2013年度 改正規則解説
~改正規則と規則適用上の解釈について~
麻生紘二<日本野球規則委員会委員>

改正規則の解説~規則の改正は10カ所~

日本野球規則委員会は、去る1月24日、2013年度の規則改正を以下のように発表しました。今年度は、アマにとっての大きな改正も含め、合計10ヵ所の改正となりました。

上方空間にあった場合は、その後ファウル地域に出てもフェアボールである。
(1)巻頭フェアボールおよびファウルボールの基準を改正
(2)1.10(b)の改正
(3)1.17[注3]④の改正
(4)2.32[注1]の改正
(5)3.05(d)の追加
(6)3.15[原注]の例を移動
(7)7.08(a)(1)、同(2)、同[原注]を改正
(8)8.01(a)[注1]の改正、同[b][注]の削除、また、巻頭の投球姿勢を変更する。
(9)10.01の改正、同(a)[原注]後段と[注]を削除
(10)10.10(a)の改正
規則書は横書きに一新!
1956年にわが国で初のプロ・アマ合同の規則書が刊行されて以来、規則書は縦書きでしたが、今年度思い切って横書きに変更しました。かなり見やすくなったのではと思います。装いも新たな規則書により親しんでいただければ幸甚です。
では、以下プレイングルールの改正について解説いたします。

■フェアボール、ファウルボールの改正
巻頭フェアボール第2図の説明を次のように改める。(以下下線部が改正個所)
バウンドしながら内野から外野へ越えていく場合には、一塁または三塁を基準として判断すべきであって、一塁または三塁を過ぎるときに、フェア地域内かまたはその上方空間にあった場合は、その後ファウル地域に出てもフェアボールである。
また、巻頭ファウルボール第8図の説明を次のように改める。
バウンドしながら内野から外野へ越えていく場合には、一塁または三塁を基準として判断すべきであって、一塁または三塁を過ぎるときに、ファウル地域内かまたはその上方空間にあった場合は、ファウルボールである。

これまで長い間わが国では、フェアボール、ファウルボールの基準をAB両点で判定してきました。ご存知のとおりA点は一塁ベースの外野寄りの角、B点は三塁ベースの外野寄りの角を指し、打球がバウンドしながらAB両点を過ぎるときに、フェア地域内かその上方空間にあった場合は、その後ファウル地域に出てもフェアボール、ファウル地域内かその上方空間にあった場合はファウルボールとされてきました(巻頭フェアボール第2図、ファウルボール第8図を参照してください)。つまり、一塁線のゴロが一塁ベースの上方をA点の手前で横切れば、それはファウルボールとしてきました。
しかし、2.25(b)および2.32(b)をご覧ください。

◆2.25フェアボール
(b)一塁または三塁を、バウンドしながら外野の方へ越えていく場合に、フェア地域に触れながら通過するか、またはその上方空間を通過したもの。

◆2.32ファウルボール
(b)一塁または三塁を、バウンドしながら外野の方へ越えていく場合に、ファウル地域に触れながら通過するか、あるいはファウル地域上の上方空間を通過したもの。

この条文には、「一塁または三塁を」と書いてあるだけです。そこで先達者たちは一塁または三塁ベースのどこが基準になるのだろうかと研究し、外野寄りのベースの角を基準にすると決め、今日に至っていました。
しかしながら、AB両点を基準にするのは、国際的にも異なるし、また打球がベースに当たった場合はフェアボールにしていること、および条文を読んでもベースの上方を横切ったものはフェアボールと解釈できることから、こうした矛盾を取り払うために、伝統的なわが国のこれまでの解釈を“AB両点からベースを基準に”判定することに改めたものです。これは大きな解釈の変更といえます。


■1.10(b)カップバットの改正
バットの先端をえぐるときには、深さ1¼インチ(3.2センチ)以内、…
これはオフィシャルベースボールルールの2012年改正に伴うものです。

■1.17[注3]④の改正
(カッコ)内の(アマチュア野球では7平方㌢以下でなければならない。)を削除
2000年に、手袋およびリストバンドの商標表示についてその大きさは14平方㌢以下と規定されたとき、アマチュアだけは商標は目立ってはいけないとの判断から7平方㌢以下とし、その旨カッコ内に挿入した経緯があります。しかし、実態を見るに、高校野球を除き14平方㌢以下のものだけが市場に出回っていたことから追認の形でアマチュア野球だけの制限を撤廃したものです。

