90:走者一塁、ヒットエンドラン。打者が一塁頭上にフライを打ち上げた。しかし、一塁手はこれを落球、たまたま一塁ベースを回って目の前に走ってきた打者走者に触球してアウト。このとき、一塁走者はフライが捕られると思い、二塁ベース近くまで来ていたのを慌てて一塁へ戻りかけたが、一塁手が落としたため、再び二塁ベースに向かおうとして一・二塁間にいた。一塁走者の二塁でのプレイはフォースプレイか。

類似例:同じようなケースで、打者が今度は外野飛球を打ち上げた。捕球されそうなので、一塁走者は一塁ベースの方へ戻っていた。しかし、外野手はその飛球を落としてしまった。このとき、打者走者は一塁を回って打球を見ていた一塁走者を追い越してしまい、追い越しアウトとなってしまった。一塁走者の二塁でのプレイは?

措置:シンプルに言えば、打者走者がアウトになった時点ですべての走者のフォースの状態は消えるわけである。ただし、フォースの状態で走者が塁を空過した場合は、後位の走者がアウトになっても、フォースの状態は残る。(5.09 (b)(6))

この二つの例は、いずれも後位の走者がフォースプレイでアウトになったわけではないので前位の走者のフォースの状態は消えず、フォースの状態が残っているのかという疑問が生じる。しかし、野球の常識からいって、どうみても一塁走者の二塁でのプレイはフォースプレイではない。理論的には次のように解釈する。

「後位の走者がアウト(アウトの性質を問わず)になった時点で、フォースの状態で追い出された前位の走者が進むベき次の塁に到達していない場合でも、前位の走者には進塁の義務がなくなるから前位の走者のフォースの状態は消え、その走者は触球されなければアウトにならない。」

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