112:5回の表、二塁手Aの打順にBが代打で出場し、内野ゴロを打って3アウ卜になった。監督はBがそのまま二塁に入ると球審に告げたが、なぜかAが二塁の守備についていた。(1)5回の裏、プレイが開始される前に塁審が気づき、球審に指摘した。(2)5回の裏、これにだれも気付かず、投手が1球(ストライク)を投げた後に、相手チームが球審に指摘した。(3)9回の裏、なぜかAが二塁の守備についたが、誰にも指摘されず投手が1球(ストライク)を投げた後、相手チームが球審に指摘した。(1)(2)(3)の措置は?

措置1:球審はAを試合から除き、Bの出場は認められる。
措置2:球審はAを試合から除き、Bも退かせ、代わりの者を二塁につかせる。打者のカウントは1Sから再開される。
措置3:球審はAを試合から除き、Bも退かせ、代わりの者を二塁につかせる。それまでのプレイはすべて有効とされ、打者のカウントは1Sから再開される。

5.10 (d)[原注]:すでに試合から退いているプレーヤーが試合に出場中に起こったプレイは、いずれも有効である。プレーヤーが試合から退いたことを知っていながら再出場したと審判員が判断すれば、審判員は監督を退場させることができる。

この規則は、OBRでは2010年に追加された。日本野球規則委員会では2011年の規則改正の際に、この規則の採用について検討したが、この規則が分かりづらいこと(OBRの “substitute player” と “substituted-for player” の訳し方が難しい)、また、再出場は考えられないことなどから、改正を見送った経緯がある。しかし、アマチュア野球では過去に交代したプレーヤーが再出場して問題となったケースがあり、また、最近になって大学の公式戦で実際に起こったことから、「原文に忠実に」の方針から、2018年に日本の規則書に追加することとされた。なお、“substitute player”を「退いたプレーヤーに代わって出場しているべきプレーヤー」、“substituted-for player”を「すでに試合から退いているプレーヤー」と訳した。

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