■2.32[注1]後段の改正
また、打者が打ったり、バントしたボールが反転して、まだバッタースボックス内にいる打者の身体およびその所持するバットに触れたときも、打球がバットまたは身体と接触した位置に関係なく、ファウルボールである。
これについては後述する6.05(g)の規則適用上の解釈の変更と関係しますのでそこで触れることにします。

■3.05(d)の追加
(d)すでに試合に出場している投手がイニングの初めにファウルラインを越えてしまえば、その投手は、第1打者がアウトになるかあるいは一塁に達するまで、投球する義務がある。ただし、その打者に代打者が出た場合、またはその投手が負傷または病気のために投球が不可能になったと球審が認めた場合を除く。

3.05は、先発投手または救援投手の義務についての規則ですが、今回ここに(d)を新たに追加して、いま投げている投手がイニングの初めにファウルラインを横切ってマウンドに向かえば、その投手は、第1打者がアウトになるかあるいは一塁に達するまで投球しなければいけないと規定しました。これは言うまでもなく投手をマウンドに向かわせておいて、一方ではブルペンでウォームアップしている投手に1球でも多く投げさせて調整の時間を稼ごうとするアンフェアな行為を禁止するものです。

なお、原文の2013オフィシャル・ベースボール・ルールズでは、この条文の後に、イニングが終わったとき投手が塁上にいた場合とか、または投手が打撃を完了し、それでスリーアウトになった場合、投手はそのままマウンドに行くことができるが、その投手がウォームアップのために投手板を踏んでしまえば、第1打者がアウトになるかあるいは一塁に達するまで投球しなければならない、投手板を踏む前であればその必要はない旨の文言が追加になっています。

しかし、わが国では1年遅れで原文の改正を採り入れており、すでに今年度の規則改正を発表したあとだったため、この追加条文は2014年度の規則書に反映することとしました。ただし、この解釈は本年度から適用することとします。

■3.15[原注3]の例を移動
3.15[原注]の「例」以下を7.11に移動し[注2]とし、7.11[注]を[注1]にする。
3.15では、試合中競技場に入ることが許される人を規定し、同[原注]には、「本条で除かれている攻撃側メンバーまたはベースコーチが、打球または送球を守備しようとしている野手を妨害した場合については、7.11参照。」と記載されています。

にもかかわらず、例では、一塁ベースコーチの妨害の事例を紹介しています。この例の記載の場所としては、攻撃側メンバーまたはベースコーチの妨害を規定した7.11が適切と考え、原文とは異なりますが7.11に[注2]として移動するものです。

なお、現行7.11[注]に次打者席のことに触れています。本来、次打者席は試合進行上次打者を待機させるために設けられた場所です。ここに何本もバットを持ち込んだり、最近はスプレーからリングなどこまごました補助用具が置かれ、それらがプレイの妨げになることがあります。この次打者席に持ち込めるものについては各団体で決められていますが、マスコットバット以外は認めないとするのが望ましい姿です。

攻撃側プレーヤーは、自チームの攻撃中には、競技場内には何物も残しておいてはならない(3.14参照)とあるように、試合中はプレイの妨げになる恐れのあるものは一切グラウンドに置いてはいけないことになっています。

関連して、実際に競技にたずさわっている(試合に出ている)者以外は、ダッグアウト内にいなければならず(3.17参照)、攻撃中にダッグアウトを出て投球練習をしたり(ブルペンを除く)、送球練習をしたり、バットの素振りをすることは、規則上は認められておらず規則違反になります。わが国では長年の慣習として黙認されていますが、規則違反行為をしていることになりますので、規則委員会としてはいずれ是正が必要と考えています。

■7.08(a)(1)、同(2)、同[原注]の改正
7.08(a)(1)、同(2)、同[原注]の「ベースライン」を「ベースパス」に改める。
これは、ベースライン(baseline)をベースパス(basepath)とすることで、走者の走路は、狭義の1本の直線ではなく、走者の左右3フィート以内の幅があり、“path”に変えることで、より“走路”のイメージに近づけたと言えます。

