2017年度 改正規則の解説

~改正規則と規則適用上の解釈について~ 解説/日本野球規則委員会

プロ・アマ合同の日本野球規則委員会は1月14日に關催され、2017年度の規則改正について両者で合意し、その後の編纂委員会を経て1月24日に18項目にわたる改正規則を発表しました。以下、そのポイントについて解説します。

(1)3.05の改正および同【注】の削除

3.05 一塁手のグラブ

一塁手のグラブまたはミットの縦の大きさを、先端から下端まで「13インチ(33.0センチ)以下」とし、同【注】を削除する。

(2)3.06の改正および同【注】の削除

3.06 野手のグラブ

捕手以外の野手のグラブの縦の大きさを、先端から下端まで「13インチ(33.0センチ)以下」とし、同【注】を削除する。

<解説>

上記2項目は、OFFICIAL BASEBALL RULES(以下OBRと表記)において、捕手以外の野手(一塁手を含む)のグラブの縦の最大の長さが、これまでの12インチ(30.5センチ)から13インチ(33.0センチ)に修正されたことに伴う改正です。わが国では、一昨年シーズン中に規定の長さを超えるグラブが使用されていることが発覚したため、昨年、とりあえず【注】を設けて対応しましたが、規則本文が改正されましたので不要となりました。

(3)3.07(a)の前段および同【注】の改正

3.07投手のグラブ

(a) 投手のグラブは、縁取りを除き白色、灰色以外のものでなければならない。審判員の判断によるが、どんな方法であっても幻惑させるものであってはならない。

【注】アマチュア野球では、投手のグラブについては、縁取り、しめひも、縫い糸を除くグラブ本体(捕球面、背面、ウエブ網)は1色でなければならない。

<解説>

投手のグラブの色について、OBRでは、すでに2006年に上記の規定に改正されていましたが、わが国では「“全体が1色でなければならない”という表現がなくなることによって予想される混乱を避けるため」という理由から、この改正を受け入れていませんでした。しかし、各カテゴリーによる国際大会が頻繁に行われるようになった今、いつまでも日本だけのルールに縛られている時代でもなく、また、わが国の規則委員会の“原文に忠実な規則書を”との方針からも、ここで、この改正に踏み切ることになりました。

なお、アマチュア野球においては、“幻惑”の解釈に混乱が生じることのないよう、具体的な【注】を設定しました。

(4)【3.03~3.09原注】を【3.08原注】とする

3.08ヘルメット

【原注】審判員は各項に対する違反を認めた場合には、これを是正するように命じる。審判員の判断で、適宜な時間がたっても是正されない場合には、違反者を試合から除く。

<解説>

これまでの【3.03~3.09原注】は、ユニフォーム、グラブ、バット、商標等の用具に関する規則違反に対する処置を定めた【原注】ですが、OBR原文ではすでに削除されています。一方で、3.08ヘルメットの項には【原注】として記載がありますので、原文に合わせることにしました。

(5)5.04(b)(4)の改正

5.04(b) 打者の義務(4)バッタースボックスルール

①同(A)に(ii)を追加し以下繰り下げる。また(ⅲ)<従来の(ⅱ)>を改正(下線部を追加)

(ⅱ) チェックスイングが塁審にリクエストされた場合。

(ⅲ) 打者が投球を避けてバランスを崩すか、バッタースボックスの外に出ざるを得なかった場合。

②同(B)に次の(i)を追加し、以下繰り下げる。

  1. 負傷または負傷の可能性がある場合。

<解説>

昨年、新たに採用されたバッタースボックスルールの一部改正です。打撃中の打者は、原則として常時バッタースボックス内に片足を置いておかなければなりませんが、本項(A)(B)の例外規定があります。

(A)は、両足がバッタースポックスを出ることはやむを得ないが“ホームプレートを囲む土の部分”を出ることは許されないというもので、従来8項目が規定されていましたが、今回、(ⅱ)が追加されました。

(B)は、“ホームプレートを囲む土の部分”を離れることが許される場合で、従来の2項目に加え、上記(i)の1項目が追加されました。なお、追加項目の“負傷”の対象には以下が考えられます。

打者、守備側の選手、審判員など。

また、アマチュア野球では、昨年、アマチュア内規で定めた違反者へのペナルティ(同一打者が同一試合で違反2回までは警告、3回目以降はストライクワンをカウントする。)を今年度より厳格に適用します(昨年1年間は猶予期間としていました)。

(6)5.06(b)(3)(c)および同【原注】の改正

5.06走者(b)進塁(3)(C)(下線部を改正)

