5.04 打者<6.00>

(b)<6.02> 打者の義務

(1) 打者は自分の打順がきたら、速やかにバッタースボックスに入って、打撃姿勢を とらなければならない。

(2) 打者は、投手がセットポジションをとるか、またはワインドアップを始めた場合 には、バッタースボックスの外に出たり、打撃姿勢をやめることは許されない。

ペナルティ 打者が本項に違反した際、投手が投球すれば、球審はその投球によって ボールまたはストライクを宣告する。

【原注】打者は、思うままにバッタースボックスを出入りする自由は与えられていな いから、打者が〝タイム〟を要求しないで、バッタースボックスを外したときに、 ストライクゾーンに投球されれば、ストライクを宣告されてもやむを得ない。

打者が打撃姿勢をとった後、ロジンバッグやパインタールバッグを使用するため に、打者席から外に出ることは許されない。ただし、試合の進行が遅滞していると か、天候上やむを得ないと球審が認めたときは除く。

審判員は、投手がワインドアップを始めるか、セットポジションをとったならば、 打者または攻撃側チームのメンバーのいかなる要求があっても〝タイム〟を宣告し てはならない。たとえ、打者が〝目にごみが入った〟〝眼鏡がくもった〟〝サイン が見えなかった〟など、その他どんな理由があっても、同様である。球審は、打者 が打者席に入ってからでも〝タイム〟を要求することを許してもよいが、理由なく して打者席から離れることを許してはならない。球審が寛大にしなければしないほ ど、打者は打者席の中にいるのであり、投球されるまでそこにとどまっていなけれ ばならないということがわかるだろう(5.04b4参照)

打者が打者席に入ったのに、投手が正当な理由もなくぐずぐずしていると球審が判断したときには、打者がほんの僅かの間、打者席を離れることを許してもよい。走者が塁にいるとき、投手がワインドアップを始めたり、セットポジションをとった後、打者が打者席から出たり、打撃姿勢をやめたのにつられて投球を果たさなかった場合、 審判員はボークを宣告してはならない投手と打者との両者が規則違反をしているの で、審判員はタイムを宣告して、投手も打者もあらためて〝出発点〟からやり直さ せる。

《以下はマイナーリーグで適用される〔原注〕の追加事項である。走者が塁にいるとき、投手がワインドアップを始めたり、セットポジションをとった後、打者が打者席から出たり、打撃姿勢をやめたのにつられて投球を果たさなかった場合、審判 員はボークを宣告してはならない。打者のこのような行為は、バッタースボックスルールの違反として扱い、5.04(b)(4)(A)に定められたペナルティを適用する。

(3) 打者が、バッタースボックス内で打撃姿勢をとろうとしなかった場合、球審はスト ライクを宣告する。この場合はボールデッドとなり、いずれの走者も進塁できない。

このペナルティの後、打者が正しい打撃姿勢をとれば、その後の投球は、その投球 によってボールまたはストライクがカウントされる。打者が、このようなストライク を3回宣告されるまでに、打撃姿勢をとらなかったときは、アウトが宣告される。

【原注】球審は、本項により打者にストライクを宣告した後、再びストライクを宣告 するまでに、打者が正しい打撃姿勢をとるための適宜な時間を認める。

(4)〈6.02 d〉バッタースボックスルール

(A) 打者は打撃姿勢をとった後は、次の場合を除き、少なくとも一方の足をバッター スボックス内に置いていなければならない。この場合は、打者はバッタースボックスを離れてもよいが、〝ホームプレートを囲む土の部分〟を出てはならない。

(ⅰ) 打者が投球に対してバットを振った場合。

(ⅱ)チェックスイングが塁審にリクエストされた場合

(ⅲ) 打者が投球を避けてバランスを崩すか、バッタースボックスの外に出ざるを得なかった場合。

(ⅳ) いずれかのチームのメンバーが〝タイム〟を要求し認められた場合。

(ⅴ) 守備側のプレーヤーがいずれかの塁で走者に対するプレイを企てた場合。

(ⅵ) 打者がバントをするふりをした場合。

(ⅶ) 暴投または捕逸が発生した場合。

(ⅷ) 投手がボールを受け取った後マウンドの土の部分を離れた場合。

(ⅸ) 捕手が守備のためのシグナルを送るためキャッチャースボックスを離れた場合。

打者が意図的にバッタースボックスを離れてプレイを遅らせ、かつ前記(i)~ (viii)の例外規定に該当しない場合、当該試合におけるその打者の最初の違反に対しては球審が警告を与え、その後違反が繰り返されたときにはリーグ会長が然るべき制裁を科す。マイナーリーグでは、当該試合におけるその打者の2度目以降の違反に対して、投手が投球をしなくても球審はストライクを宣告する。この際、ボールデッドで、走者は進塁できない。