■8.01(a)[注1]を改正、同(b)[注]を削除
(a)[注1]アマチュア野球では、投手の軸足および自由な足に関し、次のとおりとする。
(1)投手は、打者に面して立ち、その軸足は投手板に触れて置き、他の足の置き場所には制限がない。ただし、他の足を投手板から離して置くときは、足全体を投手板の前縁より前に置くことはできない。

(2)投手が(1)のように足を置いてボールを両手で身体の前方で保持すれば、ワインドアップポジションをとったものとみなされる。

(3)削除

(b)[注]全文削除
これはアマチュア野球だけの投球姿勢に関する大改正です。2007年にプロ野球が投球姿勢に関し、オフィシャルベースボールルールどおりに改正しました。つまり、軸足は投手板に触れて置けばよい、他の足(自由な足)は文字どおりどこに置いてもよい(自由)ということになりました。しかし、アマチュアは、裾野が広く、投球姿勢が乱れることを懸念して、性急に改正することを避け、アマチュアは従来どおりの足の置き方を踏襲し、アマ注として、(a)ワインドアップポジションに[注一]を、(b)セットポジションに[注]を挿入しました。その間、先行して導入したプロ野球の状況などを観察しながら、本則どおりに改正した場合どんな問題が発生するか様子を見てきました。

その結果、ワインドアップポジションの場合だけ自由な足の置き方によって混乱があり得ると判断し、上記のようにアマ[注]を挿入したものです。すなわち、自由な足の置き方を”自由”にすれば、投手板の前に置くことも可能となり、その場合、その投手はワインドアップポジションをとるのか、セットポジションをとるのか、投球動作を開始するまで分からないといった事態が生じ、これでは走者が大いに迷わされることになってしまいます。そのため、ワインドアップポジションのときは自由な足全体を投手板の前に置くことはできない、投手板の前に置いた場合はセットポジションで投げるときと明確に区別しました。

また、本則どおりに改正になったということは、軸足は投手板に触れてればよいということです。これまでのように軸足が投手板からはみ出してはいけないといった規制は撤廃されました。

ここで注意を要するのは、軸足を投手板に触れておけばよいということから、たとえば軸足の踵を投手板に触れて置き、その状態から投球動作に移ると、実際投球の時点では軸足は投手板から離れて足の長さ分だけ投手板の前に出ているといったことが起きます。これは反則投球になります。規則では、投手は、投球するとき(投手の手からボールが離れるまで)軸足は投手板に触れておかねばなりません。

以上のように、投手の軸足、自由な足の制限を撤廃もしくは緩和したことは、アマチュア野球の歴史にとって画期的な出来事と言えます。これによって、投球姿勢が混乱に陥ることはないと信じていますが、規則8.01(a)および(b)をよく読み、正しい投球姿勢の遵守を重ねてお願いします。

■規則適用上の解釈
改正規則の解説は以上で終わりますが、次に昨年規則委員会で議論された中から、規則適用上の解釈を紹介しますので参考にしてください。

6.05(g)
打者が“バッタースボックス内にいて”打球に当たったケースです。次の事例をご覧ください。
事例:片方の足がバッタースボックスの中、もう片方の足が外、いずれも地面に着いていた状態で、打球が打者の身体に当たった。

このケースは、従来、片方の足がバッタースボックスの中にあるということは、「まだバッタースボックスを離れていない」状態で、打球に当たったから「ファウルボール」との解釈をとってきました。

しかし、MLBの解釈を確認したところ、「打者の一方の足がバッタースボックス外にあれば、妨害でアウトになる」との解釈が2010年に出されていることが判明しました。そのため、わが国規則委員会もMLBの解釈に倣い、上記のケースは、これまでの「ファウルボール」の解釈を「打者アウト」に変更することにしました。

これに関連して、解釈上の混乱を避けるため、前述の2.32[注1]の後段の文章の「まだバッタースボックスを離れない打者」を「まだバッタースボックス内にいる打者」と改めた次第です。
打球が打者に当たったケースを整理しますと次のようになります。


■7.10に関連して
アピール権の消滅についての確認です。まず、次の事例をご覧ください。

事例1:1アウト走者一塁。打者ヒット。一塁走者は二塁を空過し三塁へ。ボールは外野から内野に戻り投手に渡った。投手は投手板を踏んでセットポジションに入った。それから正規に投手板を外し、二塁にアピールしょうとした。それを見て三塁走者は本塁に向かった。投手は、アピールを途中でやめ、本塁に向かった走者をアウトにしょうと本塁に送球したが走者はセーフとなった。その後、依然守備側は二塁でアピールはできるか?

