2016年度改正規則の解説
~改正規則と規則適用上の解釈について~【日本野球規則委員会】
日本野球規則委員会は1月8日に開催され、規則改正について議論し、その後の編纂委員会を経て1月28日に2016年度の規則改正を以下の通り発表しました。
今年度は、条文構成の大幅な変更をはじめとして12項目にわたる改正となりました。
(1)規則書条文構成の大幅な変更
(2)2.01〈1.04〉の【注】を削除(〈 〉内は昨年の条項番号、以下同様)
(3)3.05〈1.13〉に【注】を追加
(4)3.06〈1.14〉の改正および【注】を追加
(5)3.08(d)〈1.16(d)〉の改正
(6)5.04(b)(2)〈6.02(b)〉【原注】の改正
(7)5.04(b)(4)(A)〈6.02(d)(1)〉の改正および【注】を追加、【原注】を削除
(8)6.01(a)(10)〈7.09(j)〉【原注】の改正
(9)6.01(i)(【原注】および【注】を含む)の改正
(10)6.03(a)(4)〈6.06(d)〉の改正
(11)7.02(a)(3)〈4.12(a)(3)〉の改正
(12)7.03(c)〈4.16〉の改正
(1)規則書条文構成の大幅な変更
2015年のofficial Baseball Rulesの改正を受けて、我が国でも大幅な条文構成の変更が行われました。

2015年の公認野球規則の目次 2016年の公認野球規則の目次
1.00試合の目的、競技場、用具
2.00本規則における用語の定義
3.00試合の準備
4.00試合の開始と終了
5.00ボールインプレイとボールデッド
6.00打者
7.00走者
8.00投手
9.00審判員
10.00記録に関する規則
1.00試合の目的
2.00競技場
3.00用具・ユニフォーム
4.00試合の準備
5.00試合の進行
6.00反則行為
7.00試合の終了
8.00審判員
9.00記録に関する規則
本規則における用語の定義

上の比較表の通り、新しい構成ではボールインプレイとボールデッド、打者、走者、投手に関する規則が、「5.00試合の進行」の章に集約されるとともに、打者、走者、投手のそれぞれの反則行為は、すべて「6.00反則行為」の章に纏められました。
お気付きの通り、これまでの条項の番号は一新されますので、新しい規則書では新条項番号の後に〈 〉書きで旧番号を表示するとともに、巻末には前年との対比表を掲載して、できるだけ関係者が戸惑うことのないよう配慮されています。
また、この機会に【原注】【付記】【規則説明】の表記を、原文の通りに統一しました
(Comment:原注、Note:付記、Approved Rulinning:規則説明)。
(2)2.01<1.04>【注】を削除
競技場に関する規定の項の、下記【注】を削除。
【注】ファウルポールも白く塗らなければならないが、判別の便宜上、他の色のものを用いてもよい。ファウルラインを表示するのに、木材その他の堅い材料を用いてはならない。

昭和30年に初めてプロ・アマ合同の規則書が発行される以前からプロ側の規則書に記載されていた【注】がそのまま残っていたものです。ファウルポールの色に関する規定は原文にはありませんし、ファウルラインを木材等の材料で表示することは今では考えられません。現在は不要となった【注】と判断し削除することになりました。

(3)(4)3.05<1.13>、3.06<1.14>に【注】を追加および3.06<1.14>の改正
3.05および3.06に次の【注】を追加。
【注】我が国では、縦の大きさを先端から下端まで13インチ(33.0センチ)とする。
3.06冒頭の「一塁手、捕手以外」を「捕手以外」に改める。

