600-19反則行為:三遊間の打球を捕りに行った遊撃手のすぐ右側方を抜けて、二塁走者に当たった場合はどうか。

措置:容易に守備できた範囲の打球に、すぐ後ろで当たっても、この打球に対して他の内野手が’守備する機会がない場合はアウトにはならない。しかし、守備する機会があったと審判員が認めた場合はアウトになる。(6.01a(11)(B)、5.06c⑹(B))

この回答は誤っている。下記まとめの例外規定には当らず走者はアウトである。

まとめ:
次の場合を除き、故意ではなく打球に当たった走者はアウトとなる。
(1)ボールが内野手にすでに触れた場合
(2)ボールが内野手を通過(すなわち内野手の股間または守備しようとした内野手の側方を通過)し、かつ他の内野手が守備する機会がなかった場合
また、走者は、たとえボールが野手に触れて進路が変わったとしても、打球に対して守備しようとしている野手を避けねばならない。

2020年の改正は、「走者が、フェアボールに、フェア地域で触れた場合」は原則として、すべてアウトであることを明確にしたものだ。打球が内野手を通過したかどうかは問わないことになった。ただし、これには例外があり、それは、5.06(c)(6)(ボールデッド)および6.01 (a) (11)(走者の妨害)に記載されている、以下の二つのケースである。
a)いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合。
b)1人の内野手(投手を除く)に触れないで、その股間または側方を通過したフェアボールに、すぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がなかったと審判員が判断した場合

打球がいずれかの内野手(投手を含む)に触れた(あるいは触れて進路が変わった)後に、その打球が偶然走者に触れた場合、たとえ他の内野手に守備の機会があっても、ボールインプレイである。(5.06 (c)(6)、5.09(b)⑺、6.01 (a)(11))
この理由は、走者は走塁中に進路が変わった打球を避けることは求められていないので、その打球に触れたことでアウトにすべきではないからである。もちろん、内野手に触れて進路が変わった後でも、走者が故意に打球の進路を変えたり、避けられたにも拘らず打球に触れた場合、走者は故意の妨害とみなされる。打球が内野手によって進路が変わったことで走者が故意に妨害しても良いと言うことにはならない。(6.01 (a)(11))
はじいた打球を処理しようとしている野手を妨害した場合は別である。特に、打球が内野手によって進路が変わり、他の内野手がその打球に対してプレイをしている場合は走者は野手を避けねばならない。もし打球が他の野手に触れていたとしても、走者がプレイをしている野手を妨害した場合は、走者は5.09 (b)(3)によってアウトにされる場合もある。ルール上、打球に対してプレイしている野手が優先である。(5.09(b)⑺[注1])

一方、打球が野手(投手を除く)の股間または側方を野手に触れずに通過し、その直後その内野手の後ろで走者に触れた場合、審判員はその打球に対して他の内野手が守備する機会があったかどうかを判断し、もしそうであれば走者にはアウトが宣告され、守備する機会がないと判断すれば打球はボールインプレイである。ボールインプレイの場合、審判員は両手を広げて“That’s nothing ! ”と発生し、ボールインプレイであることを両チームに知らせることが望ましい。
“フェアボールが内野手を通過し、そのすぐ後で走者に触れた” (6.01 (a) (11)および5.06(c) (6))とは、打球が内野手の股間またはすぐ側方を通過し、その内野手のすぐ後ろで走者に触れた場合をいう。
“内野手の側方”とは、野手が一歩も動くことなく処理できる範囲のものをいう。

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