事例2:上記の例で、ボールは一塁手に戻った。一塁手はアピールしょうとして二塁に入った遊撃手に送球した。それを見て、三塁走者は本塁に走った。遊撃手はアピールをやめ、本塁に送球したが、セーフ。その後、依然守備側は二塁でアピールできるか?

事例3:1アウト走者一塁。打者が三塁打を打った。一塁走者は二塁を空過して三塁へ進んだ。ボールは内野に戻り投手に渡った。投手は二塁でアピールしょうと二塁に送球した。しかし、二塁手はアピールをせずに三塁にいた走者をアウトにしょうとして三塁に送球した。セーフ。その後、依然守備側は二塁でのアピールはできるか?

結論は上記3事例とももはやアピールはできないわけですが、その理由は次のとおりです。
イ) 投手にボールが戻り、投手が投手板を踏んだ場合、その時点でオリジナルプレイ(打球後の一連のプレイ)は終わったと判断します。したがって、投手が、投手板を外して直接アピールするのは問題ないが、投手板を外してアピールの前に別のプレイが入ってしまえば、その後のアピールはもはや認められないことになります。

ロ) 内野手(投手板を踏んでいない投手を含む)にボールが戻り、アピールをしょうとしたが、途中でやめて別のプレイをした場合も、その後のアピールは認められません。なぜなら、アピールをしょうとしたことは、実際問題そこでプレイは止まっていた(つまり走者は進塁行為を見せていなかった)、オリジナルプレイは終わっていたと判断できるからです。

ハ) オリジナルプレイが終わった(あるいは打球後の一連のプレイが終わった)とは、すべての走者が進塁をストップし(たとえば塁についているとか、あるいは次塁を狙う素振りがないとか)、そして内野手が(プレイを止めるため)内野でポールを保持している状態を言います。
以上参考にしてください。

なお、関連して、ボールデッド中のアピールはできませんが、たとえば最終回の裏、決勝点が記録された場合、守備側がアピールをしょうと思っても、ボールがボールデッドの個所に入ってボールデッド中だったため、アピールしようにもアピールできず、そうこうしているうちに両チームが本塁に整列してしまい、アピールできないまま試合終了が宣告されてしまうという事態が起こりかねません。そこで、アマチュア野球では、こうした事態を避けるため高校野球特別規則20を統一的に採用して、アマチュア野球内規⑨に追加し、決勝点に当たるような場合はボールデッド中でもアピールできることにしました。具体的には、この場合、守備側はボールデッド中でも球審にボールを要求しアピールを行うことができるようになりました。

参考:高校野球特別規則20.
最終回の裏、ボールデッド中に決勝点が記録された場合、または降雨等で試合が中断され、そのまま試合が再開されない場合、ボールデッド中でもアピールはできるものとする。

■危険防止(ラフプレイの禁止)ルールの導入
過去、アマチュア野球では、「キャッチャーミットを動かすな」、「キャッチャーはボックスの外に出るな」といったキャンペーンに取り組んできました。そして、今回、危険防止(ラフプレイ禁止)ルールの導入は、キャンペーン第3弾と言えます。

昨夏、韓国で行われた18Uの世界大会で、日本チームの捕手が米国の選手に2度にわたって体当たりされ、しばらく捕手が立ち上がれなかったシーンをご記憶の方も多いと思います。また、プロ野球中継で、しばしばホームで体当たりのシーンが見られ、ナイスプレイ!とかナイスブロック!とか体を張った捕手のプレイが称賛されることがあります。

その結果、野手がとんでもない大けがをしたり、走者が大けがをしたりして、シーズンを棒に振ったり、最悪のケースは選手生命が終わってしまうこともあります。

わが国のアマチュア野球では、目に余るような危険な接触プレイはそんなに起きているわけではありませんが、将来性のある青少年を危険なプレイでけがをさせて将来の夢を失わせてはいけないとの考えから、危険防止(ラフプレイ禁止)のキャンペーンを展開することにしました。具体的には、本塁でのタッグプレイ、各塁でのスライディングについての規制です。

