによるプレイは すべて有効であり、また、そのプレイについて提訴は認められない。

(d) プロフェッショナル野球では、規則委員会の認可がなければ、着色バットは使用できない。

【注1】我が国のプロ野球では、着色バットの色については別に定める規定に従う。

【注2】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

<3.02 第3版解説 バットの太さ より>

木製バットの最大直径は、2010年度(わが国の規則書では2011年度)に、2インチ4分の3(7.0センチ)から2.61インチ(6.6センチ)に縮小された。(3.02(a))

<3.02 第3版解説 木製バットの公認制度 より>

アマチュア野球規則委員会は、木製バットの折損が増えてきた実態を勘案し、バットの安全性を維持し、信頼できるバットを提供していくために、2012年度、木製バットの公認制度を導入し、全日本バット工業会との間で「木製バットの公認制度に関する覚書」を締結した。

「公認バット」とは、全日本バット工業会に加盟する会員(製造業者または販売業者)が製造または販売する木製バットをいい、所定の位置に「BFJロゴマーク」が押印されている。その会員名は日本野球連盟および全日本大学野球連盟のホームページに公表されている。

2013年度は猶予期間としてスタートし、2014年度から本実施となって、公式試合は一部の例外を除き「公認バット」以外は使用できないこととなった。

なお、日本プロフェッショナル野球組織により承認を受けているバット(所定の位置に「NPBロゴマーク」が押印されているバット)は「公認バット」として取扱い、その使用は認められる。ただし、外国製のバットで、BFJロゴマークまたはNPBロゴマークのないバットの使用は認められない。

<3.02 第3版解説 コブバット より>

グリップ部分に意図的に取り付けた簡易グリップ(〝コブ〟)は、3.02(a)の「バットはなめらかな円い棒であり」に抵触すると判断し、認められない。たとえば、テープをバットの握りの部分(端から18インチ)に巻くことは許される(3.02(c))が、テープを何重にも巻いてコブ(第2のグリップ)を作ったり、凹凸のあるテープを巻きつけたりすることは認められない。また、リング状のものをグリップエンド代わりにつけたり、バットを削って二つのコブを作ることも認められない。

<3.02 第3版解説 不適合バットと違反バット(2016改正) より>

3.02(c)[付記]審判員は、打者の使用したバットが、打者の打撃中または打撃終了後に、本項に適合していないことを発見しても、打者にアウトを宣告したり、打者を試合から除いたりする理由としてはならない。

6.03(a)(5)打者が、いかなる方法であろうとも、ボールの飛距離を伸ばしたり、異常な反発力を生じさせるように改造、加工したと審判員が判断するバットを使用したり、使用しようとした場合。        (中略)

打者がこのようなバットを使用したために起きた進塁は認められない(バットの使用に起因しない進塁、たとえば盗塁、ボーク、暴投、捕逸を除く)が、アウトは認められる。打者はアウトを宣告される。

[原注]打者がこのようなバットを持ってバッタースボックスに入れば、打者は規則違反のバットを使用した、あるいは使用しようとしたとみなされる。

審判員は、違反したバットを発見した場合は、合法のバットと取り替えさせねばならない。また、相手チームから違反の疑いがあるとバットの検査を要請されたら、審判員は指摘されたバットを検査しなければならない。目視検査だけで違反かどうか断定できない場合は、その試合での当該バットの使用を保留する。

上記のように、不適合バットの場合には、打者にアウトを宣告できないが、規則6.03(a)(5)に該当する改造バットの場合は、打者は反則行為でアウトとなる。

また、同[原注]にあるように、そのようなバットを持ってバッタースボックスに入っただけで、使用した、あるいは使用しようとしたとみなされることに注意が必要である。

なお、2016年の改正により、打者が規則違反のバットを持って打席に立った場合でも、そのバットに起因しない盗塁、ボーク、暴投、捕逸などにより打者が進塁したとき、その進塁は認められることが加筆された。これは、打順の誤りの場合(6.03(b)(5))と取り扱いを同じにしたものである。

<3.02 第3版解説 着色バット より>

現在アマチュア野球では、次の条件で着色バットを認めている。(3.02(d)[注2])

(1)使用を認める着色バットは、バットの素材そのものの色、ダークブラウン、赤褐色、淡黄色およびブラックとする。

(2)木目を目視できること

(3)拙劣な塗装技術を用いていないこと(たとえば、ボールに塗料が付着するなど)

なお、塗装ではなく、バットの表面にコーティングしたものは公認バットとしては認めない。

プロ野球では、メイプル他の散孔材バットなどで認めていた“メープルブラッグ”の着色バットを、2017年のシーズン終了後から使用を禁止することとした。アマチュアもプロに同調することとしたが、メーカー(2016年度で製造終了)やチームに在庫があることを考慮し、すでに流通しているものについては、使用を制限しないこととした。

参考:プロ野球では、淡黄色は認められていない。一方、認可した色同士の2色(ツートンカラー)とすることはできる。その場合は、バットの握り部分端から45.7センチ以内を境界線とする。日本野球連盟(社会人野球)および全日本大学野球連盟も許可色のツートンカラーバットを認めている。