一塁手のグラブまたはミット(3.05)および野手のグラブ(3.06)の大きさに関する規定ですが、本文規定の12インチを、13インチまで認めることに変更しました。この改正は、我が国で硬式、軟式、プロ、アマを問わず、規定の12インチを超えるグラブおよびミットが流通し、多くの選手に使用されている事実が判明したための措置です。これは、米国において20年以上前から13インチまでのグラブ、ミットの使用が暗黙のうちに認められ、米国のメーカーが製造、販売したのを、日本のメーカーが追随したという経緯があったためであることが分かりました。規則委員会としては、バットやボールの規格については、大会毎に検査を実施するなど、注意を払ってきましたが、グラブについてはメーカーを信頼していましたので、迂闊だったと言われれば認めざるを得ません。いずれにしても、現状に合わせてルールのほうを手当てするのが最善の策と考えての措置です。米国でもこの件は今年のウィンターミーティングにおいて問題提起されたようで、今年度は13インチが明文化されるのではないかとの情報があります。
なお、3.06冒頭の「一塁手、捕手以外」が「捕手以外」と改められたことにより、一塁
手はミット、グラブのどちらを使用してもよいことが明確になりました。また、逆に一塁
手以外の野手が一塁手のミットを使用することはできないことも再確認されました。

(6)(7)5.04(b)(2)<6.02(b)>【原注】の改正および5.04(b)(4)(A)<6.02(d(1)>の改正、【注】を追加、【原注】を削除
5.04(b)(2)【原注】の3段目以降を次のように改める。(下線部を追加。)
審判員は、投手がワインドアップを始めるか、セットポジションをとったならば、打者または攻撃側チームのいかなる要求があっても〝タイム〟を宣告してはならない。……球審が寛大にしなければしないほど、打者は打者席の中にいるのであり、投球されるまでそこにとどまっていなければならないということがわかるだろう。 (5.04b4参照)

以下はメジャーリーグだけで適用される[原注]の追加事項である。打者が打者席に入ったのに、投手が正当な理由もなく、ぐずぐずしていると球審が判断したときには、打者がほんの僅かの間、打者席を離れることを許してもよい。走者が塁にいるとき、投手がワインドアップを始めたり、セットポジションをとった後、打者が打者席から出たり、打撃姿勢をやめたのにつられて投球を果たさなかった場合、審判員はボークを宣告してはならない。投手と打者との両者が規則違反をしているので、審判員はタイムを宣告して、投手も打者もあらためて〝出発点〟からやり直させる。

以下はマイナーリーグで適用される[原注]の追加事項である。走者が塁にいるとき、投手がワインドアップを始めたり、セットポジションをとった後、打者が打者席から出たり、打撃姿勢をやめたのにつられて投球を果たさなかった場合、審判員はボークを宣告してはならない。5.04(b)(4)(A)に抵触する場合、審判員は自動的にストライクを宣告する。

5.04(b)(4)(A)を次のように改める。
①「マイナーリーグでは、以下の規則を実施する。」を削除する。
② 5.04(b)(4)(A)の後段を次のように改め(下線部を追加)、【注】を追加、同【原注】を削除する。
打者が意図的にバッタースボックスを離れてプレイを遅らせ、かつ前記(i)~(ⅷ)の例外規定に該当しない場合、当該試合におけるその打者の最初の違反に対しては球審が警告を与え、その後違反が繰り返されたときにはリーグ会長が然るべき制裁を科す。
【注】我が国では、所属する団体の規定に従う。

これらの打者に関する規則の一連の改正は、昨年までマイナーリーグに適用されていた「バッタースボックスルール」がメジャーで適用されることになったことによるものです。我が国では、5.04(b)(4)(A)の適用に関しては、【注】の通り、各団体の規定に従うことになり、アマチュア野球においては新たに以下の内規を設けて対応することになりました。

アマチュア内規②バッタースボックスルール

(1)打者は打撃姿勢をとった後は、次の場合を除き、少なくとも一方の足をバッタースボックス内に置いていなければならない。この場合は、打者はバッタースボックスを離れてもよいが、〝ホームプレートを囲む土の部分〟を出てはならない。

1) 打者が投球に対してバットを振った場合。
2) 打者が投球を避けてバッタースボックスの外に出ざるを得なかった場合。
3) いずれかのチームのメンバーが〝タイム〟を要求し認められた場合。
4) 守備側のプレーヤーがいずれかの塁で走者に対するプレイを企てた場合。
5) 打者がバントするふりをした場合。
6) 暴投または捕逸が発生した場合。
7) 投手がボールを受け取った後マウンドの土の部分を離れた場合。
8) 捕手が守備のためのサインを送るためキャッチャースボックスを離れた場合。