野手が飛球を捕らえた後、ボールデッドの個所に踏み込んだり、倒れ込んだ場合。

【原注】野手が正規の捕球をした後、ボールデッドの個所に踏み込んだり、倒れ込んだ場合、ボールデッドとなり、各走者はボールデッドの個所に入ったときの占有塁から1個の進塁が許される。

<解説>

昨年までの規則では、ボールデッドになる個所のうち、ダッグアウトに関しては、野手が正規の捕球後に倒れ込まない限りプレイは続けられることになっていました。今回の改正により、ダッグアウトもスタンドやその他のボールデッドの個所と同様、踏み込んだだけでボールデッドとなり、塁に走者がいれば1個の進塁が許されることになりました。

なお、この解釈は、後述の(10)5.09(a)(1)【原注】および(13)5.12(b)(6)でも同様です。

(7)5.07(a)(2)【注1】の改正

5.07投手(a)正規の投球姿勢(2)セットポジション(下線部を改正)

【注1】アマチュア野球では、本項【原注】の前段は適用しない。

<解説>

投手がセットポジションから投球する場合、昨年までわが国ではプロ・アマを問わず、5.07(a)(2)【原注】の前段「走者がいない場合、セットポジションをとった投手は、必ずしも完全静止をする必要はない。」は適用しないこととしていました。つまり、セットポジションから投球する投手は、走者がいてもいなくても一旦、完全静止をしてから打者に対して投球することが要求されていました。今回、プロ側から、この【注1】の削除が提案され、議論しました。外国人投手が多く在籍するプロ側の事情は理解できますが、アマチュア側としては、走者がいるときのセットポジションからの投球が乱れるのではないかとの懸念があるため、今しばらくは走者の有無にかかわらず、完全静止を義務付ける必要があるとの判断から、【注1】をアマチュア野球限定の規則として残すことにしました。

(8)5.08(b)の改正

5.08得点の記録(b)(下線部を改正)

正式試合の最終回裏、または延長回の裏、満塁で打者が四球、死球、その他のプレイで一塁を与えられたために走者となったので、打者とすべての走者が次の塁に進まねばならなくなり、三塁走者が得点すれば勝利を決する1点となる場合には、球審は三塁走者が本塁に触れるとともに、打者が一塁に触れるまで試合の終了を宣告してはならない。

<解説>

下線部の文章が追加されていますが、これまでの規則解釈に変更はなく、本項のようなケースで、次塁に進む義務を負うのは三塁走者と打者だけです。

(9)【5.08原注】の表現を一部改め、配列を変更

5.08は、得点の記録に関する規定であり、【5.08原注】においては、フォースアウトやアピールアウトとアウトカウントによる得点の記録との関係などを、具体例を織り交ぜながら説明している部分です。今回の改正では、【規則説明】の配列や、具体例の走者の位置の設定などをOBRの原文に忠実に再現するとともに、一部分、表現も変えていますが、規則解釈に関しては、これまでと変わる点は全くありません。

