162:走者三塁。打者は打撃妨害されながらも外野に飛球を打ち(アウト)、走者はタッグアップしてホームインした。審判員は打撃妨害の処置をとり、三塁走者を三塁に戻し、打者を一塁に進めた。このとき離塁が早かったと思った三塁走者は三塁を踏み直すことができるのか、あるいは守備側が離塁が早かったとアピールすることができるのか?措置は?

措置:プレイが止まったらただちに打撃妨害の処置はとられるので通常は守備側がアピールする時間はないが、しかし守備側がその処置の前にアピールをすることがあれば審判員はそのアピールを受けざるを得ないと考える。

打撃妨害のペナルティの処置がとられた後は、走者は元の塁に立っているので、仮に離塁が早かったとしても、その違反は無視され、もはや踏み直しの必要はなく、またそれに対する守備側のアピールも認められない。

なお、プレイを生かすことを選択した場合は、「得点に至ったプレイ」を選択したことを意味し、もしそのプレイにアピールのリスクがあってもそれを承知の上で攻撃側は選択したことになる。離塁が早かったという事実は、打撃妨害の処置をとられたからといって消えるものではない。したがって、仮に離塁が早かったときにアピールがあれば走者はアウトとなって得点は認められないことになる。審判員が打撃妨害の処置をとったことで守備側のアピールの機会を封じてしまうのは合理性があるとは言えず、守備側にとっては納得のいかない処置となる。(6.01 (c)、5.09(c)(1))

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