(2)打者は、次の目的で〝タイム〟が宣告されたときは、バッタースボックスおよび〝ホームプレートを囲む土の部分〟を離れることができる。

1) プレーヤーの交代
2) いずれかのチームの協議
なお、審判員は、前の打者が塁に出るかまたはアウトになれば、速やかにバッタースボックスに入るよう次打者に促さねばならない。
ペナルティ(1)(2)
打者が意図的にバッタースボックスを離れてプレイを遅らせ、かつ前記1)~8)の例外規定に該当しない場合、または、打者が意図的に〝ホームプレートを囲む土の部分〟を 離れてプレイを遅らせ、かつ、(2)の1)~2)の例外規定に該当しない場合、球審は、その 試合で2度目までの違反に対しては警告を与え、3度目からは投手の投球を待たずにストライクを宣告する。この場合はボールデッドである。

もし打者がバッタースボックスの外にとどまり、さらにプレイを遅延させた場合、球審は投手の投球を待たず、再びストライクを宣告する。

なお、球審は、再びストライクを宣告するまでに、打者が正しい姿勢をとるための適
宜な時間を認める。(規則5.04(4)(A))

ペナルティを適用するケースとしては、ベンチのサインを見る、素振りをする、滑り止めスプレーを使用するなどで、バッタースボックスから離れた場合が考えられます。なお、上記「バッタースボックスルール」は、2016年は猶予期間とし、1年間に限りペナルティの適用は警告までにとどめることにしました。

(8)6.01(a)(10)<7.09(j)【原注】>の改正
6.01(a)(10)【原注】後段を次のように改める。(下線部を改正)
捕手が打球を処理しようとしているのに、他の野手(投手を含む)が、一塁へ向かう打者走者を妨害したらオブストラクションが宣告されるべきで、打者走者には一塁が与えられる。

昨年まで投手と一塁手に限定されていたものが、他の野手にも妨害の可能性があるということで、他の野手(投手を含む)という表現に改められました。

(9)6.01(i)(【原注】および【注】を含む)の追加
(i)本塁の衝突プレイ

(1)得点しようとする走者は、最初から捕手または本塁のカバーに来た野手(投手を含む、以下「野手」という)に接触しようとして、または避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで走路から外れることはできない。もし得点しようとした走者が最初から捕手または野手に接触しようとしたと審判員が判断すれば捕手または野手がボールを保持していたかどうかに関係なく、審判員はその走者にアウトを宣告する。その場合、ボールデッドとなって、すべての他の走者は接触が起きたときに占有していた塁(最後に触れていた塁)に戻らなければならない。走者が正しく本塁に滑り込んでいた場合には、本項に違反したとはみなされない。

【原注】走者が触塁の努力を怠って、肩を下げたり、手、肘または腕を使って押したりする行為は、本項に違反して最初から捕手または野手と接触するために、または避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで走路を外れたとみなされる。走者が滑り込んだ場合、足からのスライディングであれば、走者の尻および脚が捕手または野手に触れる前に先に地面に落ちたとき、またヘッドスライディングであれば、捕手または野手と接触する前に走者の身体が先に地面に落ちたときは、正しいスライディングとみなされる。捕手または野手が走者の走路をブロックした場合は、本項に違反して走者が避けられたにもかかわらず接触をもくろんだということを考える必要はない。

(2)捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない。もし捕手がボールを持たずに走者の走路をブロックしたと審判員が判断した場合、審判員はその走者にセーフを宣告する。

前記にかかわらず、捕手が送球を実際に守備しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合(たとえば、送球の方向、軌道、バウンドに反応して動いたような場合)には、本項に違反したとはみなされない。また、走者がスライディングすることで捕手との接触を避けられたならば、ボールを持たない捕手が本項に違反したとはみなされない。
本塁でのフォースプレイには、本項を適用しない。

