8.00 審判員
解説 審判という仕事 The Job of an umpire
第3版解説 野球審判員の心得
第3版解説 野球審判員の仕事
第3版解説 試合前・試合後のミーティングの重要性
第3版解説 野球審判員の基本
第3版解説 野球審判員の態度
第3版解説 審判クルーの協議
第3版解説 ハーフスイング 2015規則改正に伴う追加2016条文変更>
第3版解説 審判の「べからず」集
補足 第3版解説 野球規則の変遷
第3版解説 アンリトゥン・ルール

8.01 審判員の資格と権限
8.02 審判員の裁定
8.03 球審および塁審の任務
8.04 審判員の報告義務
審判員に対する一般指示

8.01 審判員の資格と権限<9.01>

(a) リーグ会長は、1名以上の審判員を指名して、各リーグの選手権試合を主宰させる。
審判員は、本公認規則に基づいて、試合を主宰するとともに、試合中、競技場における規律と秩序とを維持する責にも任ずる。

<解説 審判という仕事 The Job of an umpireより>

変遷

・1876年、ビジターから審判の候補を5人あげ、ホームチームが2人選び、ビジターがその内の1人に要請していました。
・1877年、リーグが各都市に3人の審判を指名し、ビジターがその内の1人を選んでいました。
・1879年、両チームの同意により審判が選出されていました。
・1883年、シーズン前のリーグの会議により、審判員が選出され、5月~10月まで契約し、$1,000が支給されました。審判はこの時点では、リーグの書記長の直属に置かれていました。
・1908年、ワールドシリーズで2人制、レギュラーシーズンは1人制
・1909年、ワールドシリーズで4人制
・1911年、レギュラーシーズンより2人制
・1934年より、メジャーリーグでは3人制
・1939年、ワールドシリーズで6人が割り当てられ、4人制、2人は控え
・1947年、6人制導入
・1953年、レギュラーシーズンで4人制導入
・1956年度版のルールブックに初めて、今日の8.01aの原文が制定されました。

(b) 各審判員は、リーグおよびプロフェッショナルベースボールの代表者であり、本規則を厳格に適用する権限を持つとともに、その責にも任ずる。審判員は、プレーヤー、コーチ、監督のみならず、クラブ役職員、従業員でも、本規則の施行上、必要があるときには、その所定の任務を行なわせ、支障のあるときには、その行動を差し控えさせることを命じる権限と、規則違反があれば、規定のペナルティを科す権限とを持つ。

変遷

・1904年、ルールブックに審判はリーグの代表者であり、規則を厳格に適用する権限を持つことが明記されました。
・1950年以前は審判が罰金を科す権限を持っていました。
・1950年に、リーグの会長だけが罰金を科すようになりました。

◆メジャーリーグでは、リーグ指示で、選手会合意の下、選手が道具を投げつけて審判を侮辱するような行為に対し、審判の判断で罰金を科すようになっています。実際は、審判がこのような行為に対してレポートを提出し、リーグ会長が最終決定するようになっています。これが通知された後、選手は長期にわたる出場停止を科せられます。

(c) 審判員は、本規則に明確に規定されていない事項に関しては、自己の裁量に基づいて、裁定を下す権能が与えられている。

変遷

・1954年に制定されました。
・今日でも、ルールブックには明記されていないプレイが起こりうる可能性は多々あります。本文はこのような事態に対して、審判の裁量に基づいて、裁定を下す権能が与えられ、それが絶対であることを明記しています。

(d) 審判員は、プレーヤー、コーチ、監督または控えのプレーヤーが裁定に異議を唱えたり、スポーツマンらしくない言動をとった場合には、その出場資格を奪って、試合から除く権限を持つ。審判員がボールインプレイのとき、プレーヤーの出場資格を奪った場合には、そのプレイが終了して、初めてその効力が発生する。

変遷

・このルールは、少年少女のファンや女性にもっと魅力のあるゲームを観戦してもらうために、非難すべき行為や暴言などに対し、選手から出場資格を奪うことを目的に制定されました。
・1896年のルールブックに明記され、1957年には、そのプレーヤーの出場資格を奪った場合がボールインプレイのときには、そのプレイが終了してはじめてその効力が発生すると付け加えられました。

(e) 審判員は、その判断において、必要とあれば、次の人々を競技場から退場させる権限を持つ。すなわち、

(1) グラウンド整備員、案内人、写真班、新聞記者、放送局員などのように、仕事の性質上、競技場に入ることを許されている人々。

(2) 競技場に入ることを許されていない観衆またはその他の人々。

変遷

・ルールブック6.01d【原注】, 4.07bも関連しています。4.07bにある義務は1880年のナショナルリーグの協定書より、1881年のルールブックへと移されました。
・1957年、選手意外のグラウンドにいる許可された人々の扱いについて定められました。

8.02 審判員の裁定<9.02>

(a) 打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいは走者がアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるから、プレーヤー、監督、コーチ、または控えのプレーヤーが、その裁定に対して、異議を唱えることは許されない。

【原注】 ボール、ストライクの判定について異議を唱えるためにプレーヤーが守備位置または塁を離れたり、監督またはコーチがベンチまたはコーチスボックスを離れることは許されない。もし、宣告に異議を唱えるために本塁に向かってスタートすれば、警告が発せられる。警告にもかかわらず本塁に近づけば、試合から除かれる。

変遷

  • 初期のプロ野球のルールでは、チームのキャプテンだけがルールの解釈に関して審判に問い合わすことが許されていました。
  • 1933年のルールでは8.01(a)に述べられていることを前提に、フェア/ファウル、ストライク/ボール、アウト/セーフなどのジャッジに関する決定に対して、アピールは許されないことが載せられました。
  • 1976年には2つの改正が行われました。 (1)原注の導入で、ストライク/ボールの判定に対してポジションを離れることを厳しく禁止する。(2)球審が“ボール”の判定した後に、キャッチャーか守備側のチームの監督が、ハーフスイングに対してパートナーにアドバイスを受けるよう球審に要請することができる。 野球の試合の目立った特徴の1つに口論の激増があります。他のプロスポーツを見てみると、アメリカンフットボールでは“スポーツマンらしくない行為”に対してのペナルティがあり、バスケットボールでは、“テクニカルファウル”、アイスホッケーには“ペナルティボックス”などがあります。野球には審判に対する違法行為に、このような中間のペナルティは存在しません。“退場”という重いペナルティによる試合進行が、ルールによって野球の審判に唯一与えたものです。従って、判定へのわずかな異義は許容範囲とし、議論の余地があるプレイでは話し合いを許している現状が問われます。