詳細は、アマ内規⑦に追加するとともに、各団体に規則委員会から平成25年2月6日付で通達を出状しました。審判員諸氏はラフプレイの発生には常に注意を払い、厳格にルールを適用し、また併せて指導者の方にはこのルールの趣旨をよくご理解いただきたいとお願いします。

以下参考までにラブプレイ禁止ルールの全文を掲載します。
危険防止(ラフプレイ禁止)ルール
本規則の趣旨は、フェアプレイに精神に則り、プレーヤーの安全を確保するため、攻撃側のプレーヤーが野手の落球を誘おうとして、あるいは触塁しようとして、意図的に野手に体当たりあるいは乱暴に接触することを禁止するものである。

1. タッグプレイのとき、野手がボールを明らかに保持している場合、走者は(たとえ走路上であっても)野手を避ける、あるいは減速するなどして野手との接触を回避しなければならない。審判員は、

1)野手との接触が避けられた
2)走者は野手の落球を誘おうとしていた
3)野手の落球を誘うため乱暴に接触した

と審判員が判断すれば、その行為は故意とみなされ、たとえ野手がその接触によって落球しても、走者にはアウトが宣告される。ただちにボールデッドとなり、すべての他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。なお、走者の行為が極めて悪質な場合は、走者は試合から除かれる場合もある。

2. フォースプレイのとき、次の場合には、たとえ身体の一部が塁に向かっていたとしても、走者には妨害が適用される。

(1)走者が、ベースパスから外れて野手に向かって滑ったり、または走ったりして野手の守備を妨げた場合(接触したかどうかを問わない)
《走者は、まっすぐベースに向かって滑らなければならない。つまり、走者の身体全体(足、脚、腰および腕)が塁間の走者の走路(ベースパス)内に留まることが必要である。ただし、走者が、野手から離れる方向へ滑ったり、走ったりすることが、野手との接触または野手のプレイの妨げになることを避けるためであれば、それは許される。》
(2)走者が体を野手にぶつけたりして、野手の守備を妨害した場合
(3)走者のスライディングの足が、立っている野手の膝より上に接触した場合および走者がスパイクの刃を立てて野手に向かってスライディングした場合
(4)走者がいずれかの足で野手を払うか、蹴った場合
(5)たとえ野手がプレイを完成させるための送球を企てていなくても、走者がイリーガリーに野手に向かってスライドしたり、接触したりした場合
ペナルティ(1)~(5)―――――1)ノーアウトまたはワンアウトの場合、妨害した走者と、打者走者にアウトが宣告される。すでにアウトになった走者が妨害した場合も、打者走者にアウトが宣告される。他の走者は進塁できない。2)ツーアウトの場合、妨害した走者にアウトが宣告され、他の走者は進塁できない。3)走者のスライディングが極めて悪質な場合は、走者は試合から除かれる場合もある。

3. 捕手または野手が、明らかにボールを持たずに塁線上および塁上に位置して、走者の走路をふさいだ場合は、オブストラクションが厳格に適用される。

なお、捕手または野手が、たとえボールを保持していても、故意に足を塁線上または塁上に置いたり、または脚を横倒しにするなどして塁線上または塁上に置いたりして、走者の走路をふさぐ行為は、大変危険な行為であるから禁止する。同様の行為で送球を待つことも禁止する。このような行為が繰り返されたら、その選手は試合から除かれる場合もある。

ペナルティ:捕手または野手が、明らかにボールを持たずに塁線上および塁上に位置して、走者の走路をふさいだ場合は、オブストラクションが宣告される。(規則7.06a)

捕手または野手がボールを保持していて、上記の行為で走者の走路をふさいだ場合、正規にタッグされればその走者はアウトになるが、審判員は捕手または野手に警告を発する。走者が故意または意図的に乱暴に捕手または野手に接触し、そのためたとえ捕手または野手が落球しても、その走者にはアウトが宣告される。ただちにボールデッドとなり、すべての他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。(規則7.08b)