16:守備妨害(二塁走者が遊撃手に接触)
1、状況:
一死走者満塁、打者はショートゴロを打った。遊撃手は捕球して本塁に送球しようとしたが、2塁走者が野手を避けきれずに接触してしまった。野手はよろけながら本塁への送球を諦め1塁へ送球し、1塁塁審は打者走者にアウトの宣告をした。 この間、2塁走者は3塁へ進み、各走者も次塁へ進塁していた。2塁塁審は審判を集めて守備妨害の確認をし、場内に規則適用の説明をした。
2、ポイント:
二塁走者が遊撃手を避けきれずに接触したのか、意図的に接触したのかを確認する。守備の状況からダブルプレイができたかどうかを総合的に判断する。
3、ジェスチャー:
① 二塁走者が遊撃手の守備を妨害 → 二塁塁審は前方に進み出て大きく『タイム』を宣告し、他の審判員も『タイム』を同調する。
② 二塁塁審は二塁走者を右手で指さし『インターフェアランス』 “That’s interference !” 続いて、『二塁走者、アウト』 “Second-Runner is out !”を宣告する。
③ 次に、三塁走者を右手で指さして『三塁走者、三塁へ』“You, back to Third!”、一塁走者を右手で指さして『一塁走者、二塁へ』“You, second base !”、打者走者を右手で指さして『バッター、1塁へ』 “ You, first base !”と指示する。
4、適用規則:走者アウト【5.09b3】打者または走者の妨害【6.01a10】
走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合。
ペナルティ 走者はアウトとなり、ボールデッドとなる。〔6.Ola妨害に対するペナルティ〕参照。
【注1】〝野手が打球を処理する〟とは、野手が打球に対して守備しはじめてから打球をつかんで送球し終わるまでの行為をいう。したがって、走者が、前記のどの守備行為でも妨害すれば、打球を処理しようとしている野手を妨げたことになる。
打球(フェアボールとファウルボールとの区別なく)を処理しようとしている野手の妨げになったと審判員によって認められた走者は、それが故意であったか故意でなかったかの区別なく、アウトになる。
5、場内または伝令への説明
二塁走者が遊撃手の守備を妨げたため二塁走者をアウトとします。二死満塁で試合を継続します。
◇ 二塁走者が明らかに併殺を行わせまいと故意に遊撃手の守備を妨害したと判断したら
① 二塁走者が遊撃手の守備を妨害 → 二塁塁審は前方に進み出て大きく『タイム』を宣告し、他の審判員も『タイム』を同調する。
② 二塁塁審は二塁走者を右手で指さし『インターフェアランス』 “That’s interference !” 続いて、『二塁走者、アウト』 “Second-Runner is out !”を宣告する。
③ 次に、打者走者を右手で指さして『打者走者、二塁走者の守備妨害でアウト』 “ Batter-Runner is out for second-runner interference !”と指示する。
◇ 適用規則【6.01a6】
走者が、明らかに併殺を行なわせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は、その妨害をした走者にアウトを宣告するとともに、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することも得点することもできない。
◇ 場内または伝令への説明
二塁走者が明らかに併殺を行なわせまいとして故意に遊撃手の守備を妨害したので二塁走者と打者走者をアウトとします。スリーアウト、攻守交替で試合を継続します。