(b) 審判員の裁定が規則の適用を誤って下された疑いがあるときには、監督だけがその裁定を規則に基づく正しい裁定に訂正するように要請することができる。
しかし、監督はこのような裁定を下した審判員に対してだけアピールする(規則適用の訂正を申し出る)ことが許される。

【注1】 イニングの表または裏が終わったときは、投手および内野手がフェア地域を去るまでにアピールしなければならない。

【注2】 審判員が、規則に反した裁定を下したにもかかわらず、アピールもなく、定められた期間が過ぎてしまったあとでは、たとえ審判員が、その誤りに気づいても、その裁定を訂正することはできない。

変遷

  • 1800年代では、キャプテンだけが審判に問うことを許していました。違反者は審判によって罰金を科せられていました。
  • 1897年には、ルールの適用が誤っているときだけ、キャプテンが主張することを認めました。
  • 1900年初期に2人制が導入され、確立したころには、ルールの適用に疑いがあるときだけ、キャプテンがアピールする前に他の審判に聞くことを許していました。

(c) 審判員が、その裁定に対してアピールを受けた場合は、最終の裁定を下すにあたって、他の審判員の意見を求めることはできる。裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除いて、審判員は、他の審判員の裁定に対して、批評を加えたり、変更を求めたり、異議を唱えたりすることは許されない。
審判員が協議して先に下した裁定を変更する場合、審判員は、走者をどこまで進めるかを含め、すべての処置をする権限を有する。この審判員の裁定に、プレイ一ヤー、監督またはコーチは異議を唱えることはできない。異議を唱えれば、試合から除かれる。

【原注1】 監督は、審判員にプレイおよび裁定を変更した理由について説明を求めることはできる。しかし、いったん審判員の説明を受ければ、審判員に異議を唱えることは許されない。

【原注2】 ハーフスイングの際、球審がストライクと宣告しなかったときだけ、監督または捕手は、振ったか否かについて、塁審のアドバイスを受けるよう球審に要請することができる。球審は、このような要請があれば、塁審にその裁定を一任しなければならない。
塁審は、球審からの要請があれば、ただちに裁定を下す。このようにして下された塁審の裁定は最終のものである。
監督または捕手からの要請は、投手が打者へ次の1球を投じるまで、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに行なわなければならない。イニングの表または裏が終わったときの要請は、守備側チームのすべての内野手がフェア地域を去るまでに行なわなければならない。
ハーフスイングについて、監督または捕手が前記の要請を行なってもボールインプレイであり、塁審がストライクの裁定に変更する場合があるから、打者、走者、野手を問わず、状況の変化に対応できるよう常に注意していなければならない。
監督が、ハーフスイングに異議を唱えるためにダッグアウトから出て一塁または三塁に向かってスタートすれば警告が発せられる。警告にもかかわらず一塁または三塁に近づけば試合から除かれる。監督はハーフスイングに関して異議を唱えるためにダッグアウトを離れたつもりでも、ボール、ストライクの宣告について異議を唱えるためにダッグアウトを離れたことになるからである。

第3版解説 審判クルーの協議 より>

審判員にとって最も大事なことは正しい判定をすることである。審判員の権威も大事だが、それにも増して重要なのはプレイを正しく判定することである。それには普段から基本を常に意識して練習あるいは試合に臨む姿勢が大事である。

審判員の視界が遮られたり、またポジショニングが悪くてプレイの肝心なところが見えなかった場合、また判定および規則の適用に疑念が生じた場合には、踏躇せずに同僚の意見を聞くべきである。

ただし、確信がなければ、同僚の審判員全員に聞くこともよいが、これもあまり度を越すようなことがあってはならない。

協議を長引かせることでいたずらに試合を停滞させてはならない。試合は、しばしば審判員の活気ある真剣な運びによって、より以上の効果をもたらすものである。

規則書の「審判員に対する一般指示」にあるとおり、審判員にとって最も大事な掟は、“あらゆるプレイについて最もよい位置をとれ”ということである。

例題:走者一塁で、打者のボールカウントが3ボール1ストライクのとき、盗塁をした。投球はボールだった(四球)が、捕手は二塁に送球し、二塁塁審は誤ってアウトを宣告してしまった。そのため、走者はアウトと思って、塁を離れてしまい、ふたたび野手にタッグされた。

―――走者は、審判員がアウトを宣告したので塁を離れたわけだから、走者は二塁ベースに戻すべきである。これは正すことのできる審判員のエラーである。

ただし、大前提として、規則8.02(c)のとおり、「裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除いて、審判員は、他の審判員の裁定に対して、批評を加えたり、変更を求めたり、異議を唱えたりすることは許されない。」

明らかに間違った裁定を下した審判員に対し、協議を勧める場合、「協議した方がいい」というサイン(その審判員に近づいていく、目立たない手の動作など)を、試合前に確認しておく必要がある。しかし、いうまでもなく、裁定を変えるかどうかの最終判断は、裁定を下した審判員にある。

第3版解説 ハーフスイング より 2015規則改正に伴う追加2016条文変更

ハーフスイングの際、球審がボールと判定したとき、監督または捕手は振ったか否かについて、塁審のアドバイスを受けるよう球審に要請することができる。(8.02(c)[原注2])

また、ハーフスイングのアピールは、ボールの判定のときだけ可能であり、チェックスイング(ハーフスイングを塁審に聞くこと)は、要請があったときだけと規定されている。

チェックスイングのジェスチャーは、球審は一塁または三塁の方向に1~2歩踏み出して、左手で振ったかどうかを塁審に聞く、このジェスチャーは、アピールとストライクの混同を避ける意味がある。

