4.00 試合の準備

4.01 審判員の任務〈3.01〉
<4.01 第3版解説 ロジンバック より>
4.02 監督〈2.50〉
4.03 打順表の交換〈4.01〉
<4.03 第3版解説 ラインアップカード より>
4.04 競技場使用の適否の決定権〈3.10〉
4.05 特別グラウンドルール〈3.13〉
4.06 ユニフォーム着用者の禁止事項〈3.09〉
4.07 安全対策
<4.07a 第3版解説 インプレイのときベースコーチが使用球を受け取る より>
<4.07a 第3版解説 インプレイのとき審判員が使用球を受け取る より>

4.08 ダブルヘッダー〈4.13〉

4.01 審判員の任務〈3.01〉
審判員は、試合開始前に、次のことをしなければならない。

(a) 競技に使用される用具、およびプレーヤーの装具が、すべて規則にかなっているかどうかを厳重に監視する。
(b) 塗料、チョーク、その他の白色材料で引かれた競技場の諸線(図表1、2の太線)が、地面または芝生からはっきりと見分けがつくようにできあがっているかどうかを確かめる。
(c) 正規のボール(リーグ会長がホームクラブに対して、その個数および製品について証明済みのもの)を、ホームクラブから受け取る。審判員はボールを検査し、ボールの光沢を消すため特殊な砂を用いて適度にこねられていることを確認する。審判員は、その単独判断でボールの適否を決定する。
【注】アマチュア野球では、ボールはホームチームまたは主催者が供給する。
(d) 正規のボールを少なくとも1ダース、必要に応じてただちに使用できるように、ホ ームクラブが準備しているかどうかを確かめる。
(e) 少なくとも2個のボールを予備に持ち、試合中、必要に応じてその都度、予備のボ ールの補充を要求する。これらのボールを、次の場合に使用する。

(1) ボールがプレイングフイールドの外へ出た場合。
(2) ボールが汚れた場合、あるいはボールがなんらかの理由で使えなくなった場合。
(3) 投手がボールの交換を求めた場合。
【原注】球審は、ボールデッドとなりすべてのプレイが終わるまで投手にボールを手渡してはならない。フェアの打球または野手の送球がプレイングフイールドの外へ出た場 合は、走者および打者が与えられた塁に達するまで、予備のボールを渡してプレイを 再開してはならない。また、打者がプレイングフイールドの外へ本塁打を打ったときは、その打者が本塁を踏み終わるまで球審は、新しいボールを投手または、捕手に手渡してはならない。

(f) 試合開始前に公認ロジンバッグが投手板の後方に置かれていることを確認する。
(g)〈4.14〉球審は、暗くなったので、それ以後のプレイに支障をきたすと認めたときは、いつでも競技場のライトを点灯するように命じることができる。

<4.01 第3版解説 ロジンバック より>

審判員は、試合開始に先立ち、公認ロジンバッグが投手板の後方に置かれていることを確認する。(4.01(f))

試合が始まると、ロジンバッグが投手板の横に置かれ、ロジンバッグの白が打者の目に飛び込んできたり、あるいは投手が頻繁にロジンバッグに触りに行く原因となったりするので、それを抑制するためにも、ロジンバッグは投手板の後方に置かれていることを審判員は常に確認しなければならない。

雨天の場合、球審の判断でロジンバッグを投手のユニフォームのポケットに入れることを認める。

4.02 監督〈2.50〉
(a) クラブは試合開始予定時刻30分前までに、リーグ会長、または当該試合の球審に対して監督を指定しなければならない。
(b) 監督は、プレーヤーまたはコーチにリーグの規約に基づく特別な任務を任せたことを、球審に通告することができる。
この通告があれば本野球規則は、この指名された代理者を公式のものとして認める。
監督は自チームの行動、野球規則の遵守、審判員への服従に関しては、全責任を持つ。
(c) 監督が競技場を離れるときは、プレーヤー、またはコーチを自己の代理者として指定しなければならない。このような監督の代理者は監督としての義務、権利、責任を持つ。もし監督が競技場を離れるまでに、自己の代理者を指定しなかったり、これを拒否した場合には、球審がチームの一員を監督の代理者として指定する。

