183:チップしたボールが、最初に捕手のマスク触れてはね返り、捕手はこれを地面に触れる前に、ミットを胸にかぶせるようにして捕らえた。正規の捕球か?

措置:正規の捕球である。(定義34、5.09 (a)(2)[原注])

2021 年に規則5.09(a)(2)【原注】の後段が改正された。チップしたボールが、最初に捕手の身体または用具に触れて、はね返ったものを捕手が地上に落ちる前に捕球した場合、正規の捕球となった。それまでは、「“最初に捕手の手またはミットに触れてから”身体または用具に当たってはね返ったのを・・・」となっていたので、2020 年までの規則のもとでは、例題のケースは正規の捕球とならず、ファウルボールとされていた。

また、OBR の2020 年の改正で同【原注】第2パラグラフ後半の「また、チップしたボールが、最初に捕手の手またはミットに当たっておれば、捕手が身体または用具に手またはミットをかぶせるように捕球することも許される。」という一文が削除された。日本野球規則委員会は、これはチップしたボールと捕球の関係における規則改正により削除されたものと判断し、「身体または用具に手またはミットをかぶせるように捕球することも許される」という解釈は今までのとおりとしている。

なお、この規則5.09(a)(2)【原注】後段の改正に合わせて、定義34 ファウルチップにおいても同様の改正が行われ、これにより同【注】を削除した。

ところで、例題のケースで、はね返ったボールを投手が地面に落ちる前に捕った場合、正規の捕球となるのだろうか。規則5.09(a)(2)【原注】後段では、「“捕手が”地上に落ちる前に捕球した場合」と書かれているので、チップしてはね返ったボール(投球)を投手や内野手が捕ったとしても正規の捕球とはならない。飛球の場合の規則5.09(a)(1)との違いをよく理解していただきたい。

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