公認野球規則では、球審は、監督または捕手から要請があれば塁審に聞かねばならない。捕手が一塁または三塁の塁審に対して直接指差してリクエストすることはできない。

バントは定義上スイングではない、となっているが、アマチュア野球では、バントのときでもハーフスイングのときと同様、球審は塁審にアドバイスを求めることができる。

2015年度の改正で8.02(c)[原注2]の3段目に、次が追加になった。「監督または捕手からの要請は、投手が打者へ次の1球を投じるまで、またはたとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに行わなければならない。イニングの表または裏が終わったときの要請は、守備側チームのすべての内野手がフェア地域を去るまでに行わなければならない。」

ハーフスイングの要請の期限を、アピールの規定に合わせて明記した。なお、投球に続いて、たとえば、捕手が盗塁を刺そうとして二塁に送球したとか、あるいは飛び出した走者を刺そうとして塁に送球するプレイは、投球に続く一連のプレイだからアピール消滅のプレイには当たらず、その直後にチェックスイングの要請をすることは可能である。しかし、ボールが一旦投手のもとに戻り、投手がプレイをしてしまうなど、アピール権が消滅するような状況になれば、もうチェックスイングの要請はできない。

変遷

  • 1876年の原本には、審判が捕球したかどうかを決定するために傍観者に問い合わすことを許していました。
  • 1881年にルールが書き替えられるまで、このシステムは続けられました。その後の要求は、審判は選手の証言や、傍観者の助言によって、判定を覆すことを許さないように定められました。
  • 1900年初期の2人制が確立され、認識され始めたころ、審判は裁定に対して監督やキャプテンのアピールを受けた場合、他の審判員の意見を求めることができるようになりました。  

(d) 試合中、審判員の変更は認められない。ただし、病気または負傷のため、変更の必要が生じた場合はこの限りではない。
<9.03a>1人の審判員だけで試合を担当する場合には、その義務と権限は、競技場のあらゆる点、本規則のあらゆる条項に及び、その任務の遂行上、競技場内の最適と思われる場所に位置をとらなければならない。(通常は捕手の後方に、走者がいる場合は、ときとして投手の後方に位置をとる)

変遷

  • 1876年の原本では、試合中の審判員の変更は認められませんが、病気または負傷のためか、両軍のキャプテンの承諾によってのみ、変更が認められました。
  • 1883年にリーグスタッフシステムが確立されるまで、ビジティングチームが審判を雇う義務がありました。これはホームチームに有利な判定をさせないためです。

(e)<9.03b>2人以上の審判員が試合を担当する場合は、1人はアンパイヤーインチーフ(球審)に、他はフィールドアンパイヤー(塁審)に指定されなければならない。

変遷

  • 1876年のオリジナルメジャーリーグ規則には、審判はボールインプレイ中はインフィールドに入ることを禁じられていました。
  • 1888年、現在でもいくつかのアマチュアで行われている単独審判制を、プロ野球審判が新しいシステムとして導入しました。 走者がいない場合・・・キャッチャーの後ろに位置し、ストライク、ボールを判定する。 走者がいる場合・・・・ピッチャーの後方に移動する。この位置より、ストライクゾーンを確認し、塁上でのプレイに備える。
  • 1903年には、単独審判制で、全てのルールを執行する義務、権限を与え、それらを遂行する上で必要なすべての位置を占有することを認めました。
  • 1904年、初めて公式に複数審判制についても、権力と義務について認めました。 この規約によると、“2人の審判が割り当てられた試合では、アシスタントアンパイヤーは全ての1塁、2塁でのプレイを担当する”とあります。
  • 1900年初期に2人制が公式に定められました。(1911年ごろ) メジャーリーグで3人制が採用される1933年には、“ ストライク、ボール” を判定するのはアンパイヤーインチーフ、他の審判をフィールドアンパイヤーと称されました。これは今日のルールブックで使われている用語です。

8.03 球審および塁審の任務<9.04>

(a) アンパイヤーインチーフ(通常球審と呼ばれている)は、捕手の後方に位置し、その任務は次のとおりである。

(1) 試合の適正な運行に関するすべての権限と義務とを持つ。

(2) 捕手の後方に位置し、ボールとストライクを宣告し、かつそれをカウントする。

(3) 通常塁審によって宣告される場合を除いて、フェアボールとファウルボールを宣告する。

(4) 打者に関するすべての裁定を下す。

(5) 通常塁審が行なうものとされているものを除いたすべての裁定を下す。

(6) フォーフィッテッドゲームの裁定を下す。

(7) 特定の時刻に競技を打ち切ることが決められている場合には、試合開始前にその事実と終了時刻を公表する。

(8) 公式記録員に打撃順を知らせる。また出場プレーヤーに変更があれば、その変更を知らせる。

(9) 球審の判断で特別グラウンドルールを発表する。

(b) フィールドアンパイヤーは、塁におけるとっさの裁定を下すのに最適と思われる位置を占め、その任務は次のとおりである。

(1) 特に球審が行なう場合を除く塁におけるすべての裁定を下す。

(2) タイム、ボーク、反則投球またはプレーヤーによるボールの損傷・汚色の宣告について、球審と同等の権限を持つ。

(3) この規則を施行するにあたって、あらゆる方法で球審を援助し、規則の施行と規律の維持については、球審と同等の権限を持つ。ただし、フォーフィッテッドゲームの宣告はできない。

