28:ライトゴロをカバーしようとした投手が打者走者を妨害

1、状況:

ライト前にヒット、前進守備をしていた右翼手は打者走者を一塁でアウトにしようと送球した。打者走者は一塁をカバーしようとした投手がファールラインをまたいでファールエリアに出ようとしたので減速してフォースアウトとなった。

2、ポイント:

打者走者が一塁に到達する前に走塁を妨害されるケースは、概して三つのケースがある。ケースによって、必ずしも即座に“タイム”にはならず、また打者走者に一塁が与えられるわけではないということである。

3、ジェスチャー:本事例のケース

① 球審が一塁でのフォースアウトを確認 → 球審は前方に進み出て大きく『タイム』 を宣告し、他の審判員も『タイム』を同調する。

② 球審は妨害した投手を右手で指さし『オブストラクション』“ That’s obstruction !”を宣告する。(1項扱い)

③ 次に打者走者を右手で指さして『打者走者、一塁へ』 “ You, first base!”と指示する。

◇ その他のケース

ケース1:本ケースで右翼手がボールをはじいたため、二塁へ送球した場合

① 球審は投手の走塁妨害を確認 → 球審は妨害した投手を右手で指さし『オブストラクション』“ That’s obstruction !”を宣告する。(2項扱い)(ボールインプレイの状態は続く)

② プレイが一段落した(二塁への送球を野手が確保した) → 打者走者が一塁に到達していない場合、球審は前方に進み出て大きく『タイム』 を宣告し、他の審判員も『タイム』を同調する。

③ 次に打者走者を右手で指さして『打者走者、一塁へ』 “ You, first base!”と指示する。
(他の走者はもしオブストラクションがなかったら達したであろう塁に進塁できる。

ケース2:打者走者が外野へのヒットを打ったときに、一塁に到達する前に走塁を妨げられた。

① 該当審判員は発生した地点を右手でポイントして『オブストラクション』“ That’s obstruction !”を宣告する。(2項扱い)プレイは一段落するまで継続する。

② 該当審判員は前方に進み出て大きく『タイム』 を宣告し、他の審判員も『タイム』を同調する。

③ 必要なら4人で協議しオブストラクションのペナルティの措置をとる。
(飛球が捕らえられたら打者走者はアウトである。もし打球が捕らえられずにフェアとなった場合、打者走者は必ず最低一塁は与えられる。)

ケース3:打者走者が内野へのポップフライまたはライナーを打ったときに、一塁に到達する前に走塁を妨げられた。

オブストラクションが発生した地点をポイントし、審判員は“ザッツ・オブストラクション”とコールする。しかし、ボールはインプレイの状態に置く。もしポップフライまたはライナーが捕らえられれば打者走者はアウトになる。しかし、それを落とした場合(フェアボール)かつこのときまだ打者走者が一塁に達していなかった場合は、“タイム”がコールされ、打者走者には一塁が与えられる(6.01h1)。他の走者はもしオブストラクションがなかったら達したであろう塁に進塁できる。一方、飛球を落としたとき、打者走者が明らかに一塁ベースに到達するか、回っていた場合、プレイはそのまま続けられ、プレイが一段落してから必要ならオブストラクションを取り除く措置がとられる(このケースは、(2)項に該当する)。

4、適用規則:オブストラクション【6.01h1】

走塁を妨げられた走者に対してプレイが行なわれている場合、または打者走者が一塁に触れる前にその走塁を妨げられた場合には、ボールデッドとし、塁上の各走者はオブストラクションがなければ達しただろうと審判員が推定する塁まで、アウトのおそれなく進塁することが許される。

5、場内または伝令への説明

   打者走者の一塁への走塁を投手が妨害したのでオブストラクションを適用し打者走者に一塁を与えます。

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