5.02 守備位置〈4.03〉
試合開始のとき、または試合中ボールインプレイとなるときは、捕手を除くすべての 野手はフェア地域にいなければならない

(a) 捕手は、ホームプレートの直後に位置しなければならない。
故意の四球が企図された場合は、ボールが投手の手を離れるまで、捕手はその両足 をキャッチャースボックス内に置いていなければならないが、その他の場合は、捕球 またはプレイのためならいつでもその位置を離れてもよい。
ペナルティ ボークとなる。(6.02a12参照)

(b) 投手は、打者に投球するにあたって、正規の投球姿勢をとらなければならない。

(c) 投手と捕手を除く各野手は、フェア地域ならば、どこに位置してもさしつかえない。

【注】投手が打者に投球する前に、捕手以外の野手がファウル地域に位置を占めるこ とは、本条で禁止されているが、これに違反した場合のペナルティはない。

審判員がこのような事態を発見した場合には、速やかに警告してフェア地域に戻 らせた上、競技を続行しなければならないが、もし警告の余裕がなく、そのままプ レイが行なわれた場合でも、この反則行為があったからといってすべての行為を無 効としないで、その反則行為によって守備側が利益を得たと認められたときだけ、 そのプレイは無効とする。

第3版解説 キャッチャースボックス

規則5.02(a)は次のように規定している。「捕手は、ホームプレートの直後に位置しなければならない。」故意の四球が企図された場合は、ボールが投手の手を離れるまで、捕手はその両足をキャッチャースボックス内に置いていなければならないが、その他の場合は、捕球またはプレイのためならいつでもその位置を離れてもよい。

ペナルティ ボークとなる。(6.02(a)(12))

キャッチャースボックスは、1954年までは一塁線および三塁線を延長してできる、底辺が16フィート、高さ8フィート(ホームプレートの頂点まで)の三角形であった。ところが、この三角形の大きさだと、あまりに大きすぎて捕手が端の方に構えると、打者のバットが到底届かず、打者に打たせない、打者を歩かせるといったプレイが横行し、野球の原点である「打って、走る」という面白みを損なうということが問題となり、当時のMLBコミッショナーの一声で、三角形から今の狭い矩形に捕手は押し込められることになった(1955年)。

1955年

定義17「キャッチャースボックス」

「投手が投球するまで、捕手が位置すべき場所である。」

5.02(a)

「捕手は、ホームプレートの直後に位置しなければならない。」

故意の四球が企図された場合は、ボールが投手の手を離れるまで、捕手はその両足をキャッチャースボックス内に置いていなければならないが、その他の場合は、捕球またはプレイのためならいつでもその位置を離れてもよい。

故意の四球の場合は、ボールが投手の手から離れるまで、捕手はその両足をキャッチャースボックス内に置いておかねばならない、違反すればボークとなると明記されているが、では走者がいない場合あるいは走者がいても故意四球でない場合に、捕手がキャッチャースボックスから足を出して構えたときはどうなるのだろうか。

規則ではその点ははっきりしない。しかしながら、捕手はホームプレートの直後に位置しなければならないと明記されていること、ならびにキャッチャースボックスがなぜ規定されているのか、キャッチャースボックスがなぜ今の形に変わったのかを勘案すれば、捕手がボックスから大きく足を出して構えることは規則違反と考えられる。ただし、規則上は違反に対するペナルティは明記されていない。

最近、たとえばツーストライクから、中途半端なボールを投げないよう、あるいははっきりとしたボールを投げるよう、捕手がキャッチャースボックスから大きくはみだして構える光景が目立つ。本来は違反行為である。野手がファウル地域に位置したとき(5.02(c)[注])と同様、審判員が捕手に注意・指導していくことが必要である。打たせないようにするのではなく、打てというのが野球である。また投手にはストライクを投げさせ、ストライクで勝負する投手を育てていかなければならない。野球の正しい姿、世界に通用する投球技術を見失ってはいけない。

1954年までの野球場にはこのようにキャッチャースラインが白塗で示されていた。ボールインプレイ中に打者又は得点しようとする走者のほかは、この三角形の地帯(バックストップラインの内側)を横切ってはいけないと規定されていた。

キャッチャースボックスが現在の矩形に改正されたのは、1955年。三角形のボックスでは、故意四球(敬遠)が多すぎて試合進行上時間がかかりすぎるし、観衆の不満を買うので米国のルール委員会が故意四球の減少をはかる目的で、捕手を狭い場所に閉じ込めてしまおうとした改正である。