変遷

  • 1898年、複数審判制を実行するにあたって、単独審判制が行われていたとき以上の準備を整えました。2人制が割り当てられた試合で、それぞれの審判の役割の細部について述べています。“アンパイヤー”はキャッチャーの後、“アシスタントアンパイヤー”は1塁、2塁、3塁の近くに位置する。この取り決めは試合中での“任務の変更”を禁じるものです。 1898年のルールでは、他に走者がいるとき、アシスタントアンパイヤーの責任は3塁以外の全てのプレイとしています。こうすることにより“アンパイヤー(アシスタントではない)”は全ての3塁上でのプレイに責任を負うことになりました。
  • 1910年、組織的な図表と今日のルールで普及している責任の分割が制定されました。
  • 1957年、ラインアップを公式記録員に伝えること、また変更を要求されたときには、それを知らせるのが球審の役目となりました
  • 1976年、ハーフスイングに対して、守備側の監督、キャッチャーに要請されれば、アドバイスを受けるようになりました。これは元来プレートアンパイヤーが“打者に関する全てを決定する”権限を与えた8.03 (a)(4)を修正したものです。

 

  • クルーチーフ(球審ではなく)にはフォーフェィテッドゲームに関する唯一の決定権があります。8.03 (a)(6)

(c) 一つのプレイに対して、2人以上の審判員が裁定を下し、しかもその裁定が食い違っていた場合には、球審は審判員を集めて協議し(監督、プレーヤーをまじえず、審判員だけで)、その結果、通常球審(または、このような場合には球審に代わって解決にあたるようにリーグ会長から選任された審判員)が、最適の位置から見たのはどの審判員であったか、またどの審判員の裁定が正しかったかなどを参酌して、どの裁定をとるかを決定する。
このようにして、決定された裁定は最終のものであり、初めから一つの裁定が下された場合と同様に、試合は続行されなければならない。

変遷

  • 1957年に初めて、同一プレイで判定が食い違う場合について制定されました。クルーチーフは全ての審判と協議してどちらの判定をとるかを決定する義務があります。この裁定が優先し、ジャッジによるものなので、提訴は許されません。  

最終決定がどちらのチームからも影響されないように、両軍のメンバーから離れて協議されなければならず、迅速に決定しなければなりません。

8.04 審判員の報告の義務<9.05>

(a) 審判員は、すべての規則違反またはその他の報告しなければならない出来事を、試合終了後、12時間以内にリーグ会長まで報告する義務がある。ただし、監督またはプレーヤーを退場させた試合には、その理由を付記することを必要とする。

変遷

  • 1887年、審判は規則違反、罰金を24時間以内にリーグの会長に届けることが定めら れました。 審判がこれを怠った場合には、罰金の分だけ審判の給料から差し引かれました。
  • 1899年、選手が罰金を科せられたり、試合から退かれたりした件の各詳細を12時間以内に報告するように要請されました。

プロ野球の審判は試合終了後直ちに手書きの報告書をリーグ会長に報告します。目に余るような反則や、試合停止に値するような場合はできるだけ早くリーグ会長に報告しなければならなりません。(電話かFAX) リーグ会長がそれぞれの報道陣やチームと接するときには、審判の報告書を備えていることが重要です。

(b) 審判員がトレーナー、監督、コーチまたはプレーヤーを次の理由で退場させた場合には、審判員はその詳細を4時間以内にリーグ会長に報告する義務がある。
すなわち、これらの人々が、審判員、トレーナー、監督、コーチまたはプレーヤーに、野卑不作法な言を用いて黙過できない侮辱を加えたためか、暴力を働いたことが退場理由となった場合がそれである。

変遷

  • 1899年公式規則に目に余るような反則に対して報告義務4時間以内の時間制限を設けました。

リーグ会長が迅速な処置で重大な問題を処理するためには、審判はできるだけ早く報告し、会長に伝えることが不可欠です。 目に余るような侮辱、言動、暴力行為に対しては直ちに報告し、十分な法的根拠を示さなければなりません。

(c) リーグ会長は、審判員から、監督、コーチ、トレーナー、プレーヤーを退場させた旨の報告を受けたならば、ただちに自己の判断で適当と思われる制裁を科し、その旨を当事者ならびにその所属クラブの代表者に通告しなければならない。
制裁金を科せられた当事者が、通告後5日以内に、リーグ事務局長にその総額を支払わなかった場合には、支払いが完了するまで、試合に出場することもベンチに座ることも禁止される。

変遷

  • 1950年までは審判が罰金を科す権限をもっていました。
  • 1950年の新しいルールで審判は罰金を科す権限を持たなくなりました。しかしながら、退場させて出場資格を奪う権限はあります。このルールでは、全ての退場に関する報告を義務づけ、リーグ会長が、審判のジャッジの正当性を主張するために、罰金を科すよう定めました。プロ野球の審判はすべての退場に値する出来事、詳細を正確に報告するように指示されています。ペナルティを科すかどうかはリーグ会長に委ねられます。

審判員に対する一般指示

審判員は、競技場においては、プレーヤーと私語を交わすことなく、またコーチスボックスの中に入ったり、任務中のコーチに話しかけるようなことをしてはならない。

制服は常に清潔を保ち、しかも正しく着用し、競技場においては、積極的に機敏な動作をとらなければならない。

クラブ役職員に対しては常に礼儀を重んずる必要はあるが、クラブ事務所を訪ねたり、特にあるクラブの役職員と親しくするようなことは避けなければならない。

審判員が競技場に入れば、ただその試合の代表者として試合を審判することだけに専念しなければならない。

提訴試合にもなりかねないほどの悪い事態が起こった場合、その事態の解決を回避したという非難を受けるようなことがあってはならない。常に規則書を携行し、紛糾した問題を解決するにあたっては、たとえ10分間試合を停止することがあっても、よく規則書を調べ、その解決に万全を期して、その試合を提訴試合あるいは再試合にしないように努めなければならない。

試合を停滞させてはならない。試合は、しばしば審判員の活気ある真剣な運びによって、より以上の効果をもたらすものである。

審判員は、競技場における唯一の代表者であって、強い忍耐と、よりよい判断とを必要とするようなつらい立場におかれることがしばしば起こるが、悪い事態に対処するにあたっては、感情を棄てて自制することが、いちばん大切なことである。

審判員は自己の決定について、誤りを犯しているのではないかと疑うようなことがあってはならないし、また、たとえ誤りを犯したとしても、埋め合わせをしようとしてはならない。すべて見たままに基づいて判定を下し、ホームチームとビジティングチームとに差別をつけるようなことがあってはならない。