【5.08原注】2017公認野球規則 【5.08原注】2016公認野球規則
規則説明 打者走者のアウトが一塁に触れる前のアウトの形をとり、それが第3アウトにあたったときは、たとえ他の走者がそのアウトの成立前か、あるいはそのアウトが成立するまでのプレイ中に本塁に触れていても得点は記録されない。 規則説明 打者走者のアウトが一塁に触れる前のアウトの形をとり、それが第3アウトにあたったときは、たとえ他の走者がそのアウトの成立前か、あるいはそのアウトが成立するまでのプレイ中に本塁に触れていても得点は記録されない。
〔例〕1アウト走者一・二塁のとき打者が安打したので、二塁走者は本塁に達したが、一塁走者は本塁への送球でアウトにされて2アウトとなった。この間、打者走者は二進していたが、途中一塁を踏んでいなかったので一塁でアピールされて打者はアウトになり、3アウトとなった。 — 二塁走者は〝打者走者が一塁に触れる前のアウトで、しかも第3アウトにあたる場合〟のプレイ中に本塁に触れたのであるから、その得点は記録されない。 〔例1〕1アウト走者二・三塁のとき打者が安打したので、三塁走者は容易に本塁に達したが、二塁走者は本塁への送球でアウトにされて2アウトとなった。この間、打者走者は二進していたが、途中一塁を踏んでいなかったので一塁でアピールされて打者はアウトになり、3アウトとなった。 — 三塁走者は〝打者走者が一 塁に触れる前のアウトで、しかも第3アウトにあたる場合〟のプレイ中に本塁に触れたのであるから、その得点は記録されない。
規則説明 2アウト以前であれば、前位の走者の行為によって後位の走者が影響を受けることはない。 〔例2〕2アウト満塁のとき、打者はフェンス越えの本塁打を打って4人とも本塁を踏んだが、打者は一塁を踏まなかったのでアピールされてアウトになった。 — この場合、打者のアウトは一塁に触れる前の第3アウトの形をとるから、無得点である。
〔例〕1アウト走者一・二塁のとき、打者は場内本塁打を打った。二塁走者は本塁へ達する間に三塁を空過した。一塁走者と打者は正しく塁を踏んで本塁に達した。守備側は三塁に送球してアピールしたので、審判員は二塁走者に対してアウトを宣告して、2アウトとなった。 — 一塁走者と打者の得点は認められる。 規則説明 前位の走者が塁を触れ損ねたためにアウトにされた場合、正しい走塁を行なった後位の走者に関しては、そのアウトが2アウトまたは1アウトにあたるときと、3アウトにあたるときとでは事情が違う。
規則説明 2アウト走者一・二塁のとき、打者が場内本塁打を打ち、3人とも本塁を踏んだが、二塁走者は三塁を空過したので、アピールによってアウトにされ、3アウトとなった。 — 打者は正しく本塁を踏んではいるが、得点には数えられない。 〔例1〕1アウト走者一・二塁のとき、打者は場内本塁打を打った。二塁走者は本塁へ達する間に三塁を空過した。一塁走者と打者は正しく塁を踏んで本塁に達した。守備側は三塁に送球してアピールしたので、審判員は二塁走者に対してアウトを宣告して、2アウトとなった。 — 一塁走者と打者の得点は認められる。
規則説明 1アウト走者二・三塁のとき、打者が中堅飛球を打ってアウトになり、2アウトとなった。三塁走者はそのフライアウトを利して本塁に触れ、二塁走者も本塁への悪送球によって得点した。このとき三塁走者に対してアピールがあり、捕球前に三塁を離れたものと判定されて、3アウトとなった。 — 無得点である

 

〔例2〕2アウト走者二塁のとき、打者が場内本塁打を打ち、2人とも本塁を踏んだが、二塁走者は三塁を空過したので、アピールによってアウトにされ、3アウトとなった。 — 打者は正しく本塁を踏んではいるが、得点には数えられない。
規則説明 2アウト満塁のとき、打者はフェンス越えの本塁打を打って4人とも本塁を踏んだが、打者は一塁を踏まなかったのでアピールされて3アウトになった。 — この場合、打者のアウトは一塁に触れる前の第3アウトの形をとるから、無得点である。 規則説明 前位の走者が塁に触れ損ねるか、飛球が捕らえられたときにリタッチを果たさなかったために、第3アウトとなった場合、後位の走者は正しい走塁を行なっていても得点とはならない。
規則説明 一般的にアピールと得点の関係は以下のとおりとなる。 塁を踏み損ねた走者または飛球が捕らえられたときにリタッチを果たさなかった走者に対して、守備側がアピールした場合、審判員がそれを認めたときにその走者はアウトになる。

2アウトのとき、後位の走者がアピールによって第3アウトとなった場合、前位の走者はそのアウトよりも先に正しい走塁を行って本塁に触れていれば得点となる。

また、フォースの状態での塁の空過や打者走者の一塁空過がアピールによって第3アウトになった場合、すべての走者は正しい走塁を行っていても得点とはならない。

 

〔例〕1アウト走者二・三塁のとき、打者が中堅飛球を打ってアウトになり、2アウトとなった。三塁走者はそのフライアウトを利して本塁に触れ、二塁走者も本塁への悪送球によって得点した。このとき三塁走者に対してアピールがあり、捕球前に三塁を離れたものと判定されて、3アウトとなった。 — 無得点である。
規則説明 1アウト走者一・三塁のとき、打者の右翼飛球で2アウトとなった。三塁走者は捕球後三塁にリタッチして本塁を踏んだが、一塁走者は二塁へ向かっていたので一塁に帰塁しようと試みたが、右翼手の送球でアウトになった。三塁走者はそのアウトより早く本塁を踏んでいた。—– 一塁走者のアウトはフォースアウトでないから、その第3アウトより早く本塁を踏んだ三塁走者の得点は記録される。 規則説明 塁を踏み損ねた走者または飛球が捕らえられたときにリタッチを果たさなかった走者に対して、守備側がアピールした場合、審判員がそれを認めたときにその走者はアウトになる。
  〔例〕1アウト走者一・三塁のとき、打者の右翼飛球で2アウトとなった。三塁走