4.03 打順表の交換〈4.01〉
ホームクラブが試合の延期または試合開始の遅延をあらかじめ申し出た場合を除いて、1人ないし数人の審判員は、試合開始予定時刻の5分前に競技場内に入り、ただちに本塁に進み、両チームの監督に迎えられる。
(a) まず、ホームチームの監督、または監督が指名した者が、球審に2通の打順表を手渡す。
(b) 次に、ビジティングチームの監督、または監督が指名した者が、球審に2通の打順表を手渡す。
(c) 球審に手渡される打順表には、各プレーヤーの守備位置も記載されなければならない。指名打者を使用する場合は、どの打者が指名打者であるのかを打順表に明記しなければならない。
(d) 球審は、受領した打順表の正本が副本と同一であるかどうかを照合した後、相手チームの監督にそれぞれ打順表の副本を手交する。球審の手元にあるものが正式の打順表となる。球審による打順表の手交は、それぞれの打順表の確定を意味する。したがって、それ以後、監督がプレーヤーを交代させるには規則に基づいて行なわなければならない。
(e) ホームチームの打順表が球審に手渡されると同時に、競技場の全責任は、各審判員に託される。そして、その時を期して、球審は天候、競技場の状態などに応じて、試合打ち切りの宣告、試合の一時停止あるいは試合再開などに関する唯一の決定者となる。
球審はプレイを中断した後、少なくとも30分を経過するまでは、打ち切りを命じてはならない。また球審はプレイ再開の可能性があると確信すれば、一時停止の状態を延長してもさしつかえない。
【4.03原注】球審は、試合開始の〝プレイ〟を宣告する前に、打順表における明らかな誤記を見つけた場合、まず誤記をしたチームの監督またはキャプテンに注意し、それを訂正させることができる。たとえば、監督が不注意にも打順表に8人しか記載しなかったり、同姓の2人を区別する頭文字をつけないで記載した場合、球審がこれらの誤記を試合開始前に見つけたら、訂正させなければならない。明らかな不注意や試合開始前に訂正できる誤りのために、試合が始まってからチームが束縛されるべきではない。
球審は、いかなる場合でも、試合を完了するように努力しなければならない。試合完了の確信があれば、球審は、その権限において、30分にわたる〝一時停止〟を何度繰り返しても、あくまで試合を続行するように努め、試合の打ち切りを命じるのは、その試合を完了させる可能性がないと思われる場合だけである。

<4.03 第3版解説 ラインアップカード より>

ラインアップカードには、打順ごとに、選手名、背番号および守備位置を記載する。また、当該試合にベンチ入りする控えの選手全員の名前、背番号も記載する。その上で監督または代理者が署名をして所定の時間までに提出する。

審判員は、その提出されたラインアップカードと選手登録名簿との照合を試合前に必ず行わなければならない。

なお、フルネームで記載するかどうかは、各団体・連盟の規定による。同姓の場合は、選手の区別がつくように記載する必要がある。(4.03)

控え選手名も記載しなければならないか。国際大会では選手登録名簿がすでに提出されているので必ずしも記載する必要はないのではとの意見もあるが、WBSCの国際大会では控え選手名も含めて全選手の名前、背番号、守備位置(控えを除く)を記載することになっている。言葉が通じなかったり、選手交代がスムーズにいかないことがままあるので、審判員の立場からすればラインアップカードに控え選手名も記載されている方が選手交代をチェックしやすいし、間違いが防げるという利点がある。2010年のOfficial Baseball Rulesにおいては、あくまで礼儀上記載すると明文化されたが、公認野球規則では採用していない。

4.04 競技場使用の適否の決定権〈3.10〉
(a) ホームチームだけが、天候、競技場の状態が試合を開始するのに適しているかどうかを決定する権限を持っている。ただし、ダブルヘッダーの第2試合の場合を除く。
【例外】全日程が消化できず、そのリーグの最終順位が、実際の勝敗の結果によらずに決まることがないようにするために、最終の数週間、そのリーグに限って、本条の適用を中止する権限を、そのリーグの会長に全面的に付与することができる。たとえば、選手権試合の終期の節において、いずれか2チーム間の試合を延期したり、または挙行しなかったことが、リーグの最終順位に影響を及ぼすおそれのある場合には、そのリーグ所属チームの要請によって、本条によるホームチームに付与されている権限を、リーグ会長が持つことができる。
【注】アマチュア野球では、本項を適用しない。
(b) ダブルヘッダーの第1試合の球審だけが、天候、競技場の状態がダブルヘッダーの第2試合を開始するのに適しているかどうかを決定する権限を持っている。

4.05 特別グラウンドルール〈3.13〉
観衆が競技場内にあふれ出ている場合、ホームチームの監督は、打球、送球が観衆内に入ったときはもちろん、不測の事態が生じた場合など、あらゆる点を考慮して、広範囲に及ぶグラウンドルールを作って、球審ならびに相手チームの監督に指示して承諾を求める。相手チームの監督がこれを承諾すれば、そのグラウンドルールは正規のものとなるが、万一承諾しないときは、球審は、プレイに関する規則に抵触しない範囲内で、競
技場の状態から推測して必要と思われる特別グラウンドルールを作成して、これを実行させる。

4.06 ユニフォーム着用者の禁止事項〈3.09〉
ユニフォーム着用者は、次のことが禁じられる。
(1) プレーヤーが、試合前、試合中、または試合終了後を問わず、観衆に話しかけたり、席を同じくしたり、スタンドに座ること。
(2) 監督、コーチまたはプレーヤーが、試合前、試合中を問わず、いかなるときでも観衆に話しかけたり、または相手チームのプレーヤーと親睦的態度をとること。
【注】アマチュア野球では、次の試合に出場するプレーヤーがスタンドで観戦することを特に許す場合もある。