試合進行中はボールから目を離してはならない。走者が塁を踏んだかどうかを知ることも大切ではあるが、飛球の落ちた地点を見定めたり、送球の行方を最後まで見きわめることがより重要なことである。プレイの判定を下すにあたっては、早まることなく、正確を期さなければならず、野手がダブルプレイをなしとげるために送球する場合にも、あまり早く向きを変えてはいけない。アウトを宣告した後、一応落球の有無を確かめる必要がある。

走りながら〝セーフ〟〝アウト〟の宣告の動作をすることなく、そのプレイが終わるのを待って、宣告を下さなければならない。

各審判員は簡単な1組のサインを用意しておく必要がある。これによって、自己のエラーを悟れば、その明らかに間違った決定を正すことができる。〝プレイを正しく見た〟という確信があれば、〝他の審判員に聞け〟というプレーヤーの要求に従う必要はない。確信がなければ、同僚の1人に聞くこともよいが、これもあまり度を越すようなことなく、機敏にプレイを十分に把握して審判しなければならない。しかしながら、正しい判定を下すことが第1の要諦であることを忘れてはならない。疑念のあるときは、ちゅうちょせず同僚と協議しなければならない。審判員が威厳を保つことはもちろん大切であるが、〝正確である〟ということがより重要なことである。

審判員にとって最も大切な掟は、〝あらゆるプレイについて最もよい位置をとれ〟ということである。

たとえ判定が完璧であっても、審判員の位置が、そのプレイをはっきりと明確に見ることができる地点でなかったとプレーヤーが感じたときは、しばしば、その判定に異議を唱えるものである。

最後に、審判員は礼儀を重んじ、しかも公平にして厳格でなければならない。そうすれば、すべての人々から尊敬される。

解説 審判という仕事 The Job of an umpireより>

公認野球規則の8.00に審判員が明記されています。あなたが審判を目指すのなら、8.00 審判員から読むことをお勧めます。

審判はグランドでは唯一の代表者であり、試合進行に関する全ての権限と義務を持つものであります。したがって立場をよく理解し、プレーヤーと私語を交すことはもちろん、コーチにも話しかけるようなことをしてはなりません。

協会あるいは連盟の代行者であることを理解し、強い精神、忍耐、心を持ち、私的感情を棄て、公正、厳格、平静を保つよう努めています。

自己の判定に関しては信念を持ち、審判員同士では助け会う精神を大切にしています。日々努力、研究、反省し、お互いが尊敬、信頼できる関係を築くようにしなくてはなりません。仲間から信頼されなければ、グランドでも監督、コーチ、選手との信頼関係は築けません。

審判は常に正確であることを求められます。ミスは許されません。明確なジェスチャーによる正確なジャッジを目指し、常にハッスルする心がけが最低条件です。

ルールを熟知することは自己防衛、つまり武装することであり、正しく理解、解釈することは最大の武器となります。

権力とは審判員という地位についてきますが、権威とは各審判員の人格に結びついたものです。その人格とは実績、見識、能力、人間的魅力などです。

権力はごまかせても権威はごまかせません。

変遷

  • 1950年の改正の直後、審判員に対する一般指示が加えられました。
  • 記録によると、1955年のルールブックに現行と同様の文章が使われています。 試合そのものはいろいろな変化を遂げ、審判に対する教育課程は大いに進展しましたが、このような基本的な指示は変わっていません。しかしながら、これらの意味自体は再検討することが必要です。
  • 1876年、審判はキャプテン以外のどの選手とも会話することを禁じられていました。この場合のキャプテンもルールの適用に関する疑問があるときだけに限定されていました。
  • 1883年、審判に給料が支払われるようになると、各審判の職務の遂行、制服(ユニフォーム)などリーグが保証するものとなりました。

1、ボールから決して目を離してはならない。
特に単独審判制を意図していますが、これは現在でも一番重要なことです。複数審判制においては、各審判にはそれぞれ役割分担があます。審判同士の協力で動く場合、少なくとも一人はボールから目を離してはなりません。 単独審判制では、走路を妨害したり、離塁が早かったり、走者のベルトを引っぱったり、近道したり、様々な反則行為が頻繁に行われていました。このようなゲームのイメージを認識することにより、複数審判制の必要性が強調されました。

2、あまり早くコールしてはならない。
タイミングは全ての熟練した審判が身に付けなくてはならない技能です。 1800年代後期の最も初期の規則では、審判が“ アンフェアーボール”(現在の“ ボール”)と宣言しても、その後その投球を打者が打てば、審判のコールは無視されて、プレイは続くと明細に記されています。これは初期の審判がタイミングの重要性を認識していなかった明確な証拠です。
一般指示では更にダブルプレイでのピボットから早く目を切らないことや、キャッチ、タッグでのコール、“ アウト” “ セーフ”をジャッジするときは静止することなどを忠告しています。これらの忠告はジャッジを決める前に、プレイが完了しているのを確かめる必要性があることを示しています。正しい目の使い方は正しいタイミングにつながり、最も重要
なことです

3、すべてのプレイが見える位置をとる
いい位置がとれることと、いいタイミングは正確なジャッジにつながります。審判にとって最も優先されることはプレイがよく見える位置をとることです。例えばタッグプレイでは近くで、フォースプレイでは送球に対して90°をとり、少し離れて見ることなどです。

4、すべての人々から尊敬される。
尊敬されるということは、フィールドで歩く姿、日頃の努力、精力的な動きなどから得られるものです。審判は疑いのない誠実さ、決して“ 埋め合わせ”をしない、不公平を感じさせない、選手や球団関係者と親密な関係にならないことなどによって敬意を得られます。審判は辛抱強さと優れた判断力が、試合で最も過酷な問題を解決させてくれます。

5、人間であり、間違うこともあることを認識する。
失敗から学び、常に平静さを保たなければなりません。他人に対して自分の基準を下げたり、自分自身が落ち着きを失ったりすることは、最善の努力をする上で逆効果になります。

