124:1アウト、走者二塁、カウント1B-1S。ボーク後の投球に、打者は打撃妨害を受けながら二塁ゴロ。打者は二塁手のエラーで一塁に生きたが、二塁走者は二塁にとどまった。どう措置するか。

1、措置要約:打者は一塁に進んだが、走者が1個進んでいないので、ボークが適用され、走者三塁、打者カウント1B-1Sで打ち直しで試合再開となる。(6.02 (a)ペナルティ前段)

2、審判員アクション
 ①当該審判員は、投手を指さして(球審は発声のみ)『ザッツ・ボーク』“That’s a balk!” 
 ②塁審が宣告した場合は、打者が打つかもしれないので、ハンズ・オン・ニーズ・セットポジションにもどる
 ③打者がエラーで1塁に生きる、二塁走者は二塁を確認 → ボークを宣告した審判員は、前方に進み出て大きく『タイム』
 ④他の審判員も『タイム』
 ⑤ボークを宣告した審判員は、投手を指さして『ザッツ・ボーク』“That’s a balk!”
 ⑥次に、2塁走者を指さして『2塁走者、3塁へ』“You, third base!”と指示
 ⑦次に、一塁塁上にいる打者走者を指さして『バッター、打ち直し』“You, back at bat!”と指示
 ⑧塁審が宣告した場合は、球審に向かって『ボールカウント1B-1S』(今の投球はボークのためカウントしないことを伝える)
 ⑨球審は、公式記録員に向かって、頭上でジェスチャーをしながら『ボールカウント1B-1S』

※打者が安打、失策、四死球、その他で1塁に達し、かつ、他のすべての走者が少なくとも1個の塁を進んだときは、プレイをボークと関係なく進めます。このため、球審は、たとえボークを宣告しても、フォアボール目のボールの投球(走者が1塁、1塁・2塁、満塁または暴投のとき)には『ボール』をコールし、また、スリーストライク目の暴投など(振り逃げのケース)には『ストライク』をコールします。

3、適用規則 6.02aペナルティ前段
◎ 2020 年度の規則改正
 ①2020 年度の規則改正において、5.07(a)(1)①、5.07(a)(2)②、5.07(a)(2)
【注 2】、6.02(a)(1)が改正されました。
 ②5.07(a)(1)①および 5.07(a)(2)②
  打者への投球動作を起こしたならば、中断したり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない。
 ③5.07(a)(2)【注 2】
(1)(2)項でいう〝中断〟とは、投手が投球動作を起こしてから途中でやめてしまったり、投球動作中に一時停止したりすることであり、〝変更〟とは、ワインドアップポジションからセットポジション(または、その逆)に移行したり、投球動作から塁への送球(けん制)動作に変更することである。
 ④6.02(a)(1)
投手板に触れている投手が、5.07(a)(1)および(2)項に定める投球動作に違反した場合。
※この改正により、走者が塁にいるときに、投手が投球するときに自由な足を上げてから一時的に止めたり、自由な足を上げるとき意図的に段階をつけたりした場合(いわゆる「2段モーション」)、次のような取り扱いとなりました。
・自由な足を上げてから一時的に止めた:ボーク
・自由な足を上下させてから投球した:ペナルティなし
・自由な足を上下させてからけん制動作に移行した:ボーク

6.02aボーク ペナルティ前段
ペナルティ (a)項各規定によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各走者は、アウトにされるおそれなく、1個の塁が与えられる。

ただし、ボークにもかかわらず、打者が安打、失策、四球、死球、その他で一塁に達し、かつ、他のすべての走者が少なくとも1個の塁を進んだときには、このペナルティの前段を適用しないで、プレイはボークと関係なく続けられる。

もし打者走者および他のすべての走者が進塁できなかった場合は、ボークが適用され、ボークの投球はノーカウントで打者打ち直しとなり、走者はボークで1個の塁を進む(審判マニュアル 17ボークの罰則より)

4、場内アナウンスまたは説明
二塁走者が進塁できませんでしたのでボークを適用し三塁へ、ボークの投球はノーカウントで打者打ち直しとなります。走者三塁、打者カウント1B-1Sで試合を再開します。

 

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