(a)〈7.01〉塁の占有

(1) 走者がアウトになる前に他の走者の触れていない塁に触れれば、その塁を占有する権利を獲得する。

その走者は、アウトになるか、または、その塁に対する正規の占有権を持ってい る他の走者のためにその塁を明け渡す義務が生じるまで、その権利が与えられる。

【5.06a・c原注】走者が塁を正規に占有する権利を得て、しかも投手が投球姿勢に入っ た場合は、元の占有塁に戻ることは許されない。

(2)〈7.03a〉2人の走者が同時に一つの塁を占有することは許されない。ボールインプ レイの際、2人の走者が同一の塁に触れているときは、その塁を占有する権利は前位 の走者に与えられているから、後位の走者はその塁に触れていても触球されればアウトとなる。ただし本条(b)(2)項適用の場合を除く。

3版解説 同一塁上に二人の走者 より>

規則5.06(a)(2) 2走者が同時に一つの塁を占有することは許されない。ボールインプレイの際、2走者が同一の塁に触れているときは、その塁を占有する権利は前位の走者に与えられているから、後位の走者はその塁に触れていても触球されればアウトとなる。

例題1:走者二・三塁で、打者がしようトゴロを打った。三塁走者は本塁に向かいかけたが思いとどまって三塁に戻ろうとし三・本間でランダウンになった。その間に、二塁走者は三塁まで進んだ。三塁走者はうまく三塁に戻ることができた。三塁ベース上に二人の走者が立った。野手がボールを持って二塁走者に触球すれば、二塁走者はたとえ三塁ベースに触れていても、そのベースの占有権は三塁走者にあるので、アウトとなる。

例題2:三・本間で挟撃された走者が妨害によってアウトを宣告された場合には、後位の走者はその妨害発生以前に、たとえ三塁を占めることがあっても、その占有は許されず二塁に帰らなければならない。また、二・三塁間で挟撃された走者が妨害によってアウトになった場合も同様、後位の走者は一塁に帰らなければならない。妨害が発生した場合にはいずれの走者も進塁できないこと、および走者は正規に次塁に進塁するまでは元の塁を占有しているとみなされることがその理由である。(6.01(a)[原注2])

【注】走者一・三塁のとき三塁走者が三・本間で挟撃され、妨害によってアウトを宣告された場合、一塁走者がその妨害発生以前に二塁を占めていれば、一塁走者には二塁の占有が許される。(6.01(a)[原注2][注])

規則5.06(b)(2) 打者が走者となったために進塁の義務が生じ、二人の走者が後位の走者が進むべき塁に触れている場合には、その塁を占有する権利は後位の走者に与えられているので、前位の走者は触球されるか、野手がボールを保持してその走者が進むべき塁に触れればアウトになる。

規則5.09(b)(6) 打者が走者となったために、進塁の義務が生じた走者が次の塁に触れる前に、野手がその走者またはその塁に触球した場合。(このアウトはフォースアウトである)ただし、後位の走者がフォースプレイで先にアウトになれば、フォースの状態ではなくなり、前位の走者には進塁の義務がなくなるから、身体に触球されなければアウトにはならない。

例題3:走者一塁で、打者が一塁手の後方に小フライを上げた。一塁走者は捕られるものと思い、一塁ベースについていた。ところが二塁手は落球し、すぐボールを拾って一塁に送球した。一塁ベースには一塁走者がついていたが、打者走者は一塁に達していなかった。野手がどう行動するかで走者に対する処置が変わってくる。つまり、一塁手が先にベースを踏んでから一塁走者にタッグしたときは、打者走者が一塁でアウトになるだけで、一塁走者は、先に打者走者がアウトになっているので(フォースアウトの状態は消える)次塁に進む必要はなくなり、そのまま一塁に残ることができる。

しかし、一塁手が先に一塁走者(ベースを踏んでいると否とを問わず)にタッグしてから、打者走者が一塁に到達する前に一塁ベースを踏めば、二人ともアウトになる。

フォースの状態で進塁を余儀なくされた走者が元の塁に触れたままの場合は、その塁の占有権は後位の走者(例題3の場合は打者走者)にある。