者は捕球後三塁にリタッチして本塁を踏んだが、一塁走者は二塁へ向かっていたので一塁に帰塁しようと試みたが、右翼手の送球でアウトになった。三塁走者はそのアウトより早く本塁を踏んでいた。一塁走者のアウトはフォースアウトでないから、その第3アウトより早く本塁を踏んだ三塁走者の得点は記録される。

 

(10)5.09(a)(1)【原注】末尾の改正

5.09(a)打者アウト

【原注1】(下線部を改正)

正規の捕球の後、野手がダッグアウトまたはボールデッドの個所に踏み込んだり、倒れ込んだ場合、ボールデッドとなる。走者については5.06(b)(3)(C)【原注1参照

<解説> 前記(6)で解説した通りです。

(11)5.09(b)(9)【原注】の追加

5.09(b)走者アウト(9)

【原注】後位の走者の行動または前位の走者の行動によって、後位の走者は前位の走者に先んじたとみなされる場合がある。

例- 1アウト走者二・三塁のとき、三塁走者(前位の走者)が本塁へ進塁しようとして三塁本塁間のランダウンプレイとなった。二塁走者(後位の走者)は前位の走者がダッグアウトになると思い、三塁に進んだ。三塁走者は触球されずに三塁に戻り、左翼方向に塁を踏み越えてしまった。このとき、後位の走者は、前位の走者の行動によって前位の走者に先んじたことになる。結果として、後位の走者はアウトとなり、三塁は占有されていないことになる。前位の走者が三塁を放棄してアウトと宣告されていない限り、前位の走者はアウトになる前に三塁に戻れば三塁を占有する権利がある。5.06(a)(1)参照。

<解説>

追い越しアウトとなる事例として、上記【原注】が追加されました。

二塁走者が三塁ベース上に達しているときに、三塁走者が戻って来て三塁ベースを通り越してしまえば、二塁走者は三塁走者を追い越したとみなされてアウトになる場合があることが規定されました。その場合、三塁走者は走塁放棄を宣告されていない限り、タッグされる前に三塁ベースに戻れば三塁の占有が許されます。

走塁放棄を宣告するか否かは、審判員の判断に委ねられることになりますが、例えば、三塁走者が、一気に左翼ポール方向に駆け抜けて行ったり、ファウルテリトリーへ逃げて行った場合には、走塁放棄で三塁走者にアウトが宣告され、その場合には二塁走者が追い超しでアウトになることはありません。

(12)5.09(c)(3)の改正

5.09(c)アピールプレイ(3)(下線部を改正)

(3)走者が一塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、直ちに帰塁しないとき、一塁に帰塁する前に身体または塁に触球された場合。

<解説>

下線部の文章が追加されただけで、規則解釈には何ら変更ありません。

(13)5.12(b)(6)の前段を改正し、後段を削除

5.12“タイム”の宣告(b)(6)(下線部を改正)

(6)野手が飛球を捕らえた後、ボールデッドの個所に踏み込んだり、倒れ込んだ場合。各走者は、アウトにされるおそれなく、野手がボールデッドの個所に入ったときの占有塁から1個の進塁が許される。

<解説>

前記、(6)および(10)で解説した通りです。

(14)6.01(a)(1)前段の改正

6.01(a)打者または走者の妨害(下線部を追加)

(1)捕手に捕球されていない第3ストライクの後、打者走者が投球を処理しようとしている捕手を明らかに妨げた場合。

<解説>

下線部の文章が追加されただけで、規則解釈には何ら変更はありません。

(15)6.01(j)および同【注】の追加

6.01(j)併殺を試みる塁へのスライディング

走者が併殺を成立させないために、“正しいスライディング”をせずに、野手に接触したり、接触しようとすれば、本条によりインターフェアとなる。

本条における“正しいスライディング”とは、次の通りである。走者が、

  1.  ベースに到達する前からスライディングをはじめ(先に地面に触れる)、

(2) 手や足でベースに到達しようとし、

(3) スライディング終了後は(本塁を除き)ベース上にとどまろうとし、

(4) 野手に接触しようとして走路を変更することなく、ペース上に達するように滑り込む。

“正しいスライディング”をした走者は、そのスライディングで野手に接触したとしても、本条によりインターフェアとはならない。また、走者の正規の走路に野手が入ってきたために、走者が野手に接触したとしてもインターフェアにはならない。

前記にかかわらず、走者がロールブロックしたり、意図的に野手の膝や送球する腕、上半身より高く足を上げて野手に接触したり、接触しようとすれば“正しいスライディング”とはならない。

走者が本項に違反したと審判員が判断した場合、走者と打者走者にアウトを宣告する。その走者がすでにアウトになっている場合については、守備側がプレイを試みようとしている走者にアウトが宣告される。