【原注】捕手がボールを持たずに本塁をブロックするか(または実際に送球を守備しようとしていないとき)、および得点しようとしている走者の走塁を邪魔するか、阻害した場合を除いて、捕手は本項に違反したとはみなされない。審判員が、捕手が本塁をブロックしたかどうかに関係なく、走者はアウトを宣告されていたであろうと判断すれば、捕手が走者の走塁を邪魔または阻害したとはみなされない。また、捕手は、滑り込んでくる走者と日常的に不必要かつ激しい接触(たとえば膝、レガース、肘または前腕を使って接触をもくろむ)をする捕手はリーグ会長の制裁の対象となる。

【注】我が国では、本項の(1)(2)ともに、所属する団体の規定に従う


本塁上で、得点をめぐって走者と捕手が激しく接触するプレイは、これまでに米国でも日本でも度々繰り返されてきました。走者の無法ともいえる捕手への体当たりや、捕手がホームプレートをふさいでしまう〝ブロック〟によって、過去には多くの選手が傷つき、最悪の場合には選手生命を断たれるような大けがを負うケースもありました。こういった事態に対して、昨年MLBもようやく重い腰を上げ、この“collision rule”を採用するに至りました。我が国では、アマチュア野球において2013年に「危険防止(ラフプレイ禁止)ルール」としてアマチュア内規が定められ、すでに運用していますが、今年からはプロ野球においても独自の内規を制定して対応することになります。

以下に2016年版アマチュア内規の抜粋を記載しておきます(下線部は、新ルール6.01(i)に対応するため変更した部分です)。

アマチュア内規⑩危険防止(ラフプレイ禁止)ルール
1.タッグプレイのとき、野手がボールを明らかに保持している場合、走者は(たとえ走路上であっても)野手を避ける、あるいは減速するなどして野手との接触を回避しなければならない。
1) 野手との接触が避けられた
2) 走者は野手の落球を誘おうとしていた
3) 野手の落球を誘うため乱暴に接触した
と審判員が判断すれば、その行為は妨害とみなされ、たとえ野手がその接触によって落球しても、走者にはアウトが宣告される。ただちにボールデッドとなり、他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。なお、走者の行為が極めて悪質な場合は、走者は試合から除かれる場合もある。(規則6.01i(1))

2.次の場合には、たとえ身体の一部が塁に向かっていたとしても、走者には妨害が宣告される。
(1) 走者が、ベースパスから外れて野手に向かって滑ったり、または走ったりして野手の守備を妨げた場合(接触したかどうかを問わない)。
<走者は、まっすぐベースに向かって滑らなければならない。つまり走者の身体全体(足、
脚、腰および腕)が塁間の走者の走路(ベースパス)内に留まることが必要である。ただし、走者が、野手から離れる方向へ滑ったり、走ったりすることが、野手との接触または野手のプレイの妨げになることを避けるためであれば、それは許される。>
(2) 走者が体を野手にぶつけたりして、野手の守備を妨害した場合。
(3) 走者のスライディングの足が、立っている野手の膝より上に接触した場合および走者がスパイクの刃を立てて野手に向かってスライディングした場合。
(4) 走者がいずれかの足で野手を払うか、蹴った場合。
(5) たとえ野手がプレイを完成させるための送球を企てていなくても、走者がイリーガリーに野手に向かってスライドしたり、接触した場合。

ペナルティ(1)~(5)
1)フォースプレイのときの0アウトまたは1アウトの場合、妨害した走者と、打者走者にアウトが宣告される。すでにアウトになった走者が妨害した場合も、打者走者にアウトが宣告される。ただちにボールデッドとなり、他の走者は進塁できない。
2)フォースプレイのときの2アウトの場合、妨害した走者にアウトが宣告され、ただちにボールデッドとなり、他の走者は進塁できない。
3)タッグプレイの場合、妨害をした走者にアウトが宣告され、ただちにボールデッドとなり、他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。
4)走者のスライディングが極めて悪質な場合は、走者は試合から除かれる場合もある。
(規則5.09b(3)、規則6.01i(1))