4.07 安全対策
(a)〈3.15〉試合中は、ユニフォームを着たプレーヤーおよびコーチ、監督、ホームチームによって公認されている報道写真班、審判員、制服を着た警官、ならびにホームチームの警備員、その他の従業員のほかは、競技場内に入ってはならない。
(b)〈3.18〉ホームチームは、秩序を維持するのに十分な警察の保護を要請する備えをしておく義務がある。1人もしくは2人以上の人が試合中に競技場内に入り、どんな方法ででもプレイを妨害した場合には、ビジティングチームは、競技場からそれらの人々が退去させられるまで、プレイを行なうことを拒否することができる。
ペナルティ ビジティングチームがプレイを行なうことを拒否してから、15分を経過した後、なお適宜な時間をかけても競技場からそれらの人々が退去させられなかった場合には、球審はフォーフィツテッドゲームを宣告してビジティングチームの勝ちとすることができる。
【注1】ここにいう〝適宜な時間〟とは、球審の判断に基づく適宜な時間を意味する。
フォーフィッテッドゲームは、同僚との協議の末、球審がとる最後の手段であって、すべての手段が尽き果てた後に、初めてこれを宣告するもので、料金を払って試合を見にきているファンを失望させることは極力避けなければならない。
【注2】アマチュア野球では、ホームチームに代わって大会主催者、連盟などがその責にあたる。

<4.07a 第3版解説 インプレイのときベースコーチが使用球を受け取る より>

ボールインプレイのとき、野手がスリーアウトになったと勘違いしてベースコーチにボールを渡すことがある。アマチュア野球では、トラブルを防ぐために、スリーアウトになったときは、ボールをマウンドに転がすか、投手板の上に置くように指導しているが、依然ベースコーチに投げて渡す行為がよくみられる。

野手の投げたボールをうっかりベースコーチが受け取ってしまった場合、ベースコーチがボールをすぐに手放せばそのままプレイは続行されるが、ベースコーチが暫くボールを保持してしまったときは、ボールデッドとし、走者はボールデッドになったときに占有していた塁にとどめる。(6.01(d)、アマチュア内規⑧)

  <4.07a 第3版解説 インプレイのとき審判員が使用球を受け取る より>

前記同様、スリーアウトと勘違いした野手が、使用球を審判員に手渡したのを審判員が受け取った場合は、規則6.01(d)を準用し、審判員が使用球を受け取ると同時にボールデッドとし、受け取らなかったらどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。(6.01(d)、アマチュア内規⑧)

なお、前記の「33.インプレイのときベースコーチが使用球をうっかり受け取る」と同様、審判員が使用球を受け取った場合も、守備側のうっかりミスだが、ベースコーチと審判員の場合とで処置が異なるのは、審判員は観客が受け取ったときと同様第三者であることから、審判員が受け取った時点で即ボールデッドとなる。しかし、ベースコーチの場合は、ベースコーチがボールを保持してしまわない限り、つまりベースコーチがボールを受けてもすぐ手放せば(“触れた”と同じ状態)、プレイに支障はないとしてプレイを優先し、そのままプレイを続けさせる。

4.08 ダブルヘッダー〈4.13〉
(a) (1)選手権試合は、1日2試合まで行なうことができる。サスペンデッドゲームを完了させるために、ダブルヘッダーとともに行なっても、本項に抵触することにはならない。

(2)もし、同じ日に、一つの入場料で2試合が組まれている場合には、第1試合をその当日における正規の試合としなければならない。

(b) ダブルヘッダーの第2試合は、第1試合の完了後でなければ開始してはならない。
(c) ダブルヘッダーの第2試合は、第1試合の終了20分後に開始する。ただし、この2試合の間にこれ以上の時間(30分を超えないこと)を必要とするときは、第1試合終了時に、球審はその旨を宣告して相手チームの監督に通告しなければならない。
【例外】ホームクラブが特別の行事のために、2試合の間を規定以上に延長したいと申し出て、リーグ会長がこれを承認した場合には、球審はこの旨を宣告して、相手チームの監督に通告しなければならない。どの場合でも、第1試合の球審は、第2試合が開始されるまでの時間を監視する任にあたる。
【注】両チーム監督の同意を得れば、ダブルヘッダーの第2試合を、第1試合の終了後20分以内に開始してもさしつかえない。
(d) 審判員は、ダブルヘッダーの第2試合をできる限り開始し、そして競技は、グラウンドコンディション、地方時間制限、天候状態などの許す限り、続行しなければならない。
(e) 正式に日程に組まれたダブルヘッダーが、降雨その他の理由で、開始が遅延した場合には、開始時間には関係なく開始されたその試合がダブルヘッダーの第1試合となる。
(f) 日程の変更により、ある試合をダブルヘッダーの一つに組み入れた場合は、その試合は第2試合となり、正式にその日の日程に組まれている試合が、第1試合となる。
(g)〈3.ll〉ダブルヘッダーの第1試合と第2試合の間、または試合が競技場使用不適のために停止されている場合、競技場をプレイに適するようにするために、球審は球場管理人およびその助手を指図することができる。
ぺナルティ 球場管理人およびその助手が球審の指図に従わなかった場合には、球審は、フォーフィッテッドゲームを宣告して、ビジティングチームに勝ちを与えることが許される。(7.03c)