6、仲間として協力する。
今日の審判はお互いに助け合うために、こそこそした“ 秘密”のサインなどは使いません。現在普及している複数審判制においては、それぞれが特定された責任を請け負います。他の審判からのアシストは、当該審判がプレイのすべての要素を見る上で視界をさえぎられて、正確な判定ができないなどの理由があるとき以外は受けません。アシストを求めることは最小限に押さえるべきで、それは審判の信頼性を崩し、複数審判制の有効性を否定することになるからです。
審判は提訴を受け入れる前に必ず協議しなくてはなりません。どのような状態でもパートナーのうちの1人がルールの適用を怠ったと察したときは、“ タイムを”かけ、話し合いを持つように強要すべきです。

第3版解説 野球審判員の心得より

審判員が野球規則に精通する、それは言うまでもない。その上で、審判員の大事な仕事の一つは、プレイを正しく判定するということである。そのために、試合、審判講習会等を通じ、審判技術の向上に常に努めていかねばならない。審判技術に終点はない。完壁はない。どこまで行っても、何年やっても、勉強、勉強、そして基本の反復練習である。

規則書の「審判員に対する一般指示」の中で、次のように言われている。

「審判員は礼儀を重んじ、しかも公平にして厳格でなければならない。そうすれば、すべての人々から尊敬される。」、また、規則を良く知り、審判員にとって最も大切な掟である、“あらゆるプレイについて最もよい位置をとれ”と。

このことを常に頭に置いて、リスペクトされる審判員を目指してほしい。

以上のことは私たちの社会生活においても求められることである。リスペクトされるにはグラウンド上だけでなく、グラウンドを離れても、法規則、社会規範を守り、良き社会人、良き指導者として普段から行動していかねばならない。

もう一つ大事なのは、やはり「審判が好きになる」こと。

第3版解説 野球審判員の仕事より>

審判員としての仕事は大きく分けて次の二つである。

1)プレイに対するJudgment

2)GameManagement

ひとたび試合が始まれば、すべてのプレイについて、また試合の完了、トラブル、試合の進行、大会規則の遵守等について、責任を持って“裁判官”としてその試合を裁いていかねばならない。

その際、これらに共通するキーワードは、

・ルールを守る

・フェア

・正しく

・スピーディー

・マネージメント(試合のコントロール、トラブルの処理、抗議の処理、悪天候の対処、突発事故の対処など)である。

第3版解説 試合前・試合後のミーティングの重要性より>

■試合前ミーティング■

通常、審判員は試合の最低1時間前には球場に到着し、試合球の準備(必要なら)、ウォームアップなどをすると同時に、クルー間で次の点を確認しておく。

この試合前のミーティングは大変重要なので必ず励行しなければならない。

・基本的なルールの確認

・クルー間の約束事の確認

・試合への集中力の高揚

・選手登録の確認―― 球審

・グラウンドルールの確認

■試合終了後の反省■

試合終了後は、その日の試合で感じたこと、起きたこと等、お互いが率直に相互研鑽のため忌憚なく技術上の意見交換をすることが大きな意味を持つ。こんなことをいうと相手を傷つけるのではと思ったり、あるいは傷を舐めあって「(まずいプレイがあっても)良かったよ」とほめて、陰ではけなすというのは好ましいことではなく、審判技術の向上にはつながっていかない。もちろん、相手の人格を傷つけるような発言、一方的に叱り付けるような言い方は避けねばならず、注意の仕方、誉め方にも工夫が必要である。また、注意される方も謙虚に耳を傾ける姿勢でなければならない。大事なのは、正しい判定をする上で、「もっといい位置はなかったか、もっといい動きはできなかったか、もっといい裁きはできなかったか」を常に追求することである。

 

第3版解説 野球審判員の基本より>

「審判メカニクスハンドブック」(第4版)(全日本野球会議・審判技術委員会編集)、都道府県審判指導員マニュアル、審判員講習会マニュアルおよびキャンプゲームマニュアル(アマチュア野球規則委員会編)をアマチュア野球統一の基本とする。

 第3版解説 野球審判員の態度より>

1)グラウンド上での態度

審判員は、グラウンド上でプロフェッショナルとして、ハッスル、集中かつ細心に、そして自信を持った振る舞いをしなければならない。

2)健康維持

審判員は、試合に耐え得る体力と、集中力を維持できるよう、日ごろから健康管理に努めなければいけない。

3)チームワーク

試合は、4人の審判員個人単位ではなく、クルーによって運営される。審判員はチームとして試合に臨み、またコミュニケートすべきであり、常にグラウンド上ではお互いを助け合い、サポートしなければならない。

4)姿勢

グラウンド上では、ユニフォームをきちんと着用し、姿勢は背筋を伸ばして構え、そして走るときはきびきびと動くよう努めねばならない。

5)規則に精通

平素から野球規則書に慣れ親しみ、規則の勉強を怠らず、また試合、審判講習会等を通じ、理解を深めていくことが大事である。

第3版解説 審判の「べからず」集 より>

 1949年、ビル・マクゴワンの審判学校で使用された教科書に掲載されている「審判の『べからず』集」を参考までに紹介する。今でも十分通用する内容で、審判の基本はいつの時代も変わらないことを感じさせ、実に興味深い。

1.  ボールから目を離すな
2.  野球に絶対はない
3.  早すぎるタイミングで判定をするな
4.  自分の判定を説明するな
5.  選手や監督と言い争うな
6.  挑発的な態度は禁物だ
7.  トラブルを招くな
8.  にやにやするな
9.  選手にケンカを売るな
10. ファンに言い返すな
11. 同僚の判定に口を出すな
12. 根に持つな
13. コーチに判定させるな
14. 投手がプレートを踏んだら絶対に目を離すな
15. グラウンド上ではおどけるな
16. 早すぎるタイミングでプレイから目を離すな
17. 注目を引きすぎるな
18. 防具は正しく付けろ
19. 選手やコーチと雑談するな
20. 余裕を持った立ち位置を確保しろ
21. 動きながらの判定は禁物だ
22. 守備妨害を宣告する際は速やかにしろ
23. 不測の事態にあわてるな
24. アメリカの国民的スポーツに携わっていることを自覚しろ
25. 自分を甘やかすな