3.タッグプレイのとき、捕手または野手が、明らかにボールを持たずに塁線上および塁上に位置して、走者の走路をふさいだ場合は、オブストラクションが厳格に適用される。
なお、捕手または野手が、たとえボールを保持していても、故意に足を塁線上または塁上に置いたり、または脚を横倒しにするなどして塁線上または塁上に置いたりして、走者の走路をふさぐ行為は、大変危険な行為であるから禁止する。同様の行為で送球を待つことも禁止する。このような行為が繰り返されたら、その選手は試合から除かれる場合もある。
ペナルティ
捕手または野手がボールを保持していて、上記の行為で走者の走路をふさいだ場合、正規にタッグされればその走者はアウトになるが、審判員は捕手または野手に警告を発する。走者が故意または意図的に乱暴に捕手または野手に接触し、そのためたとえ捕手または野手が落球しても、その走者にはアウトが宣告される。ただちにボールデッドとなり、他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。(規則6.01h、規則6.01i(2))

アマチュア内規では、攻撃側および守備側に対して、規則本文の規定と比べて、より厳しい制約を課すことによって、塁上での接触を極力避け、プレーヤーの安全が確保できるような規定を採用しています。走者は、たとえ走路上であっても野手との接触を避ける努力を怠ってはいけませんし、捕手または野手は、たとえボールを保持していても〝ブロック〟は許されません。また、この内規の適用は、本塁でのプレイのみに限定されてはいません。例えば、二塁のピボットマンに対しての、走者の併殺崩しの危険なスライディングなども対象となります。すべての審判員、プレーヤーがこの規則の趣旨を正しく理解して、的確な運用をすることによって、試合中の衝突事故を根絶したいものです。野球は決して格闘技ではありません。

(10)6.03(a)(4)<6.06(d)>の改正
6.03(a)(4)の3段目を次のように改める。(下線部を追加)
打者がこのようなバットを使用したため起きた進塁は認められない。(バットの使用に起因しない進塁、たとえば盗塁、ボーク、暴投、捕逸を除く)が、アウトは認められる。

違反バットの使用に起因しない進塁については、これまでは定めがありませんでしたが、今回の改正により、違反バットの使用に起因しない進塁は認められることになりました。
これは、打順の誤りの場合と同じ解釈です。

(11)7.02(a)(3)<4.12(a)(3)>の改正
7.03(a)(3)を次のように改める。(下線部を改正)
照明の故障、またはホームクラブが管理している競技場の機械的な故障(たとえば開閉式屋根、自動キャンバス被覆装置などの排水設備)の故障(オペレーターの過失を含む)。
サスペンデッドゲームになる事由に上記、下線部が追加されました。

(12)7.03(c)<4.16>の改正
7.03(c)を次のように改める。(下線部を追加)
球審が、試合を一時停止した後、その再開に必要な準備を球場管理人に命じたにもかかわらず、その命令が意図的に履行されなかったために、試合再開に支障をきたした場合は、その試合はフォーフィテッドゲームとなり、ビジティングチームの勝ちとなる。

英文の改正をそのまま受け入れたものですが、もともとアマチュア野球では、本条を適用していません。

【規則適用上の解釈の変更】
~「投手の投球当時」の解釈の変更について~
アマチュア野球においては、「投手の投球当時」の解釈を、「投手がボールを持って投手板に触れたとき(オン・ザ・ラバー)」と解釈する立場をとってきましたが、今年からMLBやNPBの解釈に合わせて、「投手が打者に対する投球動作を開始したとき」に変更しました。

以上で2016年度の規則改正および規則適用止の解釈変更についての解説を終わります。
規則書全体に関する条文構成の大幅な変更は、審判員や公式記録員をはじめ関係者にとっては厄介な改正ですが、新しい構成に早く慣れていただきたいと思います。
今年の改正では、6.01(i)の「collision rule」がクローズアップされていますが、野球は相手がいて初めてゲームが成り立つのです。「Respect & Justice」。先人たちが築き上げた「相手を尊敬し、フェアに戦うこと」を忘れなければ、相手に衝突するようなプレイは起こらないはずです。WBSCのランキングが世界一の日本ならば、フェアプレイでも世界一と言われるようになりたいものです。