01反則投球を捕手がキャッチ:1アウト、走者なし、1B-1S。投手が投球動作をスムーズに行わず、段階をつける動作をしたので、投手に反則投球を宣告したが、投手はかまわず投球して捕手がキャッチした。【高校野球】特別規則27(2021年版)
■状況
1アウト、走者無、カウント1B-1S、投手が二段モーション(ノーワインドアップでの中断、自由な足を止める等)で投球して捕手が捕球した。球審はストライクを宣告した。
■審判員アクション
① 反則投球を確認した球審または当該審判員は、投手を右手で指さして(球審は発生のみ)「反則投球」“ That’s an illegal pitch !”
(“Illegal pitch !”) を宣告する。
② 塁審が宣告した場合は、打者が打つかもしれないので、打者に正対す
る。
③ 捕手の捕球を確認したら、宣告した審判員は
球審の場合:『ボール』続いて『タイム』をコールする。
球審以外の場合:大きく前へ出て『タイム』をコールする。
他の審判員も『タイム』を同調する。
④ 宣告した審判員は、投手を右手で指さして「反則投球」“ That’s an illegal pitch !” (“ Illegal pitch !”) を再度宣告する。中断、変更の場合は動作を入れる。
⑤ 球審の場合:公式記録員に向かって左手人差し指を立ててボールをカウントする。
球審以外の場合:球審に向かって左手人差し指を立ててボールをカウントする。
⑤ 球審は続いて、頭上で『ボールカウント2B-1S』を表示する。
■適用規則(2021高校野球特別規則27、5.07(a)1①a2②、6.02a5、6.02b、定義38)
高校野球では反則投球の適用は、次のものとする。
(1) 投手がワインドアップポジション(5.07(a)(1))およびセットポジション (5.07(a)(2))に規定された投球動作に違反して投球した場合 (投球動作をスムーズに行わず、ことさら段階をつける動作も含む)
― 高校野球特別規則27
(2) 投手が投手板に触れないで投げた打者への投球 ― 定義 38
(3) クイックリターンピッチ ― 定義 38
反則投球した場合は、その投球にボールを宣告する。ただし、安打、失策、四 球、死球、その他で一塁に達した場合は除く。
塁に走者がいる場合は、ボークである。 (規則定義38)
6.02b 塁に走者がいないときに、投手が反則投球をした場合には、その投球には、ボールが宣告される。ただし、打者が安打、失策、四球、死球、その他で一塁に達した場合は除く。
【原注】投球動作中に、投手の手からとび出したボールがファウルラインを越えたときだけボールと宣告されるが、その他の場合は、投球とみなされない。塁に走者がいれば、ボールが投手の手から落ちたときただちにボークとなる。
【注】球審は、反則投球に対してボールを宣告したならば、それが反則投球によるものであることを投手に指摘する
■場内または伝令への説明
投手が投球動作中に中断したので投球を『ボール』とします。
タイトル:反則投球の具体的事例7
① ワインドアップポジション
● 振りかぶった両手を頭の上で止める
● 振りかぶった両腕を何度も上下させる
● 両手を振って身体の前方で合わせた後に動作が止まる
● 自由な足を一歩後方に引いた後に動作が止まる
② セットポジション
●完全に動作を静止しない
(アマ野球では走者がいないときでも完全静止が必要)
③ ワインドアップポジションとセットポジションに共通
● 自由な足を上げてから一時的に止める
● 自由な足を上げるとき意図的に段階をつける(2段モーション)
● ボールを投げる直前に、離した投げ手を再びグラブに合わせる (2020年規則改正により規制しないこととなった)