 

補足 第3版解説 野球規則の変遷 より>

野球のルールはその後幾度となく変更を繰り返し、現在の内容になっている。

その変更の狙いは「試合時間の短縮」と「試合のスリリング化」の2つが挙げられる。主な規則の変更を拾うと以下のとおりである。規則の歴史を知ることも野球を知るうえで大変参考になることと思う。

1857年 9回が正規となる(21点先取したとき終了から9回終了時に得点が多かったチ一ムの勝ちとなる)。

1858年 見逃しに「ストライク(打て)」のコールがされるようになる。

1863年 真ん中付近を通らない球に「ボール」のコールがされるようになる。

1864年 ワンバウンド捕球のアウトが廃止され、インフライトの飛球が捕えられたら打者アウトとなる。

1872年 使用球の重さ、周囲の長さが設定される。

1872年 投手のスナップスローが解禁される。

1877年 4回以前に限ってプレーヤーの交代が許される。

1879年 すべての投球がストライクかボールに区分され、9ボールで一塁へ。

1880年 8ボールで一塁へ。捕手が3ストライク目の投球を直接捕球すれば打者は三振でアウトになる。

1882年 7ボールで一塁へ。投手の横手投げが解禁される。

1884年 6ボールで一塁へ。投手の上手投げが解禁される。投手の投法が自由となる。

1885年 メジャーリーグで初めてチェスト・プロテクターが着用される。

1887年 

  • 打者が投手に打ちやすい球を要求することの廃止。
  • ストライクゾーンの設定(打者の肩の上部からひざ頭の下部)。
  • ストライク4個で三振。
  • 5ボールで一塁へ。
  • 一・三塁のベースの位置が現在のようにすべてラインの中にはいる。

1888年 ストライク3個で三振。

1889年 4ボールで一塁へ(四球がボール4個)。

1891年 プレーヤーは試合中自由に交代できるようになる。ただし再出場はできない。

1893年

  • バットは完全に円い棒でなければならない。
  • ピッチャースボックスからピッチャーズプレートに代わる。横12インチ、縦6インチ。

1894年 バントのファウルをストライクと数える。

1895年 投手板の大きさが横24インチ、縦6インチに決められる・本塁から60フィート6インチ。

1900年

  • ホームプレートの設定(4角形から5角形に)(投手に面している辺17インチ)。
  • 一塁だけ偽投が禁止となる。

1903年 ピッチャーズプレートの高さがホームベースの水平面から15インチを越えない高さと設定される。

1909年

  • ワールドシリーズで初めて審判4人制が採用される(1952年メジャーの全試合が4人制となる)。
  • コルクを芯とした使用球の採用。

1950年 野球規則が現在の形態になる。

  • 用語の定義が新設される。
  • ストライクゾーンが、自然に構えたときの腋の下からひざ頭の上部までの本塁上の空間と改正になる。
  • 投球姿勢をワインドアップポジションとセットポジションに区別する。

1951年 投手板の高さはホームベースの水平面から15インチの高さと定められる。

1955年 キャッチャースボックスが三角形から現在の長方形になる。

1962年 ストライクの定義の一部が、打者の打たなかった投球のうち、ボールの一部でもインフライトの状態でストライクゾーンのどの部分でも通過したものとなる(日本ではストライクゾーンの高低に関してだけボールの全部とした)。

1963年 ストライクゾーンは、打者が自然に構えたときの姿勢の肩の線から膝までの間の本塁上の空間をいうに改正。

1969年 ストライクゾーンは、打者がそれぞれ固有の打撃姿勢をとったときの、腋の下から膝頭の上部までの間の本塁上の空間をいうと再び改正。

1972年 米国で初の女性プロ審判員が誕生した。

1973年 投手用のグラブは白色、灰色以外で、しかも縫い目、しめひも網(ウェブ)を含む全体が一色でなければならないとなる.

1976年

  • 飛距離を伸ばすための改造バットの禁止。
  • 投手のセットポジションのとり方が明確に規定される。ボールを両手で身体の前に保持し、完全に静止しなければならない。
  • ボールが投手の手を滑り落ちてファウルラインを越えたときボールと宣告されるが、その他は投球とみなさない。
  • ハーフスイングのリクエストが可能となる。

1977年 投手は同一イニングで投手以外の守備位置に2度つくことは許されない。

1978年 走者がいないときの20秒ルールの設定。

1981年 用具に対するコマーシャリゼーション規定が追加される。

1981年 試合前に交換された打順表に記載された指名打者は相手チームの先発投手に対して少なくとも一度は打撃を完了しなければ交代できない。

1986年 アマチュア野球では、ストライクゾーンの高低に関してだけ、ボールの全部が、打者のそれぞれの固有の打撃姿勢をとったときの、腋の下から膝頭の上部までの間を通過したものとする。

1987年 

  • プロ野球で着色バット(ダークブラウン)が許可される。
  • 2.44[注][原注]に〝すべての走者を戻す〟とあるが、妨害発生以前のプレイでアウトになるか、セーフとなった走者を除く。

1988年

  • 2.44[注][原注]に〝すべての走者を戻す〟とあるが、妨害発生以前のプレイでアウトになった走者を除く。と改正される。
  • 投手板の高さが、ホームプレートより10インチと改正。

1989年 ストライクゾーンは、肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、膝頭の上部のラインを下限とする本塁上の空間をいうと改正。

1991年 投手が三塁へ踏み出して、腕を振って送球する動作(偽投)をした勢いで、軸足が投手板からはずれた(場所の如何を問わない)場合には、そのまま振り向いて一塁へ送球することは許される。

