181:同点で最終回の裏、ツーアウト走者三塁。打者はスリーストライク目の投球を空振り、捕手はその投球を捕り損ね、大きく横にそらし、ボールはボールデッドの個所に入ってしまった。三塁走者はホームイン。打者は歓喜の余り三塁走者と抱き合って一塁へ進もうとしなかった。アピールもなく両チームは本塁に整列してしまった。さて、このケース、一塁に行かなかった打者走者に球審はアウトを宣告できるのか、それともアピールプレイなのか、もしアピールだとしたら、守備側のアピールの要求をどう処置したらよいか?

措置:規則上、明確な規定はないが、規則5.08 (b)のケースと異なり、球審が自ら打者のアウトを宣告して三塁走者の得点を無効にすることはできない。そのため、アマ内規⑤の「(最終回裏)ツーアウト、(走者三塁)、四球暴投、決勝点で打者一塁へ進まず」を準用して、打者をアウトにするには、アピールが必要と考える。もちろん、アピールは本塁整列前に行う必要があるが、守備側がアピールをしようとしても例題のようにボールがデッドの個所に入ってしまうと、デッド中のためアピールができないまま両チームが本塁整列して試合終了となってしまうおそれがある。

そのため、アマチュア野球規則委員会は2013年にアマ内規⑦を改正し、「ただし、最終回の裏、ボールデッド中に決勝点が記録された場合、または降雨等で試合が中断され、そのまま試合が再開されない場合、ボールデッド中でもアピールはできるものとする。」とした。したがって、例題のケース、守備側はボールデッド中でも、球審にボールを要求し、本塁整列前に打者走者が一塁に行かないことに対してアピールすることが可能である。アピールが認められれば、三塁走者の得点は認められず、延長回に入ることになる。

なお、規則5.06(b)⑷(I)ただし以下により、投手の三振目の投球がボールデッドの個所に入った場合、三塁走者には本塁が、そして打者走者には一塁が与えられることになる。投球がボールデッドの個所に入った時点でタイムが宣告され、審判員は各走者に1個の進塁を指示する。つまり、実際の試合では審判員が打者走者を含め走者に1個進みなさいと指示をすることからこういう例は起きないと思われる。