<解説>

走者が併殺を免れようとしたり、アウトになった打者や走者が野手のプレイを妨げた場合の規定としては、これまでも5.09(a)(13)【原注】や、6.01(a)(5)に定めがありましたが、今回の改正では、具体的にどのようなスライディングが“正しいスライディング”で(原文では“bona fide slide”)、規則違反となるスライディングがどのようなものかを示しました。本文中の“ロールブロック(roll block)”という言葉は、「身体を回転させながら野手に接触しようとする行為」と訳せばよいでしょう。

この、いわゆる“併殺崩し”のプレイでは、本塁での衝突プレイと同様、過去に多くの選手が回復に多くの時間を要するような負傷を負っています。ルールの厳格な適用によって、これ以上の犠牲者を出さないように願いたいものです。

なお、アマチュア野球では、2013年に制定した危険防止ルールを引き続き適用していくことになります。

アマチュア内規抜粋

⑩ 危険防止(ラブプレイ禁止)ルール

2.次の場合には、たとえ身体の一部が塁に向かっていたとしても、走者には妨害が宣告される。

(1) 走者が、ベースパスから外れて野手に向かって滑ったり、または走ったりして野手の守備を妨げた場合(接触したかどうかは問わない)。

《走者は、まっすぐベースに向かって滑らなければならない。つまり走者の身体全体(足、脚、腰および腕)が塁間の走者の走路(ベースパス)内に留まることが必要である。ただし、走者が、野手から離れる方向へ滑ったり、走ったりすることが、野手との接触または野手のプレイの妨げになることを避けるためであれば、それは許される。》

(2) 走者が体を野手にぶつけたりして、野手の守備を妨害した場合。

(3) 走者のスライディングの足が、立っている野手の膝より上に接触した場合および走者がスパイクの刃を立てて野手に向かってスライディングした場合。

(4) 走者がいずれかの足で野手を払うか、蹴った場合。

(5) たとえ野手がプレイを完成させるための送球を企てていなくても、走者がイリーガリーに野手に向かってスライドしたり、接触した場合。

(16)6.03(a)(4)を追加し、従来の(4)を(5)とする。また、6.03(a)(3)後段を【6.03a3・4例外】とし、同【原注】を【6.03a3・4原注】とする

6.03(a)打者の反則行為によるアウト

(4)走者がいるとき、または投球が第3ストライクのとき、打者がフェア地域またはファウル地域にバットを投げて、投球を受けようとしていた捕手(またはミット)に当たった場合。

<解説>

打者が反則行為でアウトになるケースとして、フェア地域、ファウル地域を問わずバットを投げて、捕手の身体またはミットに当たったときを追加しました。

ただし、6.03(a)(3)の打者がバッタースボックスを出るか、何らかの動作で捕手の守備を妨害したときと同様に、アウトにしようとしていた走者がアウトになった場合は、現実には妨害がなかったものと考えて、打者がアウトになることはありません。

従来の6.03(a)(3)【原注】が、新たな6.03(a)(3)および(4)の【原注】として適用されます。

(17)定義76を改正

定義76タッグ(触球)(下線部を追加)

野手が、手またはグラブに確実にボールを保持して、その身体を塁に触れる行為、あるいは確実に保持したボールを走者に触れるか、手またはグラブに確実に保持して、その手またはグラブ(ひもだけの場合は含まない)を走者に触れる行為をいう。

<解説>

近年、グラブのひもを長く垂らした選手が見受けられますが、グラブに確実にボールを保持していても、その長く垂らしたひも部分だけが走者に触れた場合には正規のタッグとはならないことが明記されました。

(18)定義80を改正

定義80タッチ(下線部を改正)

プレーヤーまたは審判員の身体はもちろん、着用しているユニフォームあるいは用具のどの部分に触れても“プレーヤーまたは審判員に触れた”ことになる。

<解説>

この規定は、プレーヤーや審判員の身体に直接でなくても、その着用しているユニフォームや帽子、ベルト等の用具も含めて、どの部分にでも触れればプレーヤーや審判員に触れたことになり、特に審判員に触れた場合には退場を宣告されることもあるということを明記したものです。また例えば、ユニフォームの後ろポケットに手袋を突っ込んでいる走者が、ポケットからはみ出した手袋にタッグされればプレーヤーに触れたことになり、アウトが成立します。しかし逆に、はみ出した部分が投球に触れても死球と認められることはありません。つまり、用具の着用の仕方によって不利益となることはあっても利益に結び付くことはないということです。前記の、グラブのひもと同様、常識的に判断すればよいわけです。