1993年 2.44(a)[注][原注]は、プレイが介在した後に妨害が発生した場合には、適用しない。

1994年 

  • アマチュア野球では試合終了の場合に限って、両チームが本塁に整列したとき、アピール権は消滅することとする。
  • ボークルールの目的は、投手が走者を意図的に騙そうとするのを防ぐためであることを、審判員は心に銘記しなければならない。もし、審判員の判断で投手の〝意図〟に疑いを抱いたら、審判員は厳重に規則を適用すべきである(この[8.05原注]は以前から原文にはあったが、この年からわが国公認野球規則にも追加された)。

1995年 ●打者を狙って投球することは非スポーツマン的である。特に頭を狙って投球することは非常に危険であり、この行為は許されるべきではない。

1997年 ●ストライクゾーンの下限は、「膝頭の上部のラインを下限とする」を「膝頭の下部のラインを下限とする」と改める。

2001年 ●アマチュア野球で金属製バットの制限規定が設けられる。

2006年 スクイズプレイと反則打球が重なった場合、反則打球をした打者をアウトにすると改める。

2007年

  • 捕球後にダッグアウトに踏み込む。ボールデッドで走者は1個の進塁。
  • 打者が打撃姿勢をとらなければ自動的にストライクを宣告。
  • ダッグアウト内での捕球の禁止。
  • ダートサークルを出たら打者アウト(三振振り逃げ)。
  • 日本で、投手板の踏み方(投手板に軸足が触れてればよい)および自由な足の置き方(どこでもよい)の制約が撤廃される。ただしアマは従来通りとする。
  • 走者がいないとき20秒以内から12秒以内と改正になる。

2008年

  • メジャーで初めてホームランについてだけビデオ判定が導入され、9月6日ニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲスのホームランかどうかがビデオ判定第1号となった。
  • 走者の走路が、その走者と塁を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィートと変更になる。

2009年

  • 得点したばかりの走者の妨害。
  • ストライクゾーンについて、「アマチュア野球では、ストライクゾーンの下限に関してだけ、ボ_ルの全部がひざ頭の下部のラインより上方を通過したものとする。」とのアマ内規を廃止。

2010年 両手投げ投手の規定が追加。

2011年

  • 走者もヘルメットの着用義務。
  • バットの最大直径が2.3/4から2.61インチに変更。
  • 捕球後、ダッグアウトに踏み込んでも倒れこまなければインプレイに。
  • 審判員の妨害が明確化される。

2012年 攻撃側メンバーによる妨害規定が整理される。

2013年

  • フェアボール、ファウルボールの判断の基準点が、一塁または三塁のベース基準に改正になる。
  • アマチュア野球においても、投手板の踏み方および自由な足の置き方について、規則どおりとなる。ただし、ワインドアップポジションで投げる場合、自由な足全体を投手板の前縁より前に置いてはいけないとのアマ注が加えられた。

2014年 

  • 野手のグラブにも色規制が適用となる。
  • 投手板に触れた状態から三塁への偽投が禁止となる(二塁への偽投だけは許される)。

2015年

  • 投手は「投げ手」だけでなく、「いずれの手、指または手首」に何もつけてはならない。(たとえば救急ばんそうこう、テープ、瞬間接着剤、ブレスレットなど)とされた。

2016年

  • マイナーリーグの規定であった「バッタースボックスルール」がメジャーリーグにも適用された。
  • 本塁での衝突プレイの規定(コリジョンルール)が採用され、走者の体当たり禁止、捕手のブロック禁止が明確になった。

2017年

  • 一塁手のグラブ・ミット、捕手以外の野手のグラブの縦の大きさが、先端から下端まで「13インチ(33.0センチ)」以下とされた。
  • 投手のグラブの色について、OBRの規定を採用した。
  • 捕球後、ダッグアウトに踏み込めばボールデッドとする。
  • 併殺の塁への「正しいスライディング」が規定される。
●2016年の規則書条文構成の大幅な変更
   2015年のOfficial Baseball Rules (OBR)の改正を受けて、我が国でも2016年に大幅な条文構成の変更を行った。公認野球規則の目次を比較してみると、次表のようになる。

このように、新しい構成ではボールインプレイとボールデッド、打者、走者、投手に関する規則が、「5.00試合の進行」の章に集約されるとともに、打者、走者、投手それぞれの反則行為は、すべて「6.00反則行為」の章にまとめられた。

これまでの条項の番号は一新されたので、2016年の公認野球規則では新条項番号の後に〈〉書きで旧番号を表示するとともに、巻末には前年との対比表を掲載して、できるだけ関係者が戸惑うことのないよう配慮された。

また、この機会に、原文の通りCommentは【原注】、Noteは【付記】、Approved Rulingは【規則説明】と表記を統一した。

なお、アマチュア野球内規についても、掲載順を新条文の順に変更し、併せて規則書と同じ“横書き”とした。

 

3版解説 アンリトゥン・ルール より>

大リーグには、ルールブックに記載されてはいないが、守らなければならないマナーが“アンリトゥン・ルール”(書かれていないルール)、いわゆる暗黙のルールというものが存在する。大リーグではこれらを破ると報復を受けるし、またこれらを知らないと国際大会ではブーイングを受け、ひんしゅくを買うことになる。参考までに、いくつか紹介する。

1. 初回から送りバントをしてはいけない。

2. 大量リード(概ね5点以上)しているときは、

  • 盗塁をしてはいけない。
  • バントをしてはいけない。
  • スクイズバントをしてはいけない。
  • カウント3ボール0ストライクから打ってはいけない。
  • けん制球を投げてはいけない。

3. ツーアウトのときは、三塁盗塁をするな。

4. 一塁に走者がいる場合、敬遠をしてはいけない。

5. 内野手に向かってスパイクを高く上げてスライディングしてはいけない。

6. 完全試合・ノーヒットノーランが進行中のときは、絶対にその言葉をダッグアウトで口に出すな。

7. 相手チームには敬意を払え ――― 敵のメンツをつぶすな、とくにホームランを打ったあと派手なガッツポーズをするな。

8. 大差のついた試合で控えの選手をどんどん出場させたりするな。

9. 打席で後ろをのぞいて捕手のサインを盗み見してはいけない。

10. 選手は絶対に審判に恥をかかせたり、侮辱したりしてはいけない。