3.06 野手のグラブ〈1.14〉

捕手以外の野手の皮製グラブの重量には制限がない。グラブの寸法を測るには、計測具または巻尺をグラブの前面またはボールをつかむ側に接触させ、外形をたどるようにする。その大きさは、縦が4本の指の各先端から、ボールが入る個所を通ってグラブの下端まで13㌅(33㌢)以下、手のひらの幅は、人さし指の下端の内側の縫い目から、各指の下端を通って小指外側の縁まで7¾(19.7㌢)以下である。

親指と人さし指との間、いわゆる叉状の部分(クロッチ)に皮の網または壁形の皮製品を取りつけてもよい。網はクロッチをぴったりふさぐように2枚の普通の皮を重ね合わせて作っても、トンネル型の皮や長方形の皮をつなぎ合わせて作っても、または皮ひもを編んだもので作ってもよいが、わな(トラップ)のようなあみ形にするために皮以外のものを巻きつけたり、皮以外のもので包むことは許されない。

網がクロッチをきっちりふさいだとき、網は柔軟性があってもさしつかえない。数個の部品をつなぎ合わせて網を作るにあたって、それぞれをぴったりとくっつけなければならない。しかし、部品をわん曲させてくぼみを大きくさせてはならない。網はクロッチの大きさを常に制御できるように作らなければならない。

クロッチの大きさは、その先端の幅が4½㌅(ll.4㌢)以下、深さが5¾㌅(14.6㌢)以下、下端の幅が3½㌅(8.9㌢)以下である。網はクロッチの上下左右どの部分にでも、きっちりと取りつけられていなければならない。皮のしめひもで結びつけられたものは、しっかりとつなぎ合わされ、伸びたりゆるんだりしたときには、正常の状態に戻さなければならない。

【注】〈新〉我が国では、縦の大きさを先端から下端まで13㌅(33.0㌢)以下とする。

<3.06 第3版解説 グラブの大きさ(2016新規追加)>

2015年に規則の規定をオーバーする大きさのグラブが使用されていることが発覚した。メーカーに対する調査の結果、ほとんどのメーカーが1インチ以内のサイズオーバーのグラブを製造・販売していることが判明した。すでに1991年頃から市場に流通しており、現在ではプロ・アマ、硬式・軟式を問わず、外野手においては90パーセント以上の選手に使用されているという。野球規則では日米ともに「グラブの先端から下端までが12インチ以下」とする規定は変わっていないが、米国では明文化されているかどうかは不明ながら、13インチまで容認しているという事実も分かった。すでに20年以上に渡り規定を超えるサイズのグラブや一塁手のミットが販売、使用され続け、事実上標準化されていることから、規則書で定める「12インチ」を厳格に適用すると、メーカーだけでなく、選手にも大きな混乱が生じることが予測された。

このことを踏まえ、プロ・アマ合同規則委員会では、2016年度の改正で規則3.05お よび3.06の後に「我が国では、縦の大きさを先端から下端まで13インチ(33センチ)以下とする。」という[注]を新設した。

その後、2016年版OBRの3.05と3.06に「13インチ」が明文化されたため、公認野球規則においても2017年度の改正で、一塁手のミット・グラブと捕手以外の野手のグラブの「縦の大きさを、先端から下端まで“13インチ(33.0センチ)”以下」と変更するとともに、2016年度に追加した【注】は不要となったので削除した。

このことを踏まえ、プロ・アマ合同規則委員会では、公認野球規則3.05および3.06の後に「我が国では、縦の大きさを先端から下端まで13インチ(33.0センチ)以下とする。」という【注】を新設することとした。

なお、この件は米国でも今年のウィンターミーティングにおいて問題提起され、2016年のOBRには「13インチ」が明文化されたようである。

<3.06 第3版解説(改訂) 野手のグラブ(2016新規追加)>

2016年度の規則改正により、3.06の冒頭部分の「一塁手、捕手以外の野手の革製グラブの…」のうち、「一塁手」が削除され、一塁手はミット、グラブのどちらを使用してもよいことが明確になった。

なお、外野手などの野手が一塁手のミットを使用できないことも、プロ・アマ合同規則委員会において再確認された。

2017年度の規則改正で、「皮」または「皮革」をすべて「革」に書き換えた。これは、OBRは全て“leather”となっていて、「皮」(“skin”)は加工される前の状態のものであり、実際にボールやグラブに使用されているものは加工した(なめした)後の「革」(“leather”)であるということによる。規則3.04、3.05、3.06において20個所を変更した。

<3.06 第3版解説(改訂) 野手のグラブの色 より>

2014年度より規則3.07(a)は、次のように改正になり、野手のグラブの色についても制限が加えられるようになった。

規則3.07

(前段省略)守備位置に関係なく、野手はPANTONE®の色基準14番よりうすい色のグラブを使用することはできない。   なお、野手には捕手も含む。また、ツートンカラーのグラブの使用は認められるが、その場合でも規定に合致する色同士の2色でなければならない。 

<3.06 第3版解説(改訂) グラブのしめひも より>

また、この規則は硬式用グラブ全体に適用されるが、アマチュア野球ではその影響 が大きすぎることから、アマ[注]を挿入して、各団体の規定に従うこととした。社会人、大学は引き続き2015年度および2016年度の2年間を猶予期間としたが、2017年度から適用している。また、高校野球では2015年度から投手、野手を問わず使用するグラブについて「本体カラーは、ブラウン系、オレンジ系、ブラック」となっている。そして、軟式はこの規則を適用せず、従来通りの対応となっている。

野手のグラブにまで色の制限が加わったのは、たとえば外野手が前進してラインドライブを地面すれすれでキャッチしようとしたとき、グラブの色とボールの色とが同じだとダイレクトキャッチだったのか、しようトバウンドだったのか判別が難しいケースがあるとの理由からである。確かに審判員にとってキャッチ、ノーキャッチの判定はトラブルボールと言って難しい判定の一つである。

PANTONE®とは、米国のカラー印刷用インクの会社で、そこの色見本帳が広く世界の標準として使われているのだが、ただ一般の人には14番と言っても、あるいはグラブを見ただけではまったく識別が不能である。次の色が14番の色でこれより明るいあるいはうすい色のグラブは認められないということである。(巻末資料を参照)

この規則は、グラブ本体、パーツ(ひも革、縁取り、玉ハミ)にも適用するが、ハミ出し (切ハミ)についてはこの限りではない。

[注]アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。

グラブのしめひもが長いと野手が走者にタッグに行った際、そのひもが走者の目に当たったりして危険なため、危険防止の観点から、グラブのしめひもは長すぎないこととし、目安としては親指の長さを限度とする。

2017年度の規則改正で、定義76(タッグ)に「グラブのひもだけが走者に触れても、タッグしたことにはならない」旨の規定が追加された。