【注】我が国では、所属する団体の規定に従う。

(B) 打者は、次の目的で〝タイム〟が宣告されたときは、バッタースボックスおよ び〝ホームプレートを囲む土の部分〟を離れることができる。

(ⅰ)負傷または負傷の可能性がある場合。 

(ⅱ) プレーヤーの交代

(ⅲ) いずれかのチームの協議

【原注】審判員は、前の打者が塁に出るかまたはアウトになれば、速やかにバッター スボックスに入るよう次打者に促さねばならない。

(5)〈6.03〉打者は、正規の打撃姿勢をとるためには、バッタースボックスの内にその 両足を置くことが必要である。

【規則説明】バッタースボックスのラインは、バッタースボックスの一部である。

 

第3版解説 打者の義務

打者は、思うままにバッタースボックスを出入りする自由は与えられていない。また打者は、投手がセットポジションをとるか、またはワインドアップを始めた場合には、バッタースボックスの外に出たり、打撃姿勢をやめることは許されない。(5.04(b)(2)[原注])

ペナルティ:打者が本項に違反した際、投手が投球すれば、球審はその投球によってボールまたはストライクを宣告する。(5.04(b)(2))

審判員は、投手がワインドアップを始めるか、セットポジションをとったならば、打者または攻撃側チームのメンバーのいかなる要求があっても“タイム”を宣告してはならない。また、球審は、理由なくして打者が打者席から離れることを許してはならない。(5.04(b)(2)[原注])

打者が、たとえば判定に不服で、あるいはサイン交換が異常に長くて、球審の督促にもかかわらず、なかなかバッタースボック内で打撃姿勢をとろうとしなかった場合、球審は以前のように投手に投球を命じることなく自動的にストライクを宣告する。この場合は、ボールデッドとなり、いずれの走者も進塁できない。(5.04(b)(3))

<第3版解説 バッタースボックスルール>

2016年(米国では2015年)、旧規則6.02(d)がメジャーリーグにも適用されることになり、「バッタースボックスルール」として改正された(5.04(b)(4)(A)・(B))。

この規則のペナルティは、「打者が意図的にバッタースボックスを離れてプレイを遅らせ、かつ例外規定に該当しない場合、当該試合におけるその打者の最初の違反に対しては球審が警告を与え、その後違反が繰り返されたときにはリーグ会長が然るべき制裁を科す。」とされた。

このペナルティについて、アマチュア野球では「リーグ会長が然るべき制裁を科す」という規定は採用できない事項であり、また、プロ野球も今までのスピードアップに関する取り組みを継続していくということで、「我が国では、所属する団体の規定に従う。」という注を挿入した。その上で、アマチュア野球では、アマチュア野球内規に「②バッタースボックスルール」を追加した。なお、この内規のペナルティ(2度目までの規則違反に対しては警告を与え、3度目からはストライクを宣告する)については、2016年は猶予期間とし、2017年のシーズンから適用することとした。

2017年度の規則改正で、5.04(b)(4)の(A)に「(ⅱ)チェックスイングが塁審にリクエストされた場合。」と、(B)に「(i)負傷または負傷の可能性がある場合。」が追加された。この「負傷」の対象には、打者、守備側の選手、審判員などが考えられる。

<第3版解説 投手に投球を命じる より>

規則5.04(b)(3)の違反に対するペナルティ ――― 以前は、打者がバッタースボックスになかなか入らない場合、審判員は投手に投球を命じ、すべてストライクをコールすると規定されていた ――― は改正された。現在は、審判員は打者に対し自動的にストライクをコールする